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琥珀のまたたき みんなのレビュー

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みんなのレビュー111件

みんなの評価3.8

評価内訳

105 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

幸せだった共同生活は、他人の目には幸せに見えないのです。

2017/05/15 08:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

オパール。琥珀。瑪瑙。母と暮らす三人の子の名前です。
魔犬に四人目の子を奪われたと思い込むママ。
三人の子どもをかくまうべく古い別荘に移り住みました。
息が詰まりそうな出だしです。

そんな幼少時代の琥珀の経験を、同じ老人ホームに住む
私が聞き取り、物語にして語っていく展開です。

琥珀は、ゆったりとした静かな空間で過ごすのが好きです。
聞き取れるかどうか分からないくらいの小さな声。
長い時間、私とおしゃべりを楽しみます。

私には娘がいます。
時折ホームに顔を出すのですが、今日行くよと言ったきり、
何かのついでに寄るだけなので何時になるのか分かりません。
すっぽかしもあります。実の娘なのに。
それでも到着を待ちわびるのですが、私にとっては結局、
琥珀と過ごす時間の方が濃密になっていくのです。

自己主張をしない二人は、相手を受け入れることに重きを
置いています。琥珀が語ったのは、学校にも行かず、
古い別荘から一歩も出ない幼少時代の記憶でした。

ママが禁止したことを疑問も持たずに守り続ける琥珀。
老人になった今も変わりません。
きっと琥珀は、守られた時間の中で心が安定して
いるのでしょう。

姉のオパールは、共同生活が始まった時は分別のある
年頃でした。二人の弟のため、よき育て役となり、二羽の
ヒナが巣立つ準備ができるまでかくまってくれたのでした。
弟の瑪瑙は、物心ついたときはすでに共同生活だったので、
疑問はありませんでした。

琥珀の心の安定は、母と姉のどちらによるものかは分かりません。
ただ、じっと見ていた自分たちの世界が、琥珀の心に永遠に
刻まれたのです。

失礼ながら社会的弱者と呼びますが、ある意味で弱く、
どこか強いという人たちを描いたら、小川洋子さんは
ずば抜けていると思います。
この作品を読んだら、心に澱が沈殿していきました。

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紙の本

静謐な世界

2015/10/15 07:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「静謐(せいひつ)」という言葉の意味を調べると、「静かで穏やかなこと」という意味の他に「世の中が治まっていること」という意味がある。
 小川洋子のこの長編小説は、まさに2つの意味から「静謐」な作品であるといえる。

 状況は異常だ。
 物語は、長女を頭に、3歳下の長男、さらに3歳下の次男の三人姉弟が、自分の名前を捨てるところから始まる。三人は亡くなった父親がかつて出版した『こども理科図鑑』の任意のページから名前をもらった。長女はオパール、長男は琥珀、そして次男が瑪瑙。
 三人は3つになったばかりの小さな妹の死をきっかけに、外界と遮断された家に住むことになる。
 母親は断固として外界との接触を許さない。
 何故彼らはそういう状況に置かれたのか、そうして物語の間あいだに年老いた琥珀が登場することでその幽閉状況から脱出したことは推測されるが、どのようにして琥珀は外界に戻ったのか、ミステリーの要素はあるけれど、小川洋子の創作意図はそこにはないように思う。

 小川洋子はひたすら閉じられた世界を描いていく。
 琥珀と名づけられた少年が家にあった大量の図鑑の片隅に描いた、亡くなった小さな妹の絵が、この小さな家族に安らぎを与えていくのと同時に、成長する彼らがまったく外界と接することのない困難性を描いていく。
 小さな家族は大きな声で話すこともなく、それは静謐の一つの意味でもある世界観を表出している。
 そして、母をいれてわずか4人の家族の世界は外界と遮断されながらも、「世の中が治まっている」という、静謐の2つめの意味の世界観も表現している。

 彼らの世界は小さい。そのままであれば何事も起こらなかったかもしれない。
 しかし、ある日、外界から一人の青年が闖入してくることで、そこに綻びが生じる。
 成し得ることのなかった完璧な世界がそこから崩れていく。
 静謐は破られるのだ。
 小川洋子の作品世界が大好きな読者にとってはこの作品は実によく出来た世界観かもしれないが、何気なく手にした読者にとっては、揺れのない静謐そのものが怖くなる作品かもしれない。

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紙の本

宝石箱

2015/10/05 02:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

大好きな小川洋子さん新作!まってました。オパール、琥珀、瑪瑙、古い名前を奪われ、新しい名前で隔離され生きることとなった兄弟。母のいいつけを守りそれなりに幸せだったかもしれないけれど、完全なる隔離は難しく。。ジョーと出会ったオパール、いずれ出奔すると思ってた。でもきっと愛され幸福に生きているはず。琥珀色の左目をもつアンバー氏、かつての琥珀。周りがどんなに騒ごうと揺るぎない彼の凛とした佇まいが好きだ。彼の描く妹を見てみたい。彼の繊細な指先で生を与えられる家族は永遠だ。

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2015/10/27 21:17

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2015/10/11 19:32

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2015/11/10 20:58

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2015/09/10 15:01

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2016/11/28 23:05

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2015/12/20 11:42

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2016/05/26 08:12

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2015/10/23 00:23

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2015/09/21 21:33

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2015/09/28 21:58

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2015/10/04 15:17

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