紙の本
今までにない
2016/01/31 21:20
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投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイプの主人公、世界観のミステリで面白い。
自分がほとんど関わりを持てない世界を覗き見しているようでほぅほぅとためになる。
紙の本
人間って力強いと思える
2017/08/09 19:47
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投稿者:ずんのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦のアメリカ軍のコック兵を中心に書かれた長編推理小説。長編ではあるものの、提示される様々な謎や不可思議は細かく解決されるので、連作短編のような形。戦争という重苦しい中でも明るく振る舞う若者たちにつられるように、物語全体も重苦しい漢字ではなく、逆にみずみずしささえ感じられます。また若者ならではの生々しい感情や衝動なども丁寧に描かれているので、青春小説としても読めます。
途中で登場人物の何人かは死んでしまいますが、それも陰惨な感じではなく、最後には彼らが報われる場面も描かれているので、人間って力強い生き物なんだなと感じます。
紙の本
アメリカの空気
2016/02/29 06:59
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
第2次世界大戦を見事にアメリカ側の軍隊から描いた物語。
祖母の料理と愛情で育てられたキッド。
気軽に軍隊に入隊したキッドは、友人と友情を育み、友人の死を目の当たりにし苦しみ成長する。
軍隊で起きる事件をエドと一緒に謎を解決しながら、キッドは戦争という理不尽な生と死に直面しながら戦士として戦う。
自分がした事、発した言葉、それらは決して忘れ去られることはなく、いつまでも自分に残される。
それらを抱えながら、戦後を懸命に過ごしてきた戦友達との再会に涙した。
ノルマンディー作戦をアメリカ側から見る事が出来た。
パラシュートで飛行機から落とされる戦士達、いつの間にか戦争に慣れ敵国の戦士を殺す事が当然と考えるキッド。
そんなキッドに訳ありの友人達が心からの言葉を伝えながら戦い続ける。
直木賞候補の作品。
読み初めからアメリカの雰囲気を感じさせる文書から、ミステリーを解き明かす展開と、人と人が殺し合う戦争へのメッセージが読む者を引きつける。
書店員が書いた小説と知って驚きの完成度。
これからの作品に多いに期待したい作家。
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今年読んだ本で一番いい。日本人が書いたとは思えないくらいアメリカやドイツの軍隊や兵士の描写がリアルで手に汗握って読みました。
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1944年、合衆国軍のコック兵となった19歳のティム。彼と仲間たちが戦場で遭遇したささやかだが不可思議な謎とは――戦いと料理と〈日常の謎〉を連作形式で描く、著者渾身の初長編!
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第二次大戦中のアメリカ兵のコックが出会う日常の謎という触れ込みだが、戦場なだけに死体はたくさん出てくるし、情景描写もかなり鮮明。そのため雰囲気は暗いし、読みにくい部分も多い。ミステリ部はネタだけを取り出せば目新しいものでは無いが、戦場という舞台をうまく絡めている。
オチはキレイにまとまっているため、読了感は良い。
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第二次大戦、欧州戦線に配属された炊事兵の日常、そして兵士たちの戦いを描く。たわいもない事件の謎解きからゆっくりと始まる作品は、やがてキーとなる人物の突然の退場と、戦友の驚くべき過去を軸に一気に回転し、影の薄い「ワトソン」でしかなかった主人公を名実ともに主役の座に押し上げる。軽妙なタッチでいながら、戦争の矛盾や闇、忘れられた傷病兵の暗い姿、過去から逃れられない帰還兵たちをも同時に描写し、深い味わいを残していく。
冒険小説のカテゴリーへ入れてもいいと思うが、久しぶりの本邦作家の力作だった。満足です。
