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面白くない。
本書を手に取った時私の頭にはカナダエスキモーなどの本多勝一氏の探検ルポを期待していたのだと思う。しかし稀代の名著と本書を比べるまでもなく、本書は駄作である。なぜなら面白くないからである、学術誌に投稿する論文でもない本書において厳密さや正確さは不必要であり、異文化の世界に入り込んだ没入感を読者に与える事が出来なければ駄作である。
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人類学というのは今ではあまり使わない名称かも知れない。
未開の土地を文明の視点から見るという、権力関係が露骨であるから。
今では比較文化論などの名称のほうがポリティカリィコレクトなのだ。
この人もまた、1934年生まれである。
しかし、視線は遠く研究の地であるアフリカから始まる。
著者はアフリカと、フランスと、そして日本を動きながら人類学をしてきた。
その営みの罪深さも含めて、また志としては
純粋に人を理解しようとしてきたことに対して誇りを持って、
このタイトルになっているのだと思う。
アフリカに対する記述も面白いが、
川田は観察している自分自身の関わり方の変化もまた観察している。
こうした視線のありようが、人を知ろうとする人類学への方法であり、
道のりそのものだったと言えよう。
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おそらく、日本人としては最高のアフリカ社会理解者である川田順造さんの回顧録的な本です。収録されている論文、エッセイが書かれた時期がかなりばらついているので、一冊の本としては迫力に欠けるところがあります。他の著作と併せと読むことにより、著者のアフリカ観、文明観が理解できると思います。