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メディア、政治関係者に是非!最先端の経済学。
2016/02/12 08:43
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M マサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカの出口戦略について、2015年12月、FRBは、0.25%引き上げるが、ポール氏は、完全雇用が明確になるまで、利上げを待つべきだと主張し、1937年(大恐慌から立ち直った年)の再来する心配がある。この利上げは時期は、奇妙なほど意見が別れている。
実は、経済学者から見れば、日本で行われているアベノミックスは、非常に注目されていて、世界に先駆けた壮大な経済実験という事でもある。
日本の歴史を見ると、高度成長期時代には、デフレだった事がない。
クルーグルマンは、日銀総裁に学者を就任させることを薦め、世界経済の歴史を見ても学者は多い。
アベノミックスは、2014年4月に消費税を5%から、8%に引き上げさらに、その翌年に10%に増税が示唆されていた。これは、事故壊滅的な政策。
日本の債権危機に関し、幾つかの格付け会社が日本に対し評価を下げているが、自国の紙幣を刷る事が出来る国は、デフォルトリスクがない。クルーグルマンは、現在の日本に格付けを付けるとしたら、AAAを付ける。
それは、国債の金利をみると、日本は世界で一番低い国債金利だから。
現在のアベノミックスのインフレターゲット2%ではなく、4%を薦めている、その訳は、著書に譲る。
浜田氏のコラムから、アベノミックスが登場する前に、日銀は「経済に金融政策は効かない」「デフレのままでいい」という「日銀流理論」に支配され白い日銀が有った、それが正しい日銀の道なのである。歴史から見てもインフレ撃退を役割としていた。その体質からすれば、アベノミックスで、インフレを目指す黒い日銀のやり方には、到底理解出来ないものなのだろう。この考え方には、マスコミにも広く根付いている。
ヨーロッパの通貨統一に無理があり、負債国に過酷な緊縮財政のみでの大きな負債に対する対応は、うまくいった例はない。
ユーロのギリシャの問題は、現実として、ユーロ紙幣から離脱するしか、根本解決はない。
1990年のカナダは、債務を大幅に減らしたが、その時は、金融緩和も同時に、自国通貨の下落を受け止めている。
浜田氏がポールに、「ECBの月額600億円ユーロの量的緩和は、効き目が有ったのか?」アメリカ政府から見れば、巨大だが、それに比べるとかなり、小さい。
コラムの中で、日銀は、欧州保守派勢力に影響下にあった。スイスのバーゼルにある国際決算銀行(BIS)は、金融政策は効かない、また、危険だと各中央銀行に呼びかけている。その影響下に白川前総裁もあった。
浜田氏は、中国経済の矛盾を上げ、大量の労働人口と低賃金を背景に安価な商品の大量輸出で凄まじい経済成長があったが、人件費が安いままで内需が伸びない、国民の所得が増えなければ、内需は伸びない。
また、中国経済のGDP統計は、6.9%となっているが、輸入の減り等見れば、実際はマイナス3%ではないかと?中国が薦めるAIIBの加入は待つべき。また、アメリカも日本も先進国の社会で、契約が非常に重視されているが、中国では、契約は絶対的ではなく、一つの提案なのだと、
最先端の経済学理論からすれば、インフレがやって来ないうちは、金融緩和をするのが最善なのである。
最先端の経済学理論を考える事が出来、阿部政権がこの理論を実行しようとしているが、古い体質が、大きな壁になっている、是非、今の日本の景気を真剣に考えるならば、充分に試す価値はある。しかし、メディアを含めた、官僚や政治家が、正直知識不足だ、この著書を読みインフレがどの様な作用を起こすか考えて貰いたい、非常に解りやすく解説されている。お勧めです。
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アメリカ、日本、欧州、中国の経済を語る一冊
2020/09/26 12:24
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
2015年末までの状況から、経済3大国の経済状況をクルーグマンと浜田先生が交互に語る1冊。アメリカはリーマンショックから適切な金融政策で脱出、TPPについては当時の枠組みでは効果に疑問視という状況。また、経済格差拡大は止めようがなく、最低賃金の引上げが実は有効だったという説を取り上げるあたり、クルーグマンもずいぶんと民主党寄りだなと気づく。日本については、黒田総裁体制となった日銀を全面支持、労働人口減少は高齢者と女性の活用が必要と順当な話。当然、消費税増税なんて適時性なしと全面否定。欧州は通貨統一で自由な金融政策ができずにどの国もボロボロ。とはいえ、離脱するにもそのコストも膨大とどうしようない状況。中国は統計があまりに操作されていて実態は悪いのにGDP年率成長7%前後を維持しつつ、裏側では過剰投資と弱すぎる個人消費を抱えている。そして両論者ともAIIBに対する疑問を呈し現実にも中国の属国づくりにしかなっていない。2015年当時を振り返るのにいい1冊。
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タイトルでは、「2020年の世界経済」となっていますが、主に現在の世界経済について両教授が分析をしています。目まぐるしく変わっていく世界情勢の中、両教授のお考えの違いが少しですが分かる興味深い一冊となっています。
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2016年3月26日読了『2020年 世界経済の勝者と敗者』ポール・クルーグマン (著), 浜田 宏一 (著) 評価B
ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授と安部政権の経済ブレーン浜田宏一氏がアメリカ、日本、ヨーロッパ、中国の4か国の経済について語り合った本。借りるのは良いけど、買って読む程の価値はないと思う。昨今、インターネットで批判が多い、米国の経済学者に国内問題の消費税率の上げを判断、アドバイスさせるのか?という観点もあるが、基本的に財政均衡を目指しても、景気の回復は望めない。歴史的に成功した事例もなく、事態を悪化させるだけであることは、近々の結果を見ても間違いない。財政、金融政策を総動員して、景気浮揚を実現スべきであるとの論調は一貫している。
確かに、ここまでアベノミクスで勝負をかけたのなら、とことん試すしかないのかもしれない。進むも引くも地獄ということか?!