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頭から尻尾まで豊かな読み心地で、作品の世界にのめりこめる。第二次世界大戦を舞台に、アメリカ軍の若き兵士たちの戦場での毎日を綴りながら「日常の謎」解きをプラス。主人公たちが戦闘もおこなうがメインの仕事は料理というのがひと味ちがう。「暗唱シーン」、大好きです。ごく普通の若者たちが次第に狂気に呑まれていく過程が、人を殺めて賞賛される戦争そのものの異常さを浮き彫りにする。
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日本の小説には珍しい欧州戦線が舞台。
アメリカ軍のコックや衛生兵たちが軍隊の中で起きる不可思議な事件を推理する。
戦場が変わるたびに物語の舞台も変化する、登場人物の重なった中編連作小説。
ミステリーとはいっても、事件に纏わる出来事や背景が戦時中ならではばかりの事なので、隊員たちの心中を思って胸が詰まる。
最後の捨て置かれたユダヤ人強制収容所の姿は、目を覆いたくなるほどだった。
あの時代に生き、あの戦争をくぐり抜けて今を生きている年配の方々は、少なからず同じような苦しみを胸に秘めているのかもしれない。
2016/02
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戦場に帰りたくなる。こう書かれていたとき、どうしてだろう、と腑に落ちませんでした。だけど、続く、おいていかれたくない、自分の知らないところで戦況が変わる、家族同然の仲間が死ぬのはいやだ、という主人公の思いにはっとしました。
仲間外れにされる恐怖というのは、だれしも持つものです。戦場は兵士の居場所で、そこから爪弾かれるのはおそろしいのかもな、と思いました。だけど休暇はほしくて、でも、戦場には戻りたい。この矛盾にキッドの青春を感じ、死んでいった仲間たちを思いました。戦場が青春。死の記憶に結びつきながら、それはぎらぎら輝いているようです。
読みはじめてすぐにあっこのひと死んじゃう、と思っていて心の準備をしていましたが、それでも最後のあたりでうるっとしました。あの遺書はやさしさのかたまりです。大好きです。
きっとあの遺品の最後も、あの子らしく、もういいだろ、と去っていったんだと思います。もしかしたら親友に向けた謎かけかもしれません。
よく生きてからこっちに来いよ、答えはそんなところです。
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ノルマンジー上陸作戦以降に欧州戦線に参加した米国の若者を主人公にした、戦記、ミステリー、友情物と成長譚それぞれの要素が詰まった物語。
まるで翻訳物のように米軍内の生活が自然に描かれ、中でも戦闘シーンの臨場感は特筆すべきであろう。
ミステリー的エピソードが各章の核をなすのだが、子供っぽい雰囲気になってしまうので、全体のバランスからすると、ない方が良かったのではないか。
ただ、それを差し引いても、今年の収穫に入る一冊であると思う。
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ノルマンディ作戦から終戦までのフランスを舞台にした物語。
主人公は合衆国陸軍の特技兵であるキッド。彼とその仲間たちの2年間。戦場という非日常の中での「日常の謎解き」はほのぼのとしていておだやかに過ぎていく、の、かと思っていたが、もちろんそんなはずもなく。
戦争は世界から多くのものを奪った。生き残った者たちも誰もが大きな喪失を抱えたまま生きている。
戦争、絶対いやだ。
(ソーセージと林檎の円盤ローストが食べたい)
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前に読んだ同じ著者の『オーブランの少女』は繊細なイメージだったが、これは全然ちがう骨太なテイストで驚いた。(どちらも素晴らしい。)
ノルマンディー上陸作戦に従軍したアメリカ軍コック兵ティムの目から見た第二次大戦。
帯には”コック兵が戦場で出会う日常の謎”と書いてあり、たしかに戦場での料理や、粉末卵600箱が一晩で消えるとか不要なパラシュートを集める兵士の謎などを解き明かす過程も面白い。しかしそれよりもやはりこれは戦争小説で、読み進むにつれてどんどん悲惨になる戦場、死んでゆく仲間たち、戦場の狂気に飲み込まれて変わってゆくティムの気持ちなどに胸が詰まった。
今年一番泣いた本。
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デビュー作が良かったので期待してました。
しかし、前作とは打って変わって戦場!
大変な力作で、また次の作品が楽しみ。
バンド・オブ・ブラザーズ観よう。
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外国の人が書いたと思うくらい、大戦中の米軍内の様子がしっかりと書かれていて最後まで飽きる事なく読めた。