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明治天皇の崩御に際し、陵墓は京都に決まる。せめて天皇の御霊を祀る神社を東京にと粉骨砕身する人々。
地質、気候という大きな壁、
不可能と言われたミッションに、150年という遠大な計画で挑む学者達。
明治天皇の人となり。
時代が何を求めたのか、
京都を心から愛する天皇が、何故東京へと下ったのか。
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明治神宮の創建と明治天皇その人の内実に迫る壮大な物語。「日本人にとっての天皇とは何か」という問いかけに対する著者なりの回答でもありましょう。読み終わった後、今上天皇のあのお言葉が、より深く心に染みます。
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明治天皇崩御から明治神宮創建のおはなし。
江戸の終わりから東京となった都でとても気高く力強くあったのだろうなと感じられる時代の象徴を祀る神社だけれども、そうか未だに未完成なんだな。
完成は150年後、まだまだ50年以上の先になってのこと。
明治神宮の森が植樹なのは知っていたけど(確かブラタモリとかでもやってた?)、ほんとうっそうと生い茂って木漏れ陽までも神々しくて、地からも天からも静謐なエネルギーを感じられるまさにパワースポットって感じがほんとうにする。
崇高な理想のもとに全国から集められた樹々がこうして造られたのかと思うと、時代の大きな思いを感じるような気がします。
明治神宮、あの森を歩くのが好きなのでなんか勝手に誇らしく思いました。
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明治神宮が出来るまで。
名称から考えて当たり前だけど明治天皇を追慕する御陵だったのね。小さい頃何回も言ったけど何にも知らんかった。渋谷から歩いて行ける距離に鬱蒼とした森が有るのも考えたら凄いこと。
完成は150年後だから、まだ50年掛かるんだ。
昔の日本人って凄いわ。
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明治神宮の造営を通して明治という時代と明治天皇の視線を想像する。新聞記者の主人公は途中から性格が大きく変わってしまうように感じた。でもこれを読んで明治神宮にもう一度行ってどんな木が植わっているのかみてみたくなる。
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ちょっと難しかった気がします。
私が近代日本史を知らないのが悪いのですが…。
三流新聞の記者が追う、明治神宮創建のお話。
そう言われてみればそうなんですよね。
明治天皇。京都から離れて東に下ってこられたこと。
新しく歩み出す日本で、古いしきたりと
新しく改革したこととの折り合いの連続。
前例のない天皇としてのあり方の模索。
雲の上の人なのに、そんな明治天皇への万謝の念を
心に持ち続けて慕う人々。
明治神宮は初詣に行くところと思ってました。
新年だけしか行かないなんて勿体ないことを…。
神社と杜。木の1本1本に、明治天皇を慕う
人々の心が宿っているんですもの。
この神社のなんたるかを全くわかってませんでした。
150年後にはまだありますけど、
今の杜は想像通りになっているんでしょうか。
民を守り抜き、後世に続かせてくれたパワーを
感じるために訪れようと思う一冊です。
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まかてさん、天狗党の乱を扱った直木賞作品が面白かったので新作と聞いて図書館で予約してました。。
今回は明治神宮造営を巡る明治を生きた人々と、明治天皇のお話です。
以前、社会人大学の日本史講座に通っていたことがあり、
「天皇は京都から東京に移るとき、単純な行幸という触れ込みで出発したので、今でも京都のお年寄りは天皇さんはこちらに帰ってくる、と言ってるのですよ」
と習いました。国策は国策として奠都は行われたけれど、反対派や京都市民への配慮からこのような形をあえてとったそうです。
天皇の大きく重い存在であったことを窺い知るエピソードとして印象に残りました。
今回この本を読んでその話を思い出しました。
明治天皇は、国民の気持ちにこたえるべく新しい時代の日本人の精神的支柱として全身全霊でそれを全うした存在だったのですね。
そしてそれは、今上天皇にも継承されているなあと感じました。
今上天皇の長い在位中、報道等で知る献身的な姿に胸を打たれる場面に何度も出くわして、そういう人のそういう行動が、日本人の心の中で今でもある種特別な存在で居続けてくれている気がしました。
また、明治神宮の森が、完成を150年後という未来を見据えた計画の元つくられた人口の森だということ!この本を読んで初めて知りました。
ということは、現在の森も完成形ではないということなんですよね?壮大過ぎ!
