国家リスクと個人リスクは切り離せるか?
2016/03/03 09:46
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投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
荻原さんがもし保険の外交員だったら、もうその保険商品買っちゃう、みたいな話の理路整然とした、しかも枝葉で「こうしたほうがいいよ」と背中をそっと叩く筆致ってのがあります。
お金の価値が下がってモノの価値が上がるという日銀の金融政策の「読み」どおりになっていません。「給料も上がっていないのにモノを買う訳ないじゃん!」という本音の部分が私たちにはあって、それを荻原さんが代弁してくれています。
政府は東証一部上場企業の多くが賃上げしたとPRしました。しかし、アンケートに答えた企業で賃上げしていない企業はけしからんから企業名を公表するとか言ったものだから約半数がアンケートに答えず、大企業で賃上げは2割程度という見立てをあげ、そもそも会社務めの人の7割が中小企業務めなので実感がないという本音を序盤の30ページで説き「なるほど、もっと読んでみたい」という気にさせます。
マイナンバーは税金徴取をもっと確実にするための方法でデメリットの方が多く、小規模経営のところではセキュリティシステムにかけるコストもかかりますが、消費停滞がありながら、国家財政を増やして破たんリスクを減らす「良い面」も指摘しています。なお、2017年4月の消費税が10%へのアップというのが景気弾力条項がないから上がるのは確実とされており、これは知らなかったので、びっくりしました。
平成バブルと東京オリンピックバブルの違いは、平成バブルは日銀の金融緩和でしたが、個人と企業が中心に回していまして、今回のオリンピックバブルは先行き不透明感があって、官が頑張って膨らませるバブルなのだそうです。
オリンピック後は悲観的な見方です。給料が多少上がっても、それ以上に物価や税金、社会保険料の負担増、グローバル化の進展が理由です。そのために、老後資金より、ローンなどの借金返済を先にした方がいいと考えます。
年金については、「保険料上げる」「支給額下げる」「支給年齢上げる」の方法を維持すれば形式上は100年安心なのですが、積立に移行したくてもできない台所事情があり、不安定な耐震偽装の中古住宅なので、騙し騙し住み続けるほかないとのこと。
なんと本書では、マクロ経済スライドから考えた各年齢別の年金支給額や年金支給を希望したら60歳でも70歳でももらえますが、その「損益分岐点」が記載されています。それもハッキリと。
介護離職については、介護でかかる費用より、フィットネスクラブの方が安上がりかもしれないと述べ、荻原さんは介護オバケに不安がるよりも、介護ロボットなど、10年後の介護状況は個人の予防や努力で改善できる余地はまだあるんじゃないの?と冷静になることをすすめています。
極端な事は述べず、気になることのメリットやデメリットを丁寧に説明してくれています。それでいて切れ味がいい文章。テレビで登用される理由も、なるほどですね。
堅実な財産管理法
2016/03/02 09:35
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投稿者:ちょびちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビでも活躍の荻原さん。堅実な方法で自分の財産を守ることを説かれています。地味ながら長期プランでお金を貯めましょうという彼女の主張は、主婦の味方。ためになりますよ~!
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投稿者:アリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
わかりやすく丁寧にかかれており、素人の私でも読みやすくわかりやすい内容でした。著者の本をさらに読んでみたくなりました。
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1984年以降、オリンピックを終えた国は不況になっている。公共投資が消えるため。アトランタ以外。アトランタの場合は、ITバブルがあった。
アジア通貨危機で勧告の実例。ローン金利の上昇=不動産価格の下落。株の下落。定期預金の金利上昇。
持てる人が打撃を受けた。ハイパーインフレに備えて株や土地を買うのは間違い。
緩やかなインフレは、株や土地は有効だが、急激なインフレは借金があると困ることになる。
外貨預金はドルかユーロで。流通が多く安定している通貨。
年金の67歳支給開始。アメリカは2027年から、ドイツは2029年から。
マクロ経済スライド制。物価スライドではない。物価上昇よりも0.9%低く上昇する。今まで問題になっていないのは、物価が上昇していないから。
年金は、保険料を上げる、支給額を下げる、支給年齢を上げる、で破綻を回避できる。
20年後は、寿命は100歳に近づいている。医学の進歩による。
10年後は看護婦バブル。10年後は余る。
1991年には11校、2014年には226校。
2019年まで医学部の定員を増やす。医者も余る可能性。
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・概論が多く、あまり自分好みの本ではなかった。作者との相性かも。
