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高校までは地味で目立たなかった人が、大人になってから派手めになるって、よくある。
保険金殺人とかで捕まる女を見ても、なーんか「この人がそんなにモテたの?」みたいな感想を持っちゃうし。
美幸が潔いのは、淋しい、身寄りのない年寄りとかを狙わないことかな。
それでも殺すのはよくないけど。
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全然おもしろくなかったってわけじゃないんだけど、なんかもやもやした。
たぶん、まぁ私も実情がよくわからないけど、田舎の女ナメんなよってちょっと思ったというか…確かに都市部より多様性に欠ける人生設計になってしまうのかもしれないけど、結婚して、子ども産んで、旦那の少ない稼ぎで家計をやり繰りする人生が関の山だろ って感じを受けたんだよなぁ。そういう人生にしたくなかったら男を踏み台にして夜の蝶または金持ちの愛人にならにゃみたいな、え?女が幸せに生きてくにはその道しかないとお思いで?って思っちゃったんだよなー。
女の幸せが、結局、男を踏み台にするかもしくは絡め取られるかでしか規定されないのって、なんか窮屈だわ。
一瞬、あれ?これ昭和の話かえ?って思っちゃったよ。
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出てくる登場人物がいちいちクソすぎる。
エンターテイメント小説なので面白可笑しく描いているとはいえ、地方の現実ってこんなんなのか・・・?
パチンコや麻雀で無為に時間を潰したり、しがらみや古い慣習を押し付けて他人の足を引っ張ったり、一体何のために生きてるんだろうね。
何よりも糸井美幸がそんな地方の中でのし上がる「かっこいい女性」として人々の目に映っていることもおかしいでしょう。立派な犯罪者やで。
社会的に意義のあることで地方を変える人がいちばんかっこいいに決まってる。
よく思うのは、その環境が嫌なら逃げてもいいから移ってしまえばいいのにってこと。仕事の愚痴をいうなら転職すればいいし、住みづらいと感じるなら引っ越しすればいい。「やらない理由」を見つけるのは簡単だけど、とにかく動くだけで世界が変わるのになあ。自分の選んだ道なら文句もないでしょうに。
といろいろ言うけどエンターテイメントとしては最高に面白かった。
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噂の女、糸井美幸がいろいろな男を騙していく短編集。短編集といっても、それぞれの話はどこかでつながっているのでおもしろい。男の立場で読んでもスカッとするストーリー。
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奥田英朗はいいね、やっぱり。面白かった!週末で一気読み。ぜひ岐阜県出身者の感想を聞いてみたいところ。
ミステリとしてはイマイチだけど、この筆者が描く人間の嫉妬とか焦燥感とか一歩踏み出せない感とか、ほんと好き。まだ読み残した作品があるから積極的に読んでいこう。
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予想外のラストだった。
奥田英朗の文章は軽くてテンポ良くめちゃくちゃ読みやすい。観察眼鋭い作家やなと思う。どの登場人物も「ああ、おるおるこういう人」って思う。外見から仕草から言葉遣いまで。
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ある地方都市を舞台に、糸井美幸という悪女が男を手玉にして成り上がる過程をユーモラスに描く連作風長編小説。
悪い女にちがいないが、贅沢な暮らしをするために、女という性を武器にして男を踏み台にする美幸の生き方は、ある意味清々しささえ感じる。
逆に、地方都市の閉塞感にどっぷり浸かり、他人の悪口がいちばんの娯楽というちっぽけな人々に嫌悪感を感じる。
この対比が、美幸をますます魅惑的に、小市民をみすぼらしくさせ、人間としての本当の闇はどちらなのかを考えさせられる。
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物語の主人公は自在に男を操って高級クラブのママにまで登りつめた魔性の女、糸井美幸。黒い噂が絶えない彼女は東野圭吾『白夜行』の雪穂と同様に第三者の視点のみで描写されている。
などと書くと本作はガチガチのミステリと思われそうだがそうではない。ノワール的な雰囲気を纏っていた『白夜行』に対し、本作は登場人物の黒い欲望が乱れ飛ぶという意味においては確かにダークではあるけれど、あわせて垣間見える彼らの憎めなさや情けなさ、さらに本作の舞台である地方都市の悲哀さや滑稽さにクスリとさせられたほうが印象として強く残っている。物語のノリとしては『無理』と『ララピポ』を足して2で割ったような感じに思えた。
とりあえず難しいことは考えずに一気に読んで楽しめる、奥田英朗らしい作品に仕上がっていると思う。