あらためて明治神宮を歩いてみようと思います。。
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たしか書評に載っていて気になった本。
明治天皇の死去と神宮造営から明治天皇自身へ考えを巡らせていく記者・瀬尾亮一。
ミステリーではないし、神宮がどの形で作られることになったか現在の私たちは完成形を知っているし…となるものの、新聞社の面々の個性や亮一の興味の終着点が気になって一気に読んだ。
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浅井作品にしては、ユーモア封印してるね。非常に興味をそそられたテーマだった、そうか、明治神宮って、明治天皇崩御のあとで人工的に作られた森なんだね。ながいながいあいだ、京の都で系譜を紡いでいた天皇が、はじめて東に移ってきたのも明治天皇なんだよなあ、歴史を学んでいればわかっていたようで、あらためて思い知らされることも多く、考えさせられた。予備知識がないからいろいろ調べながら読んだら、明治天皇までは側室がいたんだねえ。大正天皇は皇后の実子じゃなかったんだね。そんな近い歴史も知らず。
天皇という日本独自の存在、じぶんのなかにある敬意、これもいったいどうして持っているんだろう?私はなにを以ってこの敬う気持ちを培ったんだろう?究極の滅私の存在だからだろうか?それをいつ想像理解できるようになったろうか?
けして大手ではない俗新聞の新聞記者、という主の目線から語られる物語なので、皇家側だったり、造園事業側だったり、偏らずに距離感を持って読めるのは狙いでもあるんだろうけどでも、ちょっと“ドラマ”が終わらないまま頁が尽きたかなという消化不良感が残った。上原くん目線の外伝書いてほしいなあ。
でも、激動の明治という時代を、神宮造営というこの視点から描くのは斬新だとおもう。役者揃えば映画になりそう。
「ただ、かくなる上は、己がすべきことを全うするだけです。明治を生きた人間として」
この台詞は痺れた。ちょっと時代背景とか歴史を不勉強なまま読んでしまったので、予習してから読むともっと深く味わえたんだろうな。いつかもいちどリトライしたい作品。
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明治天皇と神宮の森をテーマにまかてさんの筆によって壮大な舞台が開演する。幼くして京より東下された天皇、自我を没し君主としての生涯を貫く。されどその胸中に思いを馳せる時、歌に託された御意を思えば涙は止まる所を知らず。天皇を偲び感謝して 神宮の森に国民が持ち寄った十万本の木々が百五十年後の日々に備えて静かに息づく。古代より天皇と杜は人の崇めの対象、この二つを見事に融和させた本作品は、読み物としての魅力だけではなく我々の心に宿る畏怖尊敬の念を新たに打ち鳴らしてくれる。
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明治神宮創建を一つのエピソードとして、明治維新からその後の時代を生き抜いた人たちの物語。若き明治天皇の姿と、現代の我々とは全く異なる価値観を持つ当時の一般国民の生き方が胸を打つ。何百万人という国民を殺した反省もなく、ここに来て再び軍備増強を進める日本国政府。自国の尊厳を守るどころか、拉致や人質など他国に命を脅かされる自国民を助けることもなく、盲目的に米国に追随するだけの無能な為政者。この本に登場する人たちの思いを無にする昨今のこの国の現状を考えるにつけ、明治維新が本当に必要だったのか再考せざるを得ない。
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明治天皇が今日から移ってくる、天皇が政治を司る、そんな数百年ぶりの事態に直面をした時の日本人の機微をとてもうまく表現できていると思う。
昔の日本人は、本当に美しい心意気を持っていたなぁ。。
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朝井さんの作品は、読み終わってから本の人物やその内容をもっと深く知りたいと思わせる作品が多い。ホントに知らないことだらけだ。
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朝井まかてさん、前読んだのもたしか植物が関係していたけど、お好きなのかな。
淡々と読んでいって、明治天皇について語られた思い出に、ぐわっと泣いた。だってあまりに「人間」らしいから。
150年先のために森をつくる、その途方もないドラマの入り口部分を切り取った作品。どんな状態からどんな木を植えていくのか、疎い私は植物の種類を聞いてもうまく想像できないので、こういうのは映像でみてみたい。
江戸時代の「お殿様」とか、維新後は皇室の方々、私たちは何かおおきな存在がいつもそこにあって見ていてくれると信じている、そうじゃないと不安になる。個人的に宗教は好きじゃないけど、名前が違うだけで始まりは似たようなものなのかも。
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都内に住む人にはとても馴染み深く、誰もが一度は訪れたことがあるであろう明治神宮。
幕末から明治、大正と日本が大きく動いてゆく中で、天皇陛下という存在がどのように日本国の象徴として日本国民の心の中に在られたのか、そして、その明治天皇を奉る明治神宮の創建に、どれほど多くの人の想いが込められていたのか。本当に知らない事ばかりだった。
天皇という存在を少し身近に感じられ、且つ改めて明治神宮に詣でてみたいと思わせる一冊。