紙の本
甘くはないけど、あたたかい終わり方
2018/05/31 21:49
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説を読んでいて、クライマックスのいい場面になると、早く先を読みたくて、目があせって先に先に行ってしまい、大事な部分を読み飛ばしてしまったり、うかつな読み方をしてしまって後戻りをしたり、ということはありませんか。
私はよくあるんです。
宮部みゆきの時代物、『桜ほうさら』(上・下)を読んできて、さいごのところで、またそうなりそうになって、ぐっとこらえました。
そして、無事読了。
山本周五郎を少し読んでから宮部みゆきの時代物を読むと、その影響がうかがえます。
とはいえ、題名に桜が入るイメージ通り、甘くはないけど、あたたかい終わり方になって、よかった。
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桜の季節に読みました
2023/04/26 09:59
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投稿者:たぁ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後の余韻にひたっています。あたたかく優しく寂しい作品。 笙さんはとても良いオトコです。 みなさんの感想を読んでいたら、「きたきた捕物帖」に続くらしい。読まねば!
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生き方について深く考えさせられる作品
2021/09/26 17:13
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投稿者:こゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
頼りない若侍・笙さんが、桜の精のような女の子に一目惚れするところから物語が始まります。
ほのぼのとしたお話なのかと思って読み進めると、どんどん、辛く容赦ない事実が笙さんの前に現れて…
その時々の笙さんの選択に、「あぁそういう風に生きていくのか」ともどかしく思う場面もあるけれど、人生ってそうやってもがいて足掻いた先に開けていくんだと、目を覚まさせられる思いです。
最後まで読んで、「桜ほうさら」というタイトルにキュンとしました。
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思わぬ展開に驚くも、穏やかで希望あるいいエンディング
2020/09/15 22:40
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきの『きたきた捕物帖』を読んだ縁で手に取った本作。物語後半は、父親の嫌疑をはらそうと江戸に出てきた主人公・笙之介が、その思いを遂げるのか否か...の本筋に焦点が当たり始める。結果は思わぬほうに転んでゆくが、結論的には、ある種の希望もあって読者を裏切らないのではないかな。
とにかくこうして空いた深川の富勘長屋に、その後『きたきた捕物帖』の主人公が住まうのかぁ...と思うと、こちらもまた再読したくなる。そして、笙之介のその後もちょっと読みたい。
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ささらほうさら
2016/02/07 18:51
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投稿者:Zero - この投稿者のレビュー一覧を見る
すべてに決着が着き、よきラストとは思うが、主人公の今後の目標として救荒録の写本というところに対して唐突感が否めない。本編でもう少し絡ませればよかったのではないかと。
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第3話と第4話。
第3話は誘拐事件発生。
第4話は第一話に続き、笙之介の藩の事件。
途中までの江戸人情話が、最後は大きな事件になっていくし、皆が幸せになるわけではないが、そこは宮部ワールド、いい読後感で終わる。
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刺激は少ないけれど、心温まる今の時期にぴったりの物語でした。
あらすじ(背表紙より)
江戸で父の死の真相を探り続ける古橋笙之介は、三河屋での奇妙な拐かし事件に巻き込まれる。「桜の精」のような少女・和香の協力もあり、事件を解決するのだが…。ついに父を陥れた偽文書作りの犯人にたどり着いた笙之介。絡み合った糸をほぐして明らかになったのは、上総国搗根藩に渦巻く巨大な陰謀だった。「真実」を突き付けられた笙之介が選んだ道とは…。切なくも温かい、宮部みゆき時代ミステリーの新境地!
