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紹介されている本で興味を持った本。
◆アトゥール ガワンデ 『アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で"正しい決断"をする方法』(晋遊舎) http://amzn.to/2F3WY72 p488
◆リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(日経BP社)
原題『Nudge(ナッジ)』
「リバタリアン・パターナリズム」
http://amzn.to/2F01YK2 pp445-450
◆D. A. ノーマン『誰のためのデザイン?』(新曜社)
http://amzn.to/2oAzr6Q p450
キーワード
「メンタル・アカウンティング」「セルフコントロール」「公正」「ナッジ」
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なんとか読み終わりましたが、ちゃんと理解できるかは疑問な感じの斜め読み。
行動経済学に至る時系列的な書かれ方になっていたけど、僕としてはもっと要点というか、法則というか、まとまった系統立てたものとして読みたかった。
たぶん、そんな本もあるんでしょうけど。
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著者は「ナッジ」でお馴染みの経済学者。経済学を心理学と協働させた奮闘記。
経済モデルの大前提の一つ、合理的期待に基づいて行動する人間を「ホモ・エコノミカス」、略称「エコン」としちゃうセンスに引きずられて読み進んだ。あ、ちなみにフツーにあるあるな我々は「ヒューマン」ね〜。
学生から貰ったキッチンセーフに「当然ながらカシューナッツを詰め込んだ」セイラー教授がチャーミング。
あと、大学で「研究室の割り当て」なるものが、どれほどの重きを置かれているのかを知ってビックリ。象牙の塔の住人の本性見たりでニヤリ。学者も所詮はヒューマンなのね。
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2017年ノーベル経済学賞受賞者、リチャード・セイラーの自伝的行動経済学解説。心理学者リチャード・カーネマン、エイモス・トヴェルスキーとの出会いから、最新の行動経済学の成果まで、著者自身が切り開いてきた行動経済学約40年の歴史を辿る。
すべての人間が合理的に、自分の利益を最大化するように行動するという前提を置く主流派経済学では現実の世の中で人間が実際に取る行動を説明できないことに気づいた著者は、心理学の手法を応用した実験を積み重ね、その結果を根拠に理論を組み立てる行動経済学という新分野を確立した。
行動経済学の主張は主流派経済学の主張と相容れない部分が多く、長い間異端とされた。しかし、少しずつ賛同者も増えてきて、いまでは経済学のひとつの大きな分野として認められるまでになった。
わかりやすく、専門でなくても直感的に理解しやすい実験内容を豊富に取り上げながら、「実際の人間はどう行動するのか」と解き明かそうとする行動経済学の進化と、行動経済学が明らかにする結果をなかなか受け入れようとしない主流派経済学者との闘いは、著者のユーモアたっぷりの話の進め方もあって非常におもしろい。
それにしても、著者のリチャード・セイラーという人は、この人自身がとてもおもしろい人に違いない。やっぱり、ノーベル賞を取るような人物は、その実績だけでなく、その人自身の人柄も凡人とは違うという感じがするなあ。
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【由来】
・
【期待したもの】
・
※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
・
【ノート】
・330.019/THA
・サラリと読んだが自分にはイマイチ面白そうに感じなかった。
【目次】
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きっかけは、仕事先の部長の「ナッジを見てうまく使いたい」という言葉に、「ナッジ??」となって、検索して手に取ってみた。
「ナッジ(小突く)」という言葉の生みの親である、リチャード・セイラー氏がこの本の著者。本の構成は、セイラー氏の提唱する行動経済学が、それまでの経済学派からの攻撃を受けながらも実証を元に認知されていく過程が、いくつものストーリーで展開されていく。ページ数で行くと約500ページあり、章立てで行くと33章あるので… お腹いっぱいになる。
この本を読む個人的な動機が、次回部長にあった時に、ナッジの意味を理解しつつ、提案をすると言う事だったが… この本で言われている例は、「駐車違反の紙をワイパーに挟むとこではなく、窓に貼り付ける行為」や、「貯蓄を促す仕掛けに、デフォルト方式を採用すること」や、「納税を促す時の文言」、「屋根の断熱材の施工に、屋根裏部屋の掃除を組み合わせる」など… 実施にあたっては、実証実験が必要そうだしデータを取って検証と。
この本では、ナッジだけじゃ無くて、サンクコストの話や、ゲーム理論の話、株式市場の反応への疑問、一物一価の嘘、市場の足し算引き算の話、NFLのドラフトなど、切り出して読んでも面白い話がたくさんある。読んで確実に理解できるほどの頭が無いのが痛い所である…
この本の対象読者は、30,40代のサラリーマンかな?もう少し若くして読めば、その後の人生で良いことあるかも知れないし、意外と政治とかに興味を持つようになったりするかも。
もう少し、この筆者が書いた別の本を読んで理解を深めたいと思った。
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ストーリーを重視してるということですが、そのために冗長で分かりづらくなっている印象...
