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下巻で、悲劇だと思ったのが、柏木。彼は真面目で、一途な人だっただけに思いつめてあんなことになってしまった。現代でもああいうことってあるよね。あいのり見てても、一目ぼれしちゃった女の子がいくらつれなくても、それで体調崩しちゃっても思い続けてる男の子っているもん。ただ、柏木の場合は相手が非常に非常にまずかったね。源氏もちょっと大人気なかった。でも私は柏木ファンだ!
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色々な作家によって現代訳されている『源氏物語』。本作は田辺聖子氏によって訳されたもの。全3巻(上、中、下)。
女性らしさ、とでもいうべきか…表現は美しく、柔らかい。硬さが無く読みやすい。『源氏物語』を何でもいいから読んでみようという方にもお奨め出来る。…ただ、「源氏出家」の時点で作品は終了している為に『宇治十帖』の部分は書かれていない。その点は少し残念。
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(2007.05.08読了)(2002.01.11購入)
3冊目の下巻は、「梅が枝」「藤のうら葉」「若菜」〜「まぼろし」までです。
ここまでで「源氏物語」の第一部が終わります。第二部の「宇治十帖」は、少し間を置いて、「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上下)」として書き継がれ、文庫でも出版されています。
この後引き続き読み進めるつもりです。
下巻は、光源氏の出る幕はだんだん減って、夕霧や柏木たちの出番が多くなる。
夕霧は、光源氏と葵の上(光源氏の最初の妻)の間にできた子供である。
夕霧は、幼馴染の雲井の雁との結婚を許され、めでたく結婚する。
光源氏は、朱雀院のからの頼みで、朱雀院と藤壺女御の間に生まれた女三の宮を正妻に迎える。光源氏は、紫の上に申し訳ないながらも、女三の宮を放っておくわけにも行かず、女三の宮のところへ訪れてみるがあまりにも幼いので、適当に相手をするしかない。
そのうち、紫の上の具合が悪くなり、一時は仮死状態にまでなってしまう。光源氏は、紫の上にかかりっきりになるしかない。
光源氏が、紫の上の看病に明け暮れている隙に、柏木が、女三の宮に近づきことに及んでしまう。何度も通ううちに、子供ができ、生まれた子供が薫ということになる。
柏木が、女三の宮に出した手紙が、光源氏に見つかり、柏木と女三の宮のことがばれてしまうが、光源氏は、公表すれば、自分の恥になるので、自分の胸に収めてしまうしかない。
ただ、柏木に対しては、それとなく、お前のやった事は分かっているぞと告げる。
柏木は、自分の情熱のままに大変なことをしでかしたことを気に病んで、そのうち事切れてしまう。
柏木は、女三の宮の姉の女二の宮と結婚していたのであるが、光源氏と女三の宮が結婚する前に女三の宮の結婚相手の一人として立候補していたこともあり、女三の宮に執着し、身の破滅を招いてしまった。
柏木がなくなった後、夕霧は、柏木から依頼されたことでもあるので、女二の宮とその母の面倒を何くれとなく見る。雲井の雁にあれこれ言われながら、それとなく、女二の宮に言い寄る。
皆さん、隣の芝生のほうが綺麗に見えるらしい。
そのうち、紫の上はなくなる。光源氏は、以前から出家の志があったけれど、紫の上をおいて出家するわけには行かないので、我慢してきたが、紫の上がなくなった後は、もはや思い残すこともなく、出家ができる。年が明けたら、出家しようというところで終わる。
(2007年5月11日・記)
☆田辺聖子さんの本(既読)
「甘い関係」田辺聖子著、文芸春秋、1975..
「絵草紙源氏物語」田辺聖子著・岡田嘉夫絵、角川文庫、1984.01.10
「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「むかし・あけぼの」(上)、田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
「むかし・あけぼの」(下)、田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
「おちくぼ姫」田辺聖子著、角川文庫、1990.05.25
内容紹介(amazon)
平安の宮廷で華麗に繰り広げられた光源氏の愛と葛藤の物語を、新鮮な感覚で「現代」のよみも��として、甦らせた大ロマン長編。
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きました・・・いよいよ最終章。
源氏は若き日に重大な過ちを犯す。
父親である桐壺帝の後妻(源氏の義母)藤壺を慕うあまり父に隠れて密通をし、藤壺は源氏の子を身篭ってしまうんです。
帝はその事を知ってか知らずか、冷泉帝に皇位を継がせる。
臣下に落ちた源氏の子供を・・・。
この下巻では、源氏が若い頃犯した過ちが、因果応報の報いとなって源氏自身に降りかかってきます。
どんなふうにかと説明したいんですが、これ以上書くと、浜村ジュンになってしまいそうなので詳しい内容は書籍でそうぞ♪
読み出すとやめられない・とまらない。ハラハラドキドキ新源氏物語の世界に酔いしれて下さい。
