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2015.7.30
普通の人は「愛」なんて、なかなか口にしない。
それを頻繁に口にするのは、愛が足りない証拠。
母に愛されたい、母娘の話。
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「ママ、赦してください」
そう書き残して、自殺を図った女子高生が自宅の中庭で発見された。
祖母により発見され、一命を取りとめたものの、「母親に追い詰められたのでは?」と世間は騒ぐ。
母と娘の手記により、浮かび上がっていく真相。母性とは何か、を浮き彫りにしていくミステリー。
2015年8月5日、読了。
世間からどんなにイヤミス、と言われても、なぜかこの方の作品には手が伸びてしまいます。
確かに、ちょっとイヤな気持ちにはなるかもしれない。けど、ある意味で人間の本質を描いているようで、どうしても目が離せないのです。
ちなみに。今回の作品は後味は悪くないです。救いもある。でも、こんな家族はやっぱりイヤだなぁとは思ってしまいましたけど(^^;
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母と娘の焦点をメインにほぼ同じ時系列で話が進んでいく。それぞれの想いを汲み取れるのは面白いが、話は確実に展開しているのに、なぜかもったりとした雰囲気がまとわりつく。母性がテーマであることを受けて、もっと主旨や狙いを理解できたら面白かったかもしれないが、私の理解力不足でそれができなかったことが残念…。
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母と娘の関係って紙一重で本当に複雑だと思う。
重さに読んでいて、疲れてしまいました。
母と娘の視点で交代に話が進み、お互いのエピソードに違和感を感じながら読みましたが、最後が近づくにつれ、違和感の正体を知り、驚かされました。
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なんかもやっとした。
もやもやもやもや
だけど母性っていうテーマそのものがもやもやしているのかもしれませんね。てかそう。
半分過ぎたあたりで、大事なことを言ってるっぽい文があった。女には二種類ある。母と、娘。そのうち母になれるのは、娘を愛せる人だけ。みたいな。
んーーー、娘を愛することができないのに、娘をもつ親がきっと多いだろうなと思った。自分もそう。まだ自分も娘。
この話を読んでたぶん女の人だったらみんな自分の親子関係と照らして読むと思うんだけど。
うちの母親もまだまだ娘で、母になりきれてないんだろうなって思う。でも母親になりきれる人なんているのか?
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あまりに自己中な人達がたくさん出てくるって印象
話せばわかるのに なんて単純なことではないのだろうけどばかばかしい
自分は間違ってないのよ、頑張ってるのよビームでお腹壊しそうな話でした!
最後はうまくまとまったのね
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私は母の分身、母の為に、母の無償の愛のために、生きてきた。母が認めた男性との間に娘が生まれ、母が望むから娘を育ててきた。母が望むように、母が喜ぶように、娘を育ててきた。主人は有名大学卒業しているが、学生運動を経て、鉄工所で働いている。口数は少ないが、趣味で油絵を描く。その後ろで私はリルケの詩集を暗唱する。足しげく通ってくれる母と娘が遊んでいる。季節の花が咲く小さい庭で、主人も私も望んだ「美しい家」を築き上げた。
しかし、その夢のような「美しい家」はある事件で消えてしまった。家族は一変した生活を送ることになる。
主に母親(↑の「母」でなく、その娘)が神父に向けて書いた手記と、娘(↑の「母」の孫)の回想を元に書かれた小説。どの人物にも思い入れが出来ずに読み進めるのですが、最後の最後になぜか涙がつつ・・・っと流れたお話でした。
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いやいや、これこそ湊かなえの真骨頂!