・オリンピックバブルを下支えしているのは、日銀の異次元金融緩和。当初2年で終わらせる予定だったが、景気回復してこないためオリンピック開催まで続くかもしれない。その後にバブルが弾ける可能性が高い。
・金融緩和ではお金が出回り物価が上がる(インフレ)ので、その前に購入しようとして消費活動が活発化し、円安で輸出を増やすという目論見は失敗に終わっているが、安部・黒田体制がオリンピックまで継続する場合は、金融緩和も継続される可能性が高い。
・金融緩和で日銀は銀行から国債を買い入れ、銀行は貸し手のないお金を日銀の当座預金に預けている。
・現在の日本市場は国(年金、日銀、共済、ゆうちょ銀行、日本国金融機関)がコントロールしている「官製相場」であるため、オリンピックが終わり「官制相場」も終わると、日本市場は急落する。逆に、その前に「官制相場」を終わらせると市場が急落するため、止めることができない。通常は半年後の経済を映すのが市場株価だが、現在の日本市場は歪んでいる。
・冷戦前(1980年代まで)は、景気が良くなると給料も上がったが、90年代以降はグローバル化により記号が儲かっても従業員よりも株主を重視し始めたため、給料には反映されなくなった。
・小泉内閣のいざなみ景気(02-09)でも、給与は下がり続け、企業の内部留保だけが膨れ上がり、景気回復を実感できなかった。
・平成バブルとオリンピックバブルの違いは、官が果たす役割。平成バブルも初めは金融緩和だったが、その後は企業と個人がけん引した。オリンピックバブルは企業も慎重で個人も収入が上がらないため、終始官が主導しており底堅いので海外投資家が市場参加してきている。一旦市場から官が手を引いたら暴落する。
・97年のアジア通貨危機で経済破たんした韓国では、破たん前の低金利が破たん後に一気に高金利になったため、借金をせずに預金をしていた人が金利上昇で設けた。一方で不動産や株は大暴落した。結果として、その後経済は持ち直し、現在ではアジア通貨危機以前よりも株価は高くなっている(狼狽売りをしなければ株投資をしても大丈夫ということ)。
・サラリーマンは、現役で死亡した場合、子どもが18歳になるまで月15万円前後の遺族年金が出る。会社からも死亡退職金が出る。日々の暮らしは、それに妻のパート収入があればやっていけるので、後は子供の大学資金として一人1000万円の死亡保険があれば十分。
・介護は費用がかかるイメージがあるが、実際のアンケートでは、一時的にかかった費用の平均は91万円、月々平均7.7万円、介護期間4年9か月なので、トータルの平均費用は約530万円。営業マンなどがいう3000万円とは費用も期間も小さく済む。
・親の介護のケアマネージャは自分で選ぶこと。変更も可能。長期間の付き合いになるので、相性が良く、知識も豊富な人を探す。
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荻原さんの話は具体的でわかりやすい。いくつかの前提が自分とは違っているとしても。将来設計をするにあたり大いに参考になる。
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いろいろ読むと、本当に詳しく書かれているように感じる。
結局のところ、預金が最も良いという話。
10年後ということで、どうなるのか。まだまだ難しいが、
オリンピック後は何とか冷え込むことなく、好景気になってほしいものだ。
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今後10年の日本経済の動向によって、どのように資産を運用すればよいかを指南した一冊。
特に財テクに興味がない自分にとっても非常に勉強になった。
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〈本から〉
「2020年」が、景気の折り返し地点
一番大切なことは、借金を減らすこと
老後資金を貯めるより、借金返済が先
外貨預金をするなら、ドルかユーロで
「金」は、世界中どこでも換金できる
10年の間に必要になる、家計のダウンサイジング
とりあえず、今の家計を1割ダウンサイジング
家計の無駄は、複数の目でチェックする
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タイトルにあるように破綻する人幸福な人を開けるのは、正しく正確な知識なんだと思った。
そうじゃないといろんなデマにまどわされるだけだ。
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資産運用の本ばかり読んでいると、どうしても視野が狭くなってしまいますが、この本ではさらにそれよりも広い視点でいろいろなことを見ているので参考にはなります。逆に資産運用的な内容はあまり期待できません(が、下手な株の本よりはよほどいいです)。
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この本出版されてから 約7年が経過している
荻原さんの考え方は一貫しておりほぼ当時と変わっていないのではないかと思う
老後を考える上で 基礎知識を得る 確認することがでた
年金は今も厳しい状態とかんがえる
投資に関しては新NISAに出てきたので政府推奨
不動産に関してはコロナで低迷 その後は首都圏で高騰
介護については コロナ時期予想よりは人手が足らずにひどくなっていたが 健康保険 介護保険の改正で少しは明るい将来が見えてきたのではないだろうか
当時 なかった AI という 関連が出てきたので今後 インターネット 社会経済がもっと変化していくと思われる