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地方の噂の女の話。
こんな女にはなりたくないと思いつつも
羨ましいとも思ってしまう。
割り切れれば誰でも悪女になれるものなのか。。
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ある一人の女「糸井美幸」を巡る物語。章ごとに語り手が変わり、客観的に糸井美幸が語られ、彼女の様々な姿が描かれていく。
中古車販売店に訪れた、元同級生の男の視点、
麻雀荘の常連客である男の視点、
料理教室の生徒である女の視点、
不動産で成功を収めた初老の男の義理の息子・・・など。
糸井は様々な男と関係を持ち、それを利用して、巧く煉り渡る。
「さほど美人ではない」が「男好きのする」風貌とのこと。
男達は次々と翻弄されていく。しかも狙われる男は、みなそろって裕福。
用済みの男達は、命まで奪われる。後半では、警察も動き出すのだが、
それらは全て、章ごとの語り手からの目線で語られるものであって、確かな証拠はない。
ラストもそれらの真実は明らかにされないまま。
全体の物語の印象としては、もっと決定的な山場、そしてバックグラウンドが欲しかったな、と感じた。
謎を少しずつ残し、またヒントをちりばめながら進む、という点は飽きさせない仕掛けになっている。
大輔とのマンションでの一夜や、麻衣や美穂達が糸井に頼まれて購入する睡眠薬のくだりなど、「あの時のあれがもしかしてここに繋がっていくのか?」
と推理しながら読み進めていくのは楽しい作業だった。
しかし、その進み方が最後まで続くものだから、抑揚がもっと欲しくなるのだ。
例えば、もっと糸井の過去を描いて、地味だった高校時代の彼女が、こういうきっかけがあって変わってしまった、等。
そういった、彼女自体の人物像をもっと深掘りするような場面もあったほうが、物語全体が盛り上がった気がするなーと。
でもこの話、実写化してスペシャルドラマにしたら面白いかもな。
主演は、安藤サクラがものすごく会うと思う。拡散キボンヌ!
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奥田英朗はうんざりする田舎の人間書くのが本当にウマい。
田舎の抜け出せない閉塞感、横並びの同調圧力、将来を考えられない馬鹿ばかり。しかし、それを変えられない、どうしようもない毎日。
それを一足跳びで変えようとする女が一人。
10編の舞台がそれぞれ別の話は、ある一人の女を中心に綴られる。
高校から短大に進学してから変わったと、同級生が口々に言う。
糸井美里はキャバ嬢もやっていたことがあるようだが、今では自動車販売店の事務員をしていた。
買った車のヘッドライトがすぐに切れたという同僚に、先輩の主任が難癖をつけに行こうと雄一も連れて行かれることになった。
平身低頭だがこれ以上の値引きには譲らない店長に対し、毎日のように会社帰りに自動車販売店へと出向く。
うんざりする雄一だった。
自動車会社販売店の親会社の社長に、不動産会社社長、手練手管で玉の輿を続けクラブ経営へ。
そんな糸井美里に目を付けた刑事が現れ、そして美里は姿を消す。
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女が女という武器を使って生きていく話。
イリーガルに男を利用して成り上がっていき、読後感は良くなかった。ただ女のふてぶてしさを描いただけのような。ふてぶてしさ描くにしても他のエッセンスがあってもいいような?
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とある女性を中心に、かかわった人達目線のお話し
短大で垢抜けて、その後は・・・
1話を読み終わったところで「こんなちゃんとしたオチのない短編がずっと続くの?」と思ったけど
2話で同じ女性についての話しと気付いてからは「なるほど」と思った
女性の行動がかなり怪しいので、かえって「実はいい人でしたってオチか?」とかも思ったけど、そこは奥田クオリティ
まぁ、それにしても出てくる人が矮小な方々ばかりで
そこら辺が、ララピポとかを思い出させる
あと、地方都市の閉鎖性なんかも他の作品でも書いてたね
何より会話が名古屋弁なので、発音がリアルにわかる
名古屋弁がわからない人が読んだら意味はわかるけど、潜在的な魅力がちょっとなくなるかも
ラストも完全には決着をつけない形なので、好き嫌いがわかれそう
個人的にはアリだと思う
まぁ、「こんな人なんです」という結論を出してると言えるからそう感じるのかも
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男を食い物にする糸井美幸。いろんな視点から彼女を描いていて、見方によっては憧れの女性にもなりうると。
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読み始めは、単純な短編かと思ったが、それぞれが繋がり合って、サスペンスドラマになり、最後は噂の女は網の目を抜けて行く。スキットはしないけど、こういう終わり方も良いかもね。