最後の「今後の経済学に期待すること」だけ読めば良かったかも(苦笑)
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セイラー氏も行動経済学も知らなかったが、読み進めるにつれすっかりファンになってしまった。
とりあげられているエピソードが秀逸なものばかり、誰かと飲みながら議論したくなる。
難解な内容もあり、なかなか頭に入ってこない部分も多いが、秋の夜長をじっくり楽しめた。
合理的に行動できない我々"ヒューマン"は、これからも誤りを繰り返すんだろうな。手近なとこでは、ユニコーンブームの終焉かな。
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身の回りの合理主義に嫌気がさしているものにとっての救いの書。
キーワードは「ナッジ」。二度と忘れぬ言葉になる。
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行動経済学のパイオニアである著者が自らの人生を振り返りつつ、行動経済学が伝統的な権威からの糾弾に反撃しながら発展していった過程を著している。たまに振り返ると随分忘れていたことが多いなあと思い知らされる。仕事に直結するようなアイデアが本当に多い。
・エコン
経済学者たちが使っているモデルでは、ホモサピエンスの代わりに「ホモエコノミカス」と呼ばれる架空の人間が設定される。「ホモエコノミカス」というのは長ったらしいので、私は「エコン」と短く略して呼ぶようにしている。エコンのいる架空の世界と比べると、ヒューマンは誤ったふるまいをたくさんする。
・ゆっくりとした直感
ゆっくりとした直感は、突然電気がついたかのようにすべてが見えるようになる一瞬のひらめきとはちがう。むしろ、何か興味深いことがあるというぼんやりとした感覚、そんな遠くないところに何か大事なことが隠れているかもしれないという直感と言ったほうがいいかもしれない。困ったことに、この先は袋小路かもしれないが、それを確かめるすべはない。私には新しい世界の岸辺にたどり着いているような感触はあったのだが、それは、地図もなく、どこを見るべきかも、何か意味のあることが見つかるかどうかもわからない世界だった。
・私は最終的に、消費者の効用を獲得効用と取引効用の2種類に分けて定式化することにした。獲得効用は標準的な経済理論に基づくものであり、経済学における「消費者余剰」を表している。その名前から察しがつくように、財を消費して得られる効用から、その財を消費するためにあきらめなければならないものの機会費用を差し引いた残りである。エコンにとっては、獲得効用がすべてだ。…
ひるがえって、ヒューマンは買い物をするときにもう1つ別の側面も重視する。取引の損得感だ。それが取引効用である。取引効用は、ある財を購入するときに実際に支払った価格と、通常支払うと予想される価格(参照価格)の差と定義される。
・回答者はなぜ、ビールを買った場所を気にするのだろう。理由の1つは、期待である。高級ホテルはどう見てもコストが非常に高いということもあって、ホテルのほうが値段は高いにちがいないと人々は覚悟する。リゾート地でビールに7ドルも払うのはしゃくだが、しかたない。しかし、さびれた商店でビールが7ドルもしたら怒りが爆発する。これが取引効用の基本となる考え方だ。
エコンは取引費用とは無縁である。財をどこで買ったかもSIF(無関係とされている要因)であり、意思決定には影響しないとされている。
・サンクコストは無視できない
前の章で取り上げたディスカウントストアのコストコも、この戦略の一種を使っている。コストコで買い物するには「会員」にならなければならない。…コストコの会員はおそらく年会費を「投資」とみなしていて、1年間にするさまざまな買い物にその費用を均等に割り振ろうとはしない。逆に会費はサンクコストとして作用し、コストコで買い物をする理由がまた一つ増えることになる。同じように、アメリカのアマゾンでは年会費99ドルを払うと「プライム会員」になって、配送料が「無料」に���る。この場合も、年会費は投資とみなされ、あるものを購入したときに費用として「仕訳」されることはないと思っていいだろう。
・何を「公正」と感じるか
私たちの研究から、ある原則が浮かび上がってきた。それは、公正感は保有効果と関連がある、ということだ。買い手も売り手も、自分たちが慣れ親しんでいる取引の条件は、当然受け取るべき権利だと思っており、そうした条件が少しでも悪化すれば、それを損失と受け止める。この感覚がとりわけ強く表れるのは、売り手がこれまでは無料で提供してきたものや、価格に含まれていたものに対して料金をとり始めるときだ。
・しかし、企業がいつも正しい判断をするわけではない。渡しのMBAコースの教え子は、猛吹雪の後に雪かき用のシャベルを値上げするのは、一点の曇りのなく正しいと考えている。この事実は、すべての企業幹部への警鐘となるはずだ。経営幹部は、顧客や従業員の目には何が公正であると写るのかということに関する自分の直感を、いくらか微調整しなければならないかもしれない。
・ファースト・シカゴの失敗
(ATMでできる取引を窓口でするときには、3ドルの手数料をとることに決定した。)
ファースト・シカゴはこのイノベーションを自賛し、新型当座預金口座の導入と併せて、大々的に発表した。ところが市民はこれに猛反発した。地元紙はこのニュースを一面で報じている。見出しは、「ファースト・シカゴ、人と人のつながりを絶つ」。…
