紙の本
一流だが疲れた
2015/10/07 11:21
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
近々、仲間が台湾へ行くのだが、本書を読むと些か怖い気もする。新人ながら、それだけ筆力があるということだろう。直木賞の発表では青春小説という枠組みで紹介されたが、ハードボイルドとしての味も備えているのではないか。
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投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
台湾が舞台ということで、少し重たい作品なのかしら、と思って読み始めましたが、結果的に大きく裏切られました。
大陸と台湾の関係が背景に描かれているのですが、物語自体はザ・青春モノ!台湾をとりまく状況が丁寧に描かれていて、主人公の生きる環境がとてもリアルに感じられました。街の描写も想像を掻き立てられます。匂いまで感じられるようでした。
主軸である物語はエンターテイメントとしてとても楽しく読めるのですが、台湾にすむ人々のほうへ少し思考を傾けてみると、胸が詰まるような思いがします。
皆戦争を経験して、故郷を追われて台湾にやってきた人々。わたしは、台湾の人たちはみんな、中国のことをよく思っていないのだと思っていました。でも、実際にはいつか故郷の土を踏みたいと思っているお年寄りは多いのですね。言われてみれば、当然かもしれないと思うのですが、この本を読むまでは思いもよりませんでした。
台湾で平穏にくらすあの人もこの人も、かつて人を殺した事があって、そのときの辛い思いや恨みは主人公たち、孫の代まで影響している。
台湾の複雑な境遇には日本も戦時中に大きく関係しているし、ただ同情してはいけないと思うのですが。
とりあえずこの本は台湾という国を知る良いきっかけになると思います。
物語の展開と作者の経歴をおもうと、東山彰良さんは一体どういう人なのだろう?と、とても興味がわきます。
電子書籍
中国人をちょっと理解できる一冊
2015/09/29 12:31
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投稿者:Syuka - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ読み始めたばかりですが、中国に少しでも興味がある方なら一気に読み進められる内容です。とても面白いです。台湾、大陸etc...まだまだ奥は深いなぁ。
電子書籍
これぞ青春小説
2015/08/10 06:43
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投稿者:QQ3 - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞作です。1970年代の台湾という設定にまずは惹かれました。とてもエネルギッシュで青春の勢いや熱さを感じられる一作です。登場人物の名前を覚えるのがやや大変ですが、楽しく読めました。
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読み終わった後、もうしばらくは小説読まなくていいや、と思った。いや、読まなくていい、じゃなくて読めないな、か。それくらい大きな物語でした。
なんというか、読むのに体力が必要だとでもいおうか。物語に負けない体力を必要とするほどの。
感動した、とか、圧倒された、とか、そういう言葉で語れない、語りたくない何かが自分の身体の細胞の一つ一つに組み込まれてしまった。
世界は血でつながっている。親から、親の親から、ずっとつながって身体の中に流れる血。けれどその血はいつもずっと流れ続け入れ替わり続けてもいる。
私が誰で、どこから来て、どこへ向かっていくのか。なぜここにいるのか、なんのためにいるのか。
答えなんて死ぬまでわからないし、正解なんてないのだろうけど、それでも一つだけあえていうなら、それは「誰かのために」ということだろう。誰か大切な人のために、自分は生まれそして生きている。
足元さえ見えない暗闇で自分を見失いさまよっているヒトがいたら、これを読むといいと思う。神さまじゃあるまいし、一人で生まれて一人で生きてるなんて思うなよ、って、そんな声が聞こえるかもしれない。
金城一紀や馳星周を初めて読んだ時と近い動悸に襲われました。
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直木賞受賞作
台湾人青年秋生の物語。筋は祖父を殺したのは誰か、恋人毛毛との出会と別れ、やくざな友人小戦との友情がメインとなる。戦後台湾の大陸や日本との関わり、想いなどは台湾人の著者だからこそ真実味がある。台湾青年の青春(恋・喧嘩・学校・徴兵)の悶々さが良く伝わってきて楽しい。日本にとって近くて遠い国台湾。そこが国として認められるのは何時になるのだろう。
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第153回直木賞受賞作。
ギュっと濃縮された台湾小説。
政治あり、歴史あり、任侠や恋愛までありつつも、兎に角読み手を飽きさせないスピード感に引き込まれる。
毛毛(マオマオ)との恋愛シーンはまるで、映画『恋する惑星』のサントラが流れているかのよう。(『恋する惑星』は香港映画だが)
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直木賞なので読んだけど、その前提でいえば、ちょっと残念。
過去の直木賞に肩を並べるかと言えば、全然物足りない。
これで審査員がすべて○を付けたというのだから、よくわからない。
「過去の直木賞作品を読み直してみたら!」と言いたくなる。
そのことを置いておけば、人の名前が分かりにくかったけど、まぁ面白かった。
「いちおう読みました」と言うために読んだとすれば「あたり」かも!
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うううう~ん…!
フツーに読む分に可もなく不可もなくって感じ。
でも
東山さんファンとしては物足りない気分。
主人公がね、「おとなしい」って言うか…
内部のエキセントリックさが控え目。
他の登場人物がそうだから目立たないだけやろか?
と、「もうちょっと!」をずっと抱いたまま読了。
敢えて言うなら最後のかっこつけ感だけが東山テイスト。
■ ■ ■ ■ ■
なんか、このまんまこの路線で行くのかなぁ?
もしそうなら残念。
キリキリ&GOGO!&「おぃおぃ!」がいっぱいの東山作品が好きなんやけどな。
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読みやすかったです。ただ、妙に全体に軽い?ので、話のもつ重さとアンバランスな感じがしました。面白いといえば面白い小説です。
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台湾を舞台に描かれる青春ミステリー。400ページの長編小説ですが、最初から最後まで飽きさせることなく読ませます。読了感もさわやか。
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壮大な叙事詩。読んだ後の余韻が重い。血は水よりも濃いということか。ミステリーの要素もあり、読み応え充分。
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第153回直木賞受賞作
初読みでした。東山さん。
ハードボイルド小説なだけでなく、1970年代の台湾を舞台に繰り広げるエンタメ小説。
面白いとかではなく、ほんと申し訳ないのですが単に苦手分野です。すごい読みづらかった。台湾にいったことあってもう少し知識があれば違った感想もつことができたかもしれませんが。
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2015/07/16 直木賞
台湾人の作者。作者のおじいさんがモデル?
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150716/k10010153641000.html
http://live.nicovideo.jp/watch/lv224868262
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2015年直木賞受賞作。
どこを見てもベタ褒めの本作ですが、読んでみたらその理由もわかるってもんです。笑
本格ミステリとしても素晴らしい出来ですが、特にその年代の中国、台湾に住まう人々の描写は脱帽の一言。
人の様々な繋がりと、それに伴う怨恨の連なり。
心理描写がよっぽど丁寧でないと、ここまでの面白さは出せなかったんじゃないかなと。
ネックは人名の読みがなかなか頭に入ってこなかったことぐらいです。笑
火花よりやや知名度は落ち込みますが、今年必読の一冊と言って良いでしょう。