EUの同盟もかなり危険な状態に陥っており、経済状況が違う広い地域を一つにまとめようとしたEUの政策には、根本的に経済的な矛盾をはらんでおり、存続が危ぶまれているとの説にも可能性がかなりあるとみられる。
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浜田宏一教授とポール・グルーグマン教授の対話形式の共著、金融緩和、消費税増税反対、日本政府は負債が多いが資産も多いので国債暴落の危険はないでは意見が一致(グルーグマン教授曰く日本はAAA)するもののTPPで一致していない。
グルーグマン教授がこれは貿易の問題というより特許や著作権の強化と紛争解決のルール変更と述べて、薬品とハリウッド映画の例を挙げている。ハリウッド映画が高くなるのであれば見なくても死なないが、これによって医薬品の価格が上昇するとしたら、死ぬ可能性もあり、 堤未果氏が危惧している日本の国民皆保険である医療が危機なのかと気になります。
マイナス金利を発動し、原油価格の暴落から産油国の政府系ファンドが資金を回収したことによる世界同時株安が発生し円高が発生している現在、このお二人の見解をぜひとも聞きたいところです。
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2016/06/09:読了
勉強になった。
また2020年に、また、二人の対談を読んでみたい。
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図書館で借りた本。内容はどこかで見たり聞いたりした話ばかり。ユーロや中国経済やアメリカ、アベノミクスの事の話で、目新しさが無かった。
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アベノミクスを支える経済学者人の考え方。
浜田さんはアベノミクスそのものという感じ。
若干ニュアンスの違うクルーグマンのポイント備忘録。
TPPに対してクルーグマンは否定的。貿易面で大した効果はない。紛争解決などの考え方などに問題あり。
アベノミクスの成功確率は50%。
とにかくなりふり構わぬ景気刺激策を。
インフレターゲットは倍の4%でいい。
公共投資出動を。
当面の財政赤字は問題なし。消費税凍結あるいは5%へ減税。
アベノミクス成功の鍵は国民マインドがインフレ期待になるかどうか?
人口増加策は必要だが、当面は女性の高度職制進出と高齢者の活躍でつなぐ政策が重要。
通貨統合し財政統合のできていないEUは無理な形。
いずれ危機は起こる。
中国バブルはいずれ崩壊する。
しかし、ここにある考え方自体バブルを生み出す政策のような気はする。
現状のアメリカについても金利引き上げはダメだという言い方だが、バブル崩壊をコントロールしながら最善の道を選ぶにはどうしたらいいかという答えはなかった。
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いやはや、あまりの内容にビックリしてしまった。
何が正しいのか今の時点では答えは分からないけど、
ひび接している情報、特に私で言えば日経新聞の
言っていることが正しいのか疑問を持つ必要もあるなあと。
アメリカ、日本、ヨーロッパ、中国について書いてあることはことごとくつじつまが合っているように感じた。
自分が2020年に向けて勝者となるために必要な一冊であると感じた。
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著名な経済学者2名が、
お互いの立場から意見を言い合っています。
この本の中でも勉強になったのは、
様々な経済学者の考え方を、
両名が例えとして喋りながら話が進むため、
近代経済学全体を理解ができる点にあります。
勉強になる1冊だと思いますね。
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アベノミクスは成功しているのでしょうか?比較の対象にもよりますが、あのまま民主党政権が続いていたことを思うと、やはり経済は良くなっていると考えられるのでしょうか?