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平穏が続くかと思われた源氏と紫の上の間に波風が起こる――女三宮の登場により紫の上の「源氏の妻」としてのプライドが揺れそして次第に弱り果てていき、源氏は過去、藤壺と犯した過ちを柏木と女三宮に突きつけられる。華やかな時代は去り、先細っていく二人の物語は今、終わりを告げる……ってこんな具合でよろしいでしょうか。私は若菜からの源氏が好きだ。紫の上は悩む、源氏も自らの罪に対する罰を目の当たりにする、そして人生の儚さを知っていく……ちょっとかっこ良い言い方するなら近代小説っぽいからね。夕霧の落葉の宮とのエピソードも面白い。落葉の宮が実際かわいそうなんだけど。夕霧め……夕霧が帖の名前になってるからって、お前メインだと思うなよ!と思ってたら本当にメインだった。源氏が空気。しかしやはり、ここまで読むと、あーいろいろうだうだうだうだどうせ嘘なんだろな理屈並べてはいるけどやっぱり源氏が本当に愛したのは(たとえそれが、藤壺の形代でも)紫の上なんだなと。もし本当に藤壺を愛していたなら、彼は藤壺と一緒に死ぬなり世を捨てるなりしていたはずだし。……源氏にはそこまで詳しくないしいろいろ言えないんだけど、私が思ったのはそんな感じです。
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上・中・下と読みました。名前がやっぱり難しいところはあるけど、それでも面白い。
昔のあの階級の女性は大変だったなーとも思う。選ぶ権利が、今ほどない。…でも今だって、視点を変えれば昔よりないかもしれない。
ストーリーとしては、悲しい話だと思った。そういう悲しい部分があるから、光の君はさらに素敵に映るのかもしれないけど。
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源氏が崩壊していく巻。
柏木と夕霧も恋に惑って憂き目を見る。
そして女三宮の降家・・・これが決定打。
紫の上を深い悲しみに突き落とした。
いい歳になっても女性への興味が失せない源氏と、
出家を望む紫の上。
二人のすれ違いが悲しかった。
紫の上の人柄のよさを源氏が讃えるのも束の間。
彼女は病に臥してしまう。
それからの痛々しいまでの源氏の献身的な看病ぶり。
かつてのキザなプライドはどこにいってしまったのかと思うほど。
どうして人は、失って初めて、愛の深さ重さに気づくのか・・・
読み終わって、しばし茫然とした。
長編を読み終わったというより、一人の長い人生を見届けたという感じ。
なんと華麗な人生であったことか。しかし山は高いほど、谷も深い。晩年の源氏は幸福だったとは言えまい。
単なる恋愛小説に終わらない、人生の重さと儚さを教えてくれる。
改めてこの作品のすごさを感じた。
源氏物語の国に生まれてよかった、というのが感想。
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紫の上は本当に愛されていたんだな、と改めて思いました。
柏木を責める源氏の気持ちも分からなくはないかな?
柏木は素直な性格のようで好感が持てました。
唯一好きになれなかったのが、髭黒の北の方と雲居の雁と六条御息所ですかね…
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すごくおもしろかった。
自然を愛でたり、趣のある文をしたためたり、平安時代の貴族達の暮らしが新鮮だった。
私も季節の挨拶でも書きたいなっていう気分になった。
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紫の上が亡くなった。嘆き悲しむ源氏。
そして、柏木と女三の宮との関係。
かつての源氏の行為そのままに罪を犯した柏木。
改めて、父の思いを知る源氏。
いつの時代も男と女の話には尽きぬものがある。
登場人物の心もようが細かく鋭く描かれていると本当に感心する。
読み応えのある小説である。
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「梅枝(うめがえ)」から「幻」まで。独自のタイトルがついていて印象的です。文章が解りやすい分、「読み飛ばす」ようではなくじっくり味わって読んでいます。夕霧と雲居の雁は本当かわいい夫婦ですね。あと朱雀院が本当にいい人です。ここまで裏表なくいいい人でいいのか?と「窯変」読者としては勘繰ってしまうほどです。とちらの朱雀院も好きですが。ここら辺は本当、訳者さんの味ですね。長い「若菜 上下」も収録されていて、柏木の悲劇が胸に痛いです。
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光源氏、晩年の日々。晩年なのにまだまだすったもんだが続きます。紫の上がかわいそうでたまらなかった小学生の私でした。
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因果応報ってやつですね。源氏の勢いとかを考えるとブチ切れてもいい事態ですが、昔の自分と同じことしてると思ったら責めれないですよねぇ。
源氏が落ち着いて大して面白みがない分、夕霧がやらかしてくれました。何かあると花散里のもとへと行く夕霧が可愛いです。花散里は癒し系女子ですね。あたしも好きな女キャラです。
紫の上に対しても散々後悔をぐちぐち言っているにもかかわらず、どこかラストは切なくホロリとさせられました。後悔するまでもなく紫の上を傷つけるって分かるじゃないの。これだけ女と接してて何言ってるんだと思いました。でも源氏の人生が終わったというわけではないのですが、一時代が終わったんだなぁという感じの最後でした。
さらさらと読みやすい物語です。
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下巻は、「梅枝」から源氏の死までの巻が収められています。
源氏が女三の宮を引き取る頃から、紫の上がしだいに仏道への思いを強くしていく心境の変化がやや辿りづらいようにも感じましたが、これは現代的な文章にそぐわないテーマであるせいかもしれません。
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