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これはミステリーなのか、青春モノなのか。
21歳の夏に『ぼく』は失恋を経験し、ジョイランドでのバイトを通じて人助けを経験し、初体験を経験し、連続殺人犯に殺されそうになったり、様々な経験をする。
ぼくが経験する全てが瑞々しく、自分がその年代だった頃に投影して、こういう感じわかるなぁと切なくなります。
ジャンルとしては、青春ミステリーってことになるのかな。映像化してもヒットしそう。オススメです。
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ロンドンの空港でペーパーバックを購入して読んでいたがそのうちに日本語版が出版されこちらに切り替えた。テイスト的には『スタンド・バイ・ミー』に近いか。個性的で魅力的な登場人物の中で古めいた遊園地を舞台に物語が紡がれていく。ホラー主軸ではないがそれがロマンスの周辺にスパイス的にちりばめられて飽きさせない。そして忘れてはいけないのは藤田新策。もう還暦を迎えたであろう氏の素晴らしい装丁はいまだに健在。ジャケ買いと言われても差し支えない。
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約三分の一、130ページを読んだ。
なんか苦痛を覚える。なんでこんな本を読んでるのかなと思いながら読んでいる。
自分に合わないだけなのかもしれない。
これまでこの人の本は何冊か読んだ。夢中になったものがほとんどだった。でも…
ここのレビューを見る限りそんなに悪い本でもないみたいだ。さて、もう少し読んでみるか、それとも無駄な時間は切り捨てるべきか、はて?
・・・なんとか読み終えた。親子が登場したあたりから面白くなった。
若い頃はそうじゃなかったけれど、歳をとってキングの文体があまり好きじゃなくなったのかもしれない。
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ミステリー4、青春6位のバランスの小説。
ひと夏の思い出といった感じ軽く読めて良かった。
キングはこういった青春小説もあるんですね。
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著者の中ではスタンドバイミー的な系統の作品のようです。私は読んでないですが。私が読んだ中ではグリーンマイルに近いかなと思いました。どうといった話でもないけどグイグイ読ませる系?ミステリの要素もありさすが面白かったです。
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海辺、夏、遊園地、殺人、幽霊、超能力、失恋、友情、そして淡い恋。甘くてほろ苦い青春小説と、ミステリとホラーの融合。キングの幅広さにはいつも驚かされる。そして相変わらずのハズレなさ。
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舞台は70年代のアメリカ、失恋したての大学生が連続殺人事件を追ったり、新しい恋に出会ったりしながら、大人への一歩を踏み出す物語。
大人になってから、印象的だった青春の1ページを思い出すというのは『スタンドバイミー』でもおなじみの手法で、読みながら主人公とともにほろ苦い“あの頃”を追体験するような、懐かしさを覚える。時おり挟み込まれる主人公の現在の姿が、過去の様々なエピソードの結末を先に提示しているのだが、そのさじ加減がまた絶妙だ。
最初のうちは、うじうじした主人公とキング特有の脇道にそれていく描写になかなか集中できなかったが、中盤から一気に引き込まれた。幽霊あり、犯人探しあり、大人の恋と不治の病などなど盛りだくさんだが、読み終えてみればバランスのいい作品だったと思う。
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いつも思うのだが
スティーヴン・キングの描く青春は
甘酸っぱく愛らしく、そしてじーんと切ない。
余韻がずっと残っている。
アメリカでドラマ化するらしい。
出来栄えはともあれ見たい!
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序盤これは何の話だろうと思っていたが、まさか中盤以降毎日読むたびに泣かされそうになるなんて。たまらなくロマンチックな時のキング筆による過ぎ去りしきらきらした青春の日々。ラストシーンも染みる(息子さんジョー・ヒルの『ポップ・アート』もちょっぴり思い出した)。
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2018年1月30日読了。彼女との別れを引きずる大学生・デヴは、バイト先の遊園地「ジョイランド」に現れる幽霊の噂を聞き…。青春ミステリ、「遊園地」という舞台で独特の用語が飛び交い、男女との友情・労働で流す汗・年上の女性への思慕・そして体験する超常現象、などの要素を懐かしさを喚起する固有名詞を取り混ぜつつ怒涛のように進めるキングの筆はさすが…。圧倒的な横綱相撲で素直に寄り切られた、という感じ。癖のある人生の師匠(のおっさん)、教え導くべき子ども、そして女性。思春期の男にはそのどれもが必要だ、ってことかな…自分はどうだったか。
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傑作!キングの本なので反射的に購入してしまったけれど、正直なんの期待もなかった。
いや、面白いではないか、泣けるではないか!
