紙の本
たましい
2016/03/12 22:52
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投稿者:やましお - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が自分であるという感覚、
正しいとか当たり前とかの自分の感覚、
それがどこから来るのか?
みんなそれを持っているのか?
それは死んだらどうなるのか?
に対する西加奈子のひとつの答えを読んだようなきがする。
紙の本
『まく子』
2019/02/28 19:21
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
温泉旅館に暮らす5年生の「ぼく」(=慧)の前にあらわれた美少女コズエ
《コズエは、まくのが好きだった。大好きだった。
ポケットに入れた小銭を、神社に敷いてある玉砂利を、道端に積んである干草を、木になっている人の家のみかんを。とにかくコズエは、なんでもまいた。》
どんどん大人になっていく女子たちと、大人になりたくない「ぼく」
不思議な魅力と秘密を持つコズエが「ぼく」に残してくれたものは……
『サラバ!』で直木賞を受賞した西加奈子の受賞後初の書き下ろし長編、2016年刊(福音館文庫版が2019年2月刊)
鶴岡慧子監督によって映画化され、2019年3月15日から劇場公開される
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まく子、っていうタイトルと表紙絵、そして中身とのギャップがなかなか強かった。
タイトルセンス抜群ですね。まく子。
「せいきょういく」を受けた小さな温泉街に住む小学5年生のお話。
女子がブラジャーをつけはじめた。
女子が小さなポーチをもってトイレに行くようになった。それを男子が「せーり」と茶化す。性に急激に敏感になり過敏になる男子。大人の男が気持ち悪いと思うぼく・慧の前にとてもきれいな女子・コズエがやってくる。コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。
大人になることへの恐怖。人と違うということへの浮遊感。
慧が自身の金玉を2度浮気したことで憎しみの対象であった父親に見せたシーン、思わず泣いてしまった。みんなね、なんだか気持ち悪いんだよ。それぞれ色が違ったり形も違って、急速に変わっていくなかで自分のだけ変なのではと悩んで恥ずかしくなったあのころが懐かしくなった。
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わたしは子供の頃に何を思っていたっけ?「ずっとこのままでいたい…」と泣いた季節は、はるか彼方だけれど。叙情的な景色にアクセントを加えるような登場人物たちと、もどかしさに悶えながら過ごす子供時代。さすが、西加奈子作品。大人も子供も、純粋に楽しめる作品。
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どこで仕入れた情報なんだ?
少年が大人になるのは、下半身でしか気付けない?理想の女神と儀式のシンクロ。いま何割がくぐる道なんだろう?
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寂た温泉地で小学五年の少年がいろんな人達と出会い経験し成長してくお話。ラストの展開は西加奈子ワールド全開。受け入れる事や再生や魂や信じる心やいろんな著者のメッセージが込められた一冊。少年の初恋の物語でもある素敵な作品でした。
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サラバ以来の長編小説。
やっぱり西さんの本はいつ読んでもパワーが凄い。
不思議な設定でもそれをものともせず進んで、ちょっと笑っちゃう下ネタな話すら大真面目な話に変えてしまうんだから凄い!
世界は粒で出来ている、その事実にまさか感動するとは・・・
今の自分は今しかいない。
常に新しい自分が生まれてきて、永遠じゃないから美しいと言うことがぐっと伝わってくるお話でした。
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小学生。集落。宇宙人。祭り。集落にやってきた美少女コズエは慧の親が経営する旅館に母と住む。成長過程に悶々とする小学生男子の開眼。最後、新学期にまた転入生がやってきた時のみんなの反応や気配りがとてもいい。読みながらにやにやしてしまう。
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コジコジのような不思議でかわいくて面白くて、でも生々しくて核心的な素晴らしいファンタジー
作品でした。
ドノが話をするページでなぜだか涙が止まらなくなりました。きっとそれは私のなかにあったはずなのに忘れてしまっていた大切なことだったからだと思います。そういうものたちが本のなかに散りばめられています。
小学校の図書館の片隅におかれていてほしい。そしてそれが必要な子供に見つけてほしい。できれば沢山の子供たちに。
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図書館で。ちりばめられている西さんのイラストもキュート。こどもだった頃の気持ちに久しぶりに再会しました♪西さんパワーすてき。
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田舎で暮らす窮屈さがとてもリアル。少し哲学的な内容を含んでいて、読み応えがあった。
生命やそれらが刹那的であること、変化する意味。
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「サラバ!」とはまた違った味わいのポエムのようなストーリー。
とはいっても理解に苦しむ内容でどう評価していいのか…
再生の物語!という点ではなるほど、です。
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心身ともに、子どもから大人になる繊細でかつ針でつついたらすべてがあふれてしまいそうな時期に、大人になるのを嫌だと思っている慧と、コズエのちょっと変わった物語。話の展開は、え?って思ってしまったし、書かれていることも哲学ぽくってちょっとわかりにくい部分もあったけれど、読後はどこかすがすがしい。
西さんの『サラバ』や『舞台』と同じタイプかな...。
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素直でまっすぐな小説。
ドノ君おもしろい。
信じよう。人間を。宇宙人を。
みーんなおかしいんだ。
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少女の秘密が、ぼくの世界を塗り替えた。
なかなか不思議なお話でした。
なんだってまきちらすコズエ。
大人になりたくないという慧。
集落のちょっと変わったお祭り。
みんな宇宙人、違うことがおかしいのではなく、みんなおかしい。
人はみんなコズエと同じで「死ぬ」ことを、「生きる」ことを学ぶためにここにいるのかもしれない。
たくさんの粒で偶然できた生命体。私が誰かだったかもしれないし、誰かが私だったかもしれないということ。
気づいた瞬間、慧の視る世界が変わった。類の、ドノの、ミライの本質に気づけた。
人を信じ、尊重すること。
与えること、受けいれること。
変わっていくこと。
西さんの願いが込められた小説だなと思いました。