最近読んだ湊作品はやんわりしてたので、物足りなさをかんじてましたが、キタァー‼︎‼︎って感じ。このおどろおどろしい感じ。湊作品を読んだぁって感じがする一冊。
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母と娘のそれぞれの愛情。もつれて、決してお互いの求めている形にはならないけれど、多分それぞれは一生懸命なのでしょう。母を守りたい、その一心の行動が母を追い詰める。母の愛は娘に向かっていたのか…そこはもう甚だ疑問。ただ、娘を母にするために自ら命を絶った母の覚悟は言葉に出来ないほど見事。そして錯綜する女の嫌らしさの中にあって男の存在感のなさったら。自分の妻を何だと思っていたのか、問い詰めてみたいもんです。湊さん作品はさすがに薄暗く不気味な嫌らしさに満ち溢れていました。
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平台に並べてある本をざっと見、
『湊かなえ』『文庫本新刊』と言うことでとりあえず外れないだろうとそのままレジへ。
うーん、こーゆー話でしたか。
終始、「胸糞悪いなー」と思いながら読んでいましたがこの人を何とも不快な気持ちにさせる独白手法はやはり湊かなえの十八番だなと。
ぐいぐい読ませてくれました。
しかし、1つだけしっくりこなかったことがあり、それに関しては未だに腑に落ちていません。
ミスリードに誘い込む為にそうせざるを得なかったのか、それともまぁそれくらい人間変わるものだよ、という意味か。。
ネタバレになってしまうのでアレですが…
うーん、違和感。
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「母性」を巡る母と娘の愛と憎しみが交錯する物語。
「愛能う限り、娘を大切に育ててきました。」という言葉が心底怖い。女性にとって、同性である母親や娘の存在とはどのようなものなのか。男には理解も想像もできない何かがあるような気がする。某人気女優の若い頃、余りにも仲の良い姿をマスコミは「一卵性親子」と囃し立てたが、私には薄気味悪かった。この小説には、あの時感じた印象を思い出させる。
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すごく思い当たることが書かれていた
お互いの想いが通じていない
お互いに誤解していることがある
母と娘は通じ合って当たり前と思われている
でも通じ合わない母と娘もいる
生まれ持ったものだから
仕方がないと思う
他人だったら絶対に関わりたくないタイプでも
母と娘ならそんなことはないと
信じられているのが不幸の始まり
今のドラマにもあるけれど
本当に家族は鬱陶しい
気が合う娘の合格は
涙が出るほど嬉しくて幸せな気持ちになれた
彼女が家を出る時に私も家を出る
もう気が合う家族はいないから
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さすがの湊かなえ。ハズレなし。
母親とは、娘とは、家族とは…。
そんなこと考えさせられた。
人間模様ミステリー。
それほどドラマチックなものじゃなくても、小説家によって立派なミステリーになってしまうんだなぁ。湊さんさすがです。
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湊かなえさんらしい物語でした。
まず、女子高生が自宅から転落した新聞記事から始まる。
そして女子高生の母親の言葉
「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて信じられません。」
母の手記と娘の回想が交互に出てきて、だんだんと真相がわかっていく。
母は、自分の母親を愛し過ぎていたため、娘を愛することができない。
また自分の母親を理想の母親像であり、また自分こそが理想の娘だと思っているため、自分の娘が自分と違うことに腹立てるようになる。
台風の日、高台の家が半壊し、自分の母親と娘が箪笥の下敷きになってしまい、また蝋燭が倒れ火事になり、どちらかしか助けられない状況に。母親は自分の母親を助けようとしますが、孫娘を助けるように母親に言われ、娘を助けた。
その事件で、自分の母親を失い、娘に対して苛立ちをさらに覚えるようになる。
この子には母親がいるのに、なぜ私の母親はいないのか…
娘の回想も出てきて、悲しい話でした。
途中よくわからない部分もありましたが、正直この母親はよくわかりません。
娘に偏見は良くないと言っておきながら、自分は偏見をもっているし、自分の母親のことしか頭にない。
でも、最後の結末には安心というか感動しました。
そして、度々出てくる教師は…○○。そしてあの新聞記事は…。
自分に重ねているのか…あぁなるほどなぁと読み終わって気づきました。
あまりネタバレになるといけないので、書きませんが、母と娘を描いたこの作品、ぜひ一度読んでみてください!
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衝撃的な作品ばかりの湊かなえ先生が母と娘を描く長編作品。相変わらず、登場する女性たちはみんなメンヘラ気味だったりゆがみまくってたり、そして男どもはみんなダメ野郎ばっかりで、読んでてうんざりします。もちろん、それが著者の作風と理解はしているつもり。
ストーリーは母視点と娘視点、そして幕間のような視点で語られるのですが、同じ出来事を振り返っても、母と娘で見事なくらい印象が異なり、しかも明らかにどちらかは(あるいは双方が)記憶を都合よく改ざんしていたりするので、語り手として信用できません。まぁ、ミステリーでよく使われる手法ではありますが、なんせ内容が児童虐待などにもかかわってくるので、特に母親視点には気持ち悪さというか不愉快な心証を持たざるを得ませんわ。しかも「こういう母親って、けっこういるんじゃないの」と思わせるのが湊宣誓のドイヒーなところ。でも、実は娘の方もちょっとヤバめであることが後半わかってきます。
冒頭から「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」という文言が出てきますが、この作品を読むと、かつてサウザー様が「愛などいらぬ!」状態に陥ってしまったのもうなづけるかもしれません。愛って抽象的で時に残酷なものですね…。