女の子としたい盛りの大学生の主人公は冒頭で振られてしまう。夏のバイト先として選んだ遊園地で不気味な体験と素敵な経験をする。筋ジストロフィーにかかった男の子とのふれあいは泣かせる要素満載。ホラー要素をちょっぴり効かせたミステリーで痛いところをえぐるのだけれど、最近のキング、人間に対して優しくなってない?厳しい状況を描くなかにも優しさが溢れている感じ。出張帰りの新幹線の中で泣いてしまった。ささくれ立った心にしみる、穴場的傑作。
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「ジョイランド」
これは青春小説。
スティーブン・キングと言えばホラーと思っていましたが、本書はホラーだけではなくミステリーと青春の要素が合わさった作品である。ジョイランドに幽霊が出る、その幽霊は過去に殺された少女であり、まだ殺人犯がウロウロしている等、ホラーやミステリーのテイストもあるのだけれど、一番焦点が当てられるのは、主人公デヴィンの青春期の様に思える。
作家志望で幸せな家庭(それも恋人ウェンディとの!)を夢見る大学生デヴィン・ジョーンズは、彼女との距離を縮められないない(そう。アレに辿り着かない)鬱屈を抱えながら、夏休みに遊園地「ジョイランド」でアルバイトを始める。ジョイランドの従業員や下宿先の主人、アルバイト仲間のトムとエリンと交流を深めながら、ウェンディと上手くいかないことを段々悩まなくなる。
しかし、デヴィンは遂にウェンディに振られてしまう。そんなデヴィンを励ます仲間たちと新たな女性との出会いを通じて、デヴィンは立ち直っていく。ウェンディとの幸せな将来を考えていたのに、新たな彼氏と自分を比べて落ち込み、終いには自虐ポエムを呟いてしまう哀しくなる姿から立ち直っていく過程がとてもリアルなのです。甘酸っぱさや男特有のいじっぱりもうまく描写されています。
ジョイランドの少女の幽霊をキッカケに連続殺人事件をアルバイト仲間と追うことになり、最後には対決するデヴィンであるが、このミステリー要素よりも、デヴィンの思春期らしいうじうじ感からの脱皮と父との関係が微笑ましく印象に残ります。ホラー2:ミステリー2:青春6くらいの配分だろうか。
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久しぶりのスティーヴン・キング。前に読んだのは、何年前だろう。
あまりホラー感はなく、比較的普通の青春もの。幽霊が出るという部分も、一人称だからか、全然ホラー感が無い。まあ、スティーヴン・キングだから、といって短絡的にホラーを期待するのが違うのかもしれないが。
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クライマックスに描かれるのは、なんとも美しい一日。涙なくして読み進められなかった。その後の展開にもビックリ!キング堪能。
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大学生時代の遊園地バイトでの甘酸っぱい青春、そこで起きた恐ろしい事件を回想形式で振り返るという、フォーマットこそスタンドバイミーと似通ってはいるが、焼き直し感は感じずウェルメイドな一級品の青春ミステリに仕上がっている。恋愛要素が特に最初の不安感を孕んだ失恋のくだりから、沢山の大人に囲まれて働いて、周囲の信頼を勝ち取っていくさまは、自身のバイト経験を振り返って共感することが多く、恋愛だけではなく仕事の青春という側面もある。主人公が絶妙にモテない等身大の男子大学生というのもあって、語り口はロマンチックに過ぎるが、友達の彼女との間に一瞬芽生えた、タイミングの違いによる恋愛の萌芽などは、青春期の恋心の切なさを非常に的確に捉えている。シングルマザーとも恋仲になるが、そこに未来がないのは互いに分かっており、年上の女性に対する思慕や恋慕で留める筆致がまた小憎らしくて素晴らしいのだ。アニーの言う「住む世界が違う」はまさにその通りで、世界の違いを認識したその瞬間に、青春は終わる。ただ、一瞬でも重なり合った世界と生まれた感情は紛れもない本物であり、人生にはそういった運命的な出会いが訪れる瞬間が何度かある。そしてそれは、振り返ったときにしか分からないものなのだろう。話の核となる遊園地の殺人鬼の話も面白く、荒唐無稽な怪談に過ぎない話が、徐々に輪郭ができて実体化する恐怖はまさしくモダンホラーの帝王ならではの筆運びで、犯人こそ分かったものの、後半の怒涛の展開は流石の一言である。主人公は幽霊が見えない、というのがまさか最後の最後まで貫くとは思わなかった。また、善意が裏切られることなく、最後の最後でその善意が主人公の身を助けたというのが、個人的には一番の感動ポイントだった。こういう無駄に思えた善意がちゃんと報われる話は大好きである。クライマックスの映画的なスペクタクル、一抹の悲しみ、そしてエンディングの凧のシーンは感涙必死である。潰れた遊園地、アニーの言葉、それらが青春の終わりを実感させるのだ。キング作品は久しぶりに読んだが、一番キング作品を読んでいた高校〜大学時代にタイムスリップしてしまったかのような、そんな思い出深い一冊だった。これからもキングを読むと固く決意すると同時に、やはりキングは稀代のストーリーテラーであると認識した一冊である。