投稿元:
レビューを見る
田中兆子の短編集。
結婚したい、誰かとセックスをしたい、誰かに抱かれたい、普通の主婦になりたい、さまざまな欲求が赤裸々にまざまざと自分の体験のように脳内に投影される。
「残欠」の依存症の描写は筆者が経験者かと思うほどにリアリティを感じられた。
投稿元:
レビューを見る
欲しいものを手に入れられない、もがきながらの日常。欲しいものが何かすらもわからなくなってゆく
。それなのに漠然としながらも、何かにすがりつこうとする胸のうち。言って良いこと、悪いこと。本音と建前。日常に潜む地雷。友人、夫、子ども、自分自身。心の隙間、埋められなくても、それでも生活は続く。劇的に何か変わるわけではないけど、少しだけおぼろげに変化する物語。
投稿元:
レビューを見る
女の深いところを描いているけど、狭すぎてハマれなかった。
特に「花車」は自分もそこまでセックスにこだわる方ではないからそこに自分の価値をおく気持ちがわからない。
投稿元:
レビューを見る
「猫は猫でしかなく、猫じゃないとだめなのだ。」.
に頷き.
「自分のことばーっかり考えてると、大抵行き詰まるから。自分をみつめないこと。そんなヒマがあったら、他人を見つめたほうがいいよ。」.
に、なるほど… と.
投稿元:
レビューを見る
読了感は意外と悪くない。どんよりと嫌な気分になるかと思ったけど、そうでもない。
かと言って良い気分という訳でもない。
何となくモヤっとした気持ちになるのは、読書中の方かも。決して若くはない中年女たちの、微妙な心情が描かれているからだと思う。
年老いていくって…面倒臭いなと思ってしまう。
河合隼雄氏の『中年クライシス』読んでみたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
40代女性の短編集。結婚とか夫婦とか性欲とか仕事とかアルコール依存症とか、今28で独身の自分には分からない、女の悩みっていうか気持ち?が沢山出てきて、ちょっと生々しくて疲れるんだけど、1日で読み切りたい!と思ってカフェをハシゴして読みました。笑
結婚したら、死ぬまでこのカップルのままの関係と気持ちでいられるのは難しいことなのかもしれないけど、その時その時の自分たちに合った、穏やかな関係性でいられたらなぁと思いました。本の中の、ずっと女でいたい。って気持ちはすごーくわかるし、すごく大事な事だと思う。
投稿元:
レビューを見る
「女のための女の」R-18文学など6編。子育てを終わった女の「自由」回復が全体のテーマ/①土下座婚活の是非/②組織というよりクチコミはありそう/③介護保険制度創設時に男性議員は「日本の美習」とこぞって反対し女性議員は賛成したという…独身でネコ4匹と家賃14万で暮らす広告業界、母が急死、父は同居して欲しがっている。性生活に干渉されるから断固拒否/⑤夫のアウトセックスに干渉する権利はないと自覚する自身の依存症が治りきらない妻は、中学生の息子のために『坊ちゃん』のキヨになろうと決めた⑥は性的ファンタジー。受賞作
投稿元:
レビューを見る
本の中で性の描写が苦手だけど
これはあっさりと読めた。
女性のあれこれ。
分かるような分からないような。
でも年齢を重ねればもっと分かってしまうことが増えるんだろうな
個人的には1番初めのが
ポップな感じで好きだった。
そこからは結構重い。
投稿元:
レビューを見る
私はまだ10代なのでその立場からしかモノを考えられないけれど、もし将来この本に登場してきた女性と同じ境遇になったらと考えると切なさややるせなさや諦めが押し寄せてくるかも、と思った。
特に息子がおやつを捨てているのを知ったら苦しい
投稿元:
レビューを見る
むー、激しめの話が多かったけど、あんまり印象に残らなかった。
大人になると発するべき言葉を選ぶようになるけど、
その内側をぐるぐる回る気持ちを言語化した一冊。
熊沢さんの話の最後の一節、
「硬く厚みのあった自分が伸されて折りたたまれてたくさんの隙間ができ、そこにいろんな人たちの言葉や存在が常に流れ込み、層のように溶け込んでいる、」がとってもよかった。
人の入る隙を作りながら、柔軟に生きたい。
投稿元:
レビューを見る
【2022年95冊目】
さまざまな女の物語である。恋を、愛を、性を、生き様を描いており、時に共感しながら、時にただの第三者として読み進めた。
結婚してようしてまいが、恋人がいようがいまいが、子どもがいようがいまいが、性欲に悩もうか悩むまいが、全て自分の選択で、結局は何かを選べば何かを手放すしかない。その結果が自分にとって良いものになるかそうでもないか、その時にはわからないのかもしれない。
こんなにも「セックス」という単語があっけらかんと出てきた本を初めて読んだかもしれない。けれどいやらしさとかは微塵もなく、ああいろいろな女の話だなぁと思った。
投稿元:
レビューを見る
結構しんどい境遇の主人公が多いが、劇的な出来事が起きてハッピーエンド!ではなく、"日常"はそのまま延長線にあるところがリアル。救いは、自分の考え方や感じ方次第で、これからも続く日常をもっと気楽に歩めそうなところ。
その点で言うと、『残欠』は日常から逃れらない重苦しさがピカイチ。ラストシーンがあの夫婦にとって良い方向に転がるのか、破局に向かうのかを想像させる余白が効いていて、印象に残った。
投稿元:
レビューを見る
セックスレス、アルコール依存症、独り身、
問題をどう解決していくのかではなくて
問題を乗り越えるまでの女性ならではの心理描写がよかった
若い頃はどんな困難でも必ず解決策があるような気がしてたし
今思えば「よくあること」「みんな通る道」だったのだなと思う
30代後半以降は各々抱える問題は違くて話す相手を選ぶようになる
こんなもんか~と日々に溶けていく悩みから
鎮めようのない感情にとらわれることもあった
幸せな家庭はどこの家庭も似ていて
不幸は様々、、のような文章があったような。
その通りだな、がんばれ中年女たち。(私も含め)