この本は、アベノミクスを支持している、浜田氏と、ノーベル賞経済学賞受賞者の、クルーグマン氏による対談本です。世界で重要なエリアである、米国・EU・中国についても述べられています。
結論としては、日本と米国の方向性は間違っていない、それに比べて、欧州と中国は注意が必要である、とのメッセージを私は受け取りました。
以下は気になったポイントです。
・日本は、バブル崩壊以降、積極的な金融緩和に踏み切れなかったので、結果として、円高とデフレが進み、リーマンショックにおいても当事国でないにもかかわらず、アメリカ・イギリスに比べてずっと大きな痛手を被った(p23)
・最低賃金の引き上げによって職が失われるという証拠は見られなかった、労働者はモノではなく人間なので、より多くの賃金を払えば、モラルの向上や離職率の低下、生産性の上昇といったメリットがある(p31)
・TPPの実態が何かといえば、1)紛争解決、2)知的所有権に関する協定で、どちらにも問題がある。(p42)
・シェールオイルがあるのはテキサス州、シェールガスがあるのが、ペンシルバニア州。シェールオイルでは、1バレル100ドルでも儲けがあるかどうか(p49)
・格差の拡大を少しでも縮小する方法は、相続税を上げること、高額所得者への税金をあげること(p52)
・デフレに伴う急激な円高は、日本経済に深刻なダメージを与えた。韓国ウォンは30%値下がりしたので、ドルに対するハンディキャップは、60%。これでは韓国企業に太刀打ちできない。パナソニック、シャープ、ソニーが赤字に転落したのは仕方ない(p79)
・インフレ目標が必要なのは、人々にお金にしがみつくのをやめさせて、失業を解消したり所得を増加させたりして、日本社会をより良いものにするため(p80)
・黒田日銀総裁によると、経済成長を高めるためには、1)民間による設備投資、2)労働力について、女性および高齢者層を参加させる、3)生産性を上げるための規制緩和と構造改革、が必要(p90)
・日本に必要なのは、消費税増税ではなく、国民の多くが「これからは給料も上がるし、物価も上がる、いまのうちにお金をもっと使おう」と思えること(p97)
・中国の大きな弱点は、消費者の需要が非常に弱いこと。少なくとも所得の20%は消費に再分配されるべき(p99)
・日本国債の格付けをするなら、AAAである。アメリカと同じように、自国の紙幣を刷ることができるので(p112)
・人がお金持ちか貧乏かを判断するには、借金だけではなく、いくら資産を持っているかも見なくてはならない、国も同じ(p114)
・ギリシア問題のような経済危機が起きると、世界の投資資金が円に集まって円高となる。それが示しているのは、円がユーロよりもアメリカ国債よりも信用があるということ(p115)
・ギリシアの通貨はユーロ、借金もユーロ建て、ユーロ発行はECB(欧州中央銀行)なので、ギリシアが政府債務を返済するには、ECBからお金を借りなければならない(p116)
・財政不均衡により、いつ金利が高騰するかわからない、というエコノミストは、自分のお金で国債の空売りをしているか、と問いたい。しかし、そのような人は誰もいない。実際にリスクを取って日本国債を売買しているプロのトレーダーは、どこの国の国債よりも、日本国債を信用している(p117、118)
・ギリシアのGDPがなぜ減ってしまったのか、理由は、債権者から強要された緊縮政策、さらに有害だったのは、緊縮財政よりも、それを相殺する金融緩和ができなかったこと。緊縮財政と、金融引き締めのセットは最悪の組み合わせ(p170)
・ロシアが奪取したクリミア半島は、今となっては、ただの荒れ地となり、観光に行きたいと思うような場所ではなくなった。(p178)
・スウェーデンは自国の通貨を持つが、あまり強力な金融引き締めを行わなかったため、実質GDPは上昇した。しかし、デンマークはその逆になってしまった(p182)
・中国経済を牽引してきたのは、輸出である。大量の労働人口と低賃金を背景に輸出をしてきた、しかし内需が伸びない。その理由は人件費が安いままだから(p189)
・中国の省内貨物輸送量、電力消費量、銀行融資残高の推移からGDPを算出すると、2015年の成長率は2.8%程度(p192)
2016年12月12日作成
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アベノミクスは正しい、日本の借金なんか問題じゃない、消費税は上げるな、ユーロはそのそも導入すべきではなかった、中国の経済はぼろぼろである・・・ とまあ、話の内容としてはイケイケなわけですが、現実の経済は少なくとも普通の国民にとっては良くなっているという実感がないのが実情です。株価に影響するのは正統派経済学の言説よりはトランプのツイッターであるのが現実です。読んでも誰が勝者でだれが敗者かは最後までわかりませんでした。やっぱり経済はばくちかな。
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アメリカの今後、アベノミクス、ユーロの将来など様々なテーマで浜田宏一とクルーグマンが語った対談集。
アベノミクス、特に緩和に対する評価がまとめて読めるのは価値があるし、対談なので短くて話が纏まっている。
一方で少なくとも最終章の中国の話は詳しくない話を無理矢理出してるようで読むに値しない(中国経済が、統計は信用できなくて実はマイナスで給与が全く上がってないという事実認識で書いてるが、実際は中国で雇用してる人は急速な賃上げに悩んでいるし、ECショッピングの売上など消費の伸びについてのファクトは多い。)