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紙の本
法解釈の記号論
2016/12/05 07:16
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投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
裁判官の判断基準は統一されているはずだけど、時々、一般常識では理解でき無いような判決が出る。ということは、裁判官の常識と、一般常識に齟齬がある。そこで、法律のテキストと裁判官の解釈を照らし合わせてみると、その齟齬がどこから来るかを推論できるはず。裁判官の解釈は、判例集に載っている。
わかりやすいのが、政治と宗教の分離ですね。愛媛県玉串料訴訟の判決で、憲法第20条3項の「いかなる宗教的活動もしてはならない」は、判決では「国及びその機関の活動で宗教との関わり合いを持つすべての行為をさすものではなく、...」といっている。一般常識では、「いかなる」という形容詞は、強調のタメに使うけど、裁判官は形容詞がつくことで、宗教活動が複数のグループに分けられると解釈している。つまり、「いかなる」がテキストに無ければ(「宗教的活動をしてはならない」)、「すべての行為」としか解釈でき無いはずで、「いかなる」を憲法のテキストに足すことによって、一般常識をタテに抜け穴を作った。ちなみに、判決では「すべての行為」と言ってるので、これはレトリックスですね。「クレタ人は嘘つきだとクレタ人が言った」の世界です。
もちろん、これは意図的で、他にも、憲法第24条の「婚姻は、両性の合意のみに...」と、「のみ」を足すことによって、皇室典範の結婚に対する規定を合憲と主張する。他には、憲法第4条も同じ手ですね。「国事に関する行為のみを」ということで、憲法に規定の無い天皇の「国事に関する行為」があることを示唆している。探せば、いっぱい見つかります。「すべての国民」とか、ちょっと微妙そうです。
要は、法律のテキストは、一般常識とは外れた文法を(こっそり)使っているだけで、その文法がわかれば、あとは普通の日本語です。でも、関係者は、部外者には教えてくれ無いし、裁判官を一般社会から隔離しときたい。だから、一般常識とのズレを指摘しそうな監査とかは入ら無い。
で、ちょっと気になったんですが、憲法第1条で、天皇の地位は規定されているけど、憲法第2条の皇位が規定されて無い。つまり、憲法上、天皇と皇位は無関係で、天皇の地位に就くタメの規定はない。ちなみに、皇位を天皇の地位と仮定すると、皇族が抜け落ちる。
最後に、レトリックスを ー 生物学上、娘は、母親より進化しているので、母親より偉い。
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