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201601/上下あわせて。酷だし哀しい話なんだけど、そこは宮部みゆき根底の優しさによる筆で救いもありじんわりと。登場人物達の台詞も心に沁みる。
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正月休みに続く3連休。今年の初競馬へ行こうと思っていたのだけれど、体調悪くして家で臥せる。そのお蔭で下巻はどんどん進んで2日間で読了。
季節は初夏から梅雨へと移り、三河屋の一人娘の拐かしに巻き込まれ、謎を解いたかと思えば、そこからもうひと転がりする第三話。
これまでの話が全て繋がって、それが思わぬ繋がり方で語り明かされる驚きの第四話。
全てが語り明かされた時に広がる物語の思わぬ苦さに戸惑いながら、和香という女性の存在に救われる。
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久しぶりに宮部さんの作品を読んだ。
やっぱり上手。笙さんと和香さんが恋に落ちてくさまも見事。
丁寧に、丁寧に作られた作品だったと思う。
時代小説だから、現代から見たら、なにを時代錯誤な考えた方を、なことが多いのは当たり前。でも、やっぱり人と人とのつながりとか、家族に対する考え方とか、今とは違う、というか忘れてること?を思い出させてくれることに間違いはない。
騙されていようとなんだろうと、自分は自分の軸のうえで一生懸命になるしかない。大勢に影響はなかろうとも、小さな変化、自分のなかのなにかをかえること、とかはできる。
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新春に読むに相応しい、いいお話でした。
上総国搗根藩の小納戸役の家に生まれた古橋笙之助は、武の腕はからっきしでも、文に秀でた心優しい青年です。
収賄の罪に問われ切腹した父の無実を信じ、江戸留守居役の坂崎重秀の差し金もあって、国元を離れ、江戸は深川の長屋で暮らすことになるのですが…
純朴で世間知らずを絵に描いたような笙之助ですが、彼に何かと世話を焼く長屋の人々と同様、読んでいると彼のことがとても好ましく感じ、ついつい応援してしまいます。
父の無実を晴らすべく駆け回る間も、彼の周りでは様々な事件が起こり、彼自身も「後悔してしまう」ような彼の親切心から、それらの事件解決にも腐心します。
そんな中で、世の中の理を少しずつ知り、悩み、苦悶する彼の姿に、愛おしいほどの共感を得ずにはいられないのです。
それと結構モテるんですけど、長屋の少年をして「朴念仁」と言わしめるほどの鈍感ぶりや、ふとした縁で知り合った仕立屋のお嬢さん・和香との恋の成り行きも好感が持てます。
それと、上巻のレビューにも書きましたけど、この物語を通して、生きていくってことの厳しさと、だからこそ助け合って生きていくことの大切さを、改めて教えられた気がします。
折にふれ、何度も読み返してみたいと思える本ですね。
いやあ、ほんまにいいお話でした。
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宮部みゆきの桜ほうさらを読みました。
古橋笙之介は深川の富勘長屋で代書を仕事にしています。
笙之介の父親が地方の小藩で偽造文書で陥れられ切腹してしまってから、江戸留守居役の東谷を頼って上京していたのでした。
笙之介は代書屋のかたわら父親の仇である偽造文書を作成した犯人を探します。
ある春の早朝に笙之介は桜の木の傍らにたたずむ若い女性を見かけます。
その女性こそ、後々、いろいろな事件の解決を助けてくれる和香という女性だったのでした。
笙之介は和香の助けもあり、仇となる人物にたどり着くのでしたが...
登場する人物たちが悩みを持ちながらも少しずつ成長していく様子が描かれていて気持ちよく読みました。
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【40/10000】
宮部みゆきさんの、「桜ほうさら(下)」を読了しました\(^o^)/
新春に読むに相応しい、いいお話でした。
上総国搗根藩の小納戸役の家に生まれた古橋笙之助は、武の腕はからっきしでも、文に秀でた心優しい青年です。
収賄の罪に問われ切腹した父の無実を信じ、江戸留守居役の坂崎重秀の差し金もあって、国元を離れ、江戸は深川の長屋で暮らすことになるのですが…
純朴で世間知らずを絵に描いたような笙之助ですが、彼に何かと世話を焼く長屋の人々と同様、読んでいると彼のことがとても好ましく感じ、ついつい応援してしまいます。
父の無実を晴らすべく駆け回る間も、彼の周りでは様々な事件が起こり、彼自身も「後悔してしまう」ような彼の親切心から、それらの事件解決にも腐心します。
そんな中で、世の中の理を少しずつ知り、悩み、苦悶する彼の姿に、愛おしいほどの共感を得ずにはいられないのです。
それと結構モテるんですけど、長屋の少年をして「朴念仁」と言わしめるほどの鈍感ぶりや、ふとした縁で知り合った仕立屋のお嬢さん・和香との恋の成り行きも好感が持てます。
それと、上巻のレビューにも書きましたけど、この物語を通して、生きていくってことの厳しさと、だからこそ助け合って生きていくことの大切さを、改めて教えられた気がします。
折にふれ、何度も読み返してみたいと思える本ですね。
いやあ、ほんまにいいお話でした。
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年をまたいで読了。桜の季節に読むと2人の出逢いが想像しやすくていいかもしれない。
それぞれ独立していた話が最後に繋がってくるのは宮部さんらしいところだが、普段に比べれば関連は薄いかも。結末も、ほっとするものだが、やりきれない感も残る。笙之介も含めてそれぞれが自分の尺度で物をみており、話しても分かり合えないこともあるが、それを受け入れることで世界は広がる。
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終盤近くまで、やさしくていいお話だなと思って読み進めました。おっとりとお話が進むのが気持ちよかった。
終盤、本筋の決着に向かう辺りからは、一気に引き込まれました。決して後味のよいお話ではありませんでしたが、くどくどとしていないのでさらりと読み切れたのもよかった。そういう意味で、バランスのよい読み物だったと思います。
若い2人には是非幸せになって欲しいなぁと思いつつ、読み終えました。