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連作短編5編+幕間
おしゃれな一幕ものの芝居を見ているような楽しさ.どの物語もあたたかな思いであふれていて,クリスマス前に読むのにぴったりの物語だった.「精霊の鏡」の絵の好きな二人がうまくいきますようにと祈りました.
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書き下ろし
人の善意、温かさを肯定するこういう物語が好き。涙腺緩みっぱなしで困るのだけれど。
風早市にある星野デパートは、戦後の焼け野原から復興したシンボルとして、人々の暮らしと幸せを守ることを社是とし、街の人々からも従業員からも愛されてきた。屋上に遊園地のある老舗デパートには、シンボルのステンドガラスに描かれた白い子猫が現れて願いを叶えるという噂がある。
入社2年目のエレベーターガール松浦いさなは、姉妹都市の北欧から来た市民オーケストラの少女が客船の火災で行方不明になった母が持っていた焼け焦げたテディベアの修理を望んでいると知って力になり、勇気付けるが、自身の行方不明になっている父の声を聞き、父が見たという空飛ぶ鯨を見る。
テナントの靴店の百田咲子は、母が亡くなり父も倒れたために自分が歌を作りヒット曲を出したバンドをやめて家業を継いだ。連絡も取らなくなったツインボーカルの片割れはが芸能界に残っていることを羨ましく思っていたが、行くことを諦めた最後のコンサートで歌う夢を見た。
宝飾贈答品フロアの責任者佐藤健吾は小学生の時に、屋上の遊園地で母に置き去りにされ捨てられた過去があったが、遠方で自分の名前を書いた紙を持った老女が入院したことを知らさせ会いに行って迎える。
資料室勤務で自分は美しくないと思う早乙女一花は、高校生の時に絵のコンクールで星野百貨店の思い出を描いて佳作になったが、群を抜く大賞作の力量に圧倒された。その作者は売れっ子のイラストレーターになっていたが一花の作品の暖かさに惹かれ続けていると星野百貨店を訪ねて来た。一花は化粧品コーナーの美容部員に美しさの引き出し方を教わり、浴衣を着て屋上で二人で花火を見る。
これら全ての話に謎の新人コンシェルジュの結子がかかわるのだが、最後の章で結子の正体がわかり、希望がわく。
こんな老舗デパートには行ってみたいし、ずっと残り続けて欲しい。
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『桜風堂ものがたり』の姉妹作とのこと。閉店かと噂がある昔ながらの百貨店。館内に猫が住んでいて魔法を使い願いを叶えてくれるという。街の人たちに愛されて来たお店をみんなができることで守ろうとする様子、コンシェルジュの正体も次第に明らかに。村山ワールド、暖かい、暖かい。温もり溢れるお話でした。クリスマスに読んでちょうど良かったかな。
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風早の街にある星野百貨店には、「桜風堂ものがたり」の銀河堂書店がテナントとして入っているというつながり。
そこには小さな奇跡がちりばめられている。第四幕の「精霊の鏡」がよかった。読んでいて温かく幸せな気持ちになれる。
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クリスマスイブで終わる物語を、ちょうどクリスマスイブに読み終えることができました。表紙の絵が好きです。物語に出てきたシチズンの「コスモサイン」という天体時計に惹かれて百貨店で実物を見てきました。予想以上に星々がちっちゃい!ちっちゃすぎて、よく見えませんでした。でも、時計の中に宇宙があるって、ロマン溢れてるなぁ。
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新聞広告で「この冬、一番の感動を!!」(大人のための奇跡の物語!)とあったので読んでみた。百貨店を舞台にしたよく出来たファンタジー。題名作でもある終幕の一編が一番好きでした。
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星野百貨店のような街を見守ることをそっと使命、誇りに思いながら働く人々、環境ができるのは、自分たちが店に大切にされていると感じらるからだと思った。従業員もお客も登場する人物たちが、皆どこか温かく心に一スペースあり、自らを顧みることにも繋がった。
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図書館で借りたもの。
百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語。
魔法のような、というか最後ファンタジーだった。
カバーが可愛い。
第一章での「そのひと」の連呼が気になった~。
わざとなんだろうけど、多すぎて…。
初読みの作家さんなんだけど、ちょっと文章が綺麗すぎに思えた。(好みじゃない…)
百貨店が舞台だから?
話は面白かったから、姉妹作の「桜風堂ものがたり」も読んでみたい。
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百貨店の高級感が全面に出ているけれど嫌味が全く感じられず
温かなぬくもりで全体が包まれていて
種明かしも優しい気持ちのままで。
全編を通して百貨店に対する愛情が脈々と語られていて、押しつけじゃない程良いさじ加減が絶妙。
作者さんの優しさがあふれ出ていたように感じた。
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桜風堂ものがたりに続いて読んだ。
街の老舗百貨店にいると言われる猫を見ると願いが…ということだが、正直、ファンタジー要素が必要なのか疑問ではある。
桜風堂でもそうだが、猫を出す必要性がないように感じ、錆ゆく百貨店に自分の思い出をあわせたお仕事小説に位置付けたほうがよかったのではないか。
他のレビューにもあるが、これが、本屋大賞にノミネートされるのは解せない。
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めちゃくちゃ面白かったです。
ちょっと説明がくどかったりしたけど。
こんな百貨店だったら行ってみたいですね。
続編なんかも出てくれたらうれしいです。
本屋大賞ノミネート間違いなしでしょう!
と思ったら、すでにノミネートされていたのですね。
しかも、姉妹作の「桜風堂ものがたり」も前年にノミネートされてたし。
ぜひとも3部作にして、今度こそ本屋大賞取って欲しいです!
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ファンタジーなのは百も承知。
それでもきっとあると思ってしまう。
人様の心に寄り添うとはこういう事か。
誰かを助けていると思っていても
自分が救われていることは儘ある。
誰かに薦めたいし、丁寧に映像化して欲しい。
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人を大切にする百貨店の物語。
こんな思いで働いている人たちがいる百貨店、とてもすてきだなって思いました。
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装丁も魔法感溢れる。田舎者からすると百貨店ってホントにそんな場所なのだ。うひょう!
銀河堂も出てきますよ。
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作家買いしてしまう村山早紀さん。ほんわかする素敵なお話がたくさん詰まってて宝箱みたい。
結子さんの出生について明らかになっていく段階がいろんな事を想像させてくれて楽しかった。また、百貨店というなかなか珍しい題材で私にはあまり馴染みがないからちゃんと理解できるか心配だったが、読みやすく描写が細やかで星野百貨店が眼に浮かぶようだった。
星野百貨店に勤める人たちも活き活きと働き、地元愛に溢れていて本当に風早の地が大好きなんだなと心が温まった。
ただ、私的にはいろんな要素が盛り込まれすぎ(?)で感動の波が緩く感じてしまう。もうすこし要素を減らしてみたほうが強い感動の波を起こせた気がする。