3ドルの窓口利用手数料は、さんざんに叩かれ、実際に手数料を支払った人はほとんどいなかった。
・ネクストを経営するココナスの発言
需要がどんなに大きくても、財やサービスの価値を上回る料金を顧客に請求しないことは、どんなビジネスにとっても非常に大切である。たとえ顧客がもっと支払ってもいいと思っていても、それは変わらない。
・内部情報と外部情報
エキスパートがこの問題をプロジェクトチームの一員として考えていたときは、グループで何かをするときに生まれがちな楽観主義に陥って、内部情報にだけ注目し、心理学者の言う「基準率」、すなわち、同じようなプロジェクトの完成までの平均期間と結びつけて考えようとはしなかった。ところが、2つ目の質問を受けて、外部情報に目を向けると、これまでに見てきた他のプロジェクトのケースが自然と頭に浮かび、より正確な推測をした。外部情報を慎重に検討し、適切な基本予測を立てる場合には、内部情報に基づくアプローチよりもはるかに信頼性の高い予測が引き出される。
・行動経済学の真の目的は、標準的な合理的モデルと矛盾する行動に光を当てることである。
・ナッジとは、私たちの注意を引きつけて行動に影響を与える環境をつくる、ちょっとした特徴である。ナッジはヒューマンには有効だが、エコンには効果はない。エコンはすでに正しいことをしているからだ。つまりナッジは、SIF(無関係とされている要因)であるが、私たちがよりよい結果を得られるようになる選択をするように働きかける要素なのである。
・イギリス行動洞察チームのスローガン
1 誰かに何かをさせるようにしたいなら、簡単にで��るようにする
2 科学的根拠がなければ根拠に基づく政策運営はできない
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新しい学問分野(伝統的な経済学の大前提に真っ向から挑む「行動経済学」)が、学会の権威たちから「棒打ち刑」を受けながらも、影響力を高めていった過程が、自らの研究者人生を振り返りながら、詳細に書かれています。
最近読んだ 「最後通牒ゲームの謎」で「エコン」という言葉を知り、参照文献にあげられていたこの本を手に取りました。
しかし、「エコン」の定義から書かれているかと思ったら、そうではなく、経済学の世界では「ホモエコノミカス」という経済合理性に基づき行動する人間は、今更定義をおさらいするまでもなく周知のもののようで、「ホモエコノミカス」では長ったらしいので、著者は「エコン」と呼んでいるとだけ書かれていました。
そして、私たちは「エコン」でなく、「ヒューマン」だと。
伝統的経済学のモデルは、みなエコンであることを前提にしている。
しかし、ヒューマンは、全く合理的でない。
同じ金額でも場合によりお得感・ぼったくり感を感じたり、既に払ったコスト(サンクコスト)にとらわれたり、お金をラベリングして、予定していた消費(ラベル通りの消費)と違う内容での消費では躊躇の度合いが違ったり。同額を得ると失うでは、失うことの方が耐えがたい。(メンタル・アカウンティング)
また、今と後の消費には、全く違う価値づけをしている。
(セルフコントロール)、、、朝三暮四の猿と同じ。
例えマグカップのごときものでも、一度手にしたら自分のもので、人に渡したくない。(インスタント保有効果)
これらアノマリー(エコンはしないと思われているが、現実のヒューマンにはよく見られる行動)を集め、また、経済学者から、最も合理的と思われていた「市場仮説」に抗っていく。
そして、行動経済学の次なる段階として、デフォルト設定変更等を用いて、意思決定をナッジ(誘導)していく。
研究内容が興味深いのはもちろんのこと、読みながら研究環境について感じたことも多々あり。
「大学院生」が研究や論文の執筆に大きな役割を果たしていることに驚きました。(日本でも、そうなのかな?)
また、筆者は、ノーベル経済学賞を2017年に行動経済学者として初めて受賞した、とのこと。
登場する経済学者も、ゾロゾロとノーベル経済学賞受賞者らしくて、そのハイレベルな環境にびっくり。
ネットで調べてみると、ノーベル経済学賞というのは、正確にはノーベル財団が認めている賞ではなく、また、現時点で89人の受賞者のうち圧倒的多数は米国出身で、非欧米の受賞者は1人しかいないらしい、とも知り、経済学ってそういう分野だったんだー、と感慨。
ともあれ、著者が自分の研究と取り巻く世界を存分に楽しんでいることはよく伝わってきました。
しあわせなヒューマン、ですね。
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2022/05/26 読了
#rv読書記録
#読書記録
行動経済学がいかに受け入れられるようになるまでかを記した本(であってる…ハズ)
伝統的な経済学(と心理学?)との対立を見るに、今まで読んだ行動経済学と言われている分野がどれほど非難され、跳ね除けられていたか、そのストーリーには感銘を受けた。
経済学関連の知識が必要とされたり表現がそちらによってる部分も多く、その部分の理解は大変だった。
というか、Audibleで3.5倍速で読んでしまったので、 まあそういうことですよね。
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行動経済学の本は分厚くても面白く読めるのが良い。この分野の本は割と読んでるので、新しく感銘を受けたとかは特になかったけど、あーそうだった、というのはあるので、定期的に触れていないと忘れるから、また読もう。