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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
続きがあるんではないの?と言いたくなるような終わりかたの短編ばかりで……なんか煮え切らないですね。もう少し、これらのお話の続編というか、その後、主人公がどうなったのか、書いて欲しいです
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またぞろ村上春樹がノーベル賞を取るだか取らないだか話題になる季節がやって来た。
体育の日の朝刊には、毎月の文庫新刊の広告とは別に、この本だけの広告が載った。黙っていても売れるだろうに、本屋さんもなかなか大変ね。
6つの短編からなるこの本、作者まえがきにも『女がいない男たち』がモチーフとして書かれているとあるけれど、3話目に『自分とはいったいなにものなのだろう』と出てくるように、女がいなくなった男たちがひとりになった時、本当の自分は何者なのかについて突き詰めていくようなお話ばかり。
妻が不倫した訳を知りたくて不倫相手と親しくなる家福も、家から離れた東京の大学に入ってこれまでとは違う人間として生まれ変わりたかった谷村も、不倫相手に入れ込んで拒食症になった渡会も、性行為の相手と彼女が語る物語が分かちがたく、そのことに囚われている羽原も、訳も分からず店を休んで遠くをさ迷う嵌めになる木野も…。
文章や雰囲気はいかにも作者だなぁという感じだったけれど、私には、あまりスッと入ってこない話が多かった。
一番興味を惹かれたのは羽原の行為相手“シェエラザード”が語る彼女の若かりし頃の空き巣の話って、どうよ?
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ついこの間まで岩波の千一夜を読んでいたので、シェエラザードに違和感(笑。
空き巣の話にはゾワゾワしましたわー。
でも続き、気になる。
主人公も謎めいてるし、これだけで長編のプロローグになりそうな雰囲気。
木野も良かったかも。
どちらも好きなストーリーと言うよりは、気になるストーリー。
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【村上春樹による最新短篇集】「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」他全6篇。最高度に結晶化しためくるめく短篇集。
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何らかの事情で女から去られた男たちの短編集。
men without women
村上春樹自身が言っている通り、短編は新しい表現方法を短期間で試すことができ、作家としてチャレンジングなのだろう。
女のいない男たちになるのはとても簡単なことだ。一人の女性を深く愛し、それから彼女がどこかに去ってしまえばいいのだ。
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久しぶりの村上春樹の短編小説集で、何らかの事情でそばにいた女性を失った男性をテーマにした連作短編集。基本的に村上春樹は長編作家だとは思うものの、こうした短編集も味わい深いものが多い。
どの作品もかつての村上春樹の作品に出てきたような既視感がある中で、そうした既視感がありつつも印象に残るのは「木野」という作品。村上春樹の作品では、人知を超えた不穏さがテーマになる作品が少なくない。それが故に、一部の識者からは「下らないファンタジー」とも言われるわけだが、「木野」ではかつての傑作「ねじまき鳥クロニクル」にも通じるような不穏さを感じる。読後感が爽やかな作品よりも、こうした不穏な作品をもっと読みたい。
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他者を"本当に"理解することはできない。それがいかに大切な人であり、強い絆で結ばれていたとしても。だがその深い関係の前後で自己が別の人格になっていることに気づく。あるいは、失われてから時間をかけて気がつく。本当の(関係性や社会性を取り払ったものとして)自分とは何か?と自己と他者と愛の微妙な関係性をから問うてくる作品。
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年中行事となった、ノーベル文学賞受賞なるかって話題になっていた10月に文庫化された短編集。
同じモチーフで書かれた一連の6作。
酒と音楽とセックスとふしぎちゃん。どれをとってもTHE村上春樹。
シェラザードの話の続きが気になって仕方がない。
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【男たちの恋の傷跡をなでる失恋ストーリー短編集】
る女性を深く愛した後、色々な理由でその人を失ってしまった男性達の失恋ストーリー集です。
当時前作(長編)が難しい評価だったこともあったのか、他の村上作品と比べると、暗示的なたとえや凝った心情描写などはいくらか控えめに感じました。シチュエーションは比較的ライトで生活感のある印象ですが、お決まりの比喩表現は“健在”です。
評価は正直分かれるところだと思います。過去、特に若き日の作品と比べると星1~2減るかもしれません。
過去の村上春樹作品に長く親しまれた方であれば、既視感や物足りなさ、あるいは軽い嫌悪を感じる方もいるかと。具体的すぎる性描写や少し偏った自己愛表現もわりと主題の周囲で頻繁に顔を出してきますので、受け付けない方には違和感が残りそうです。
一方、今回は文庫版ということで、あまり村上ワールドに親しまれていない方には、男女ごとの妙と傷みの物語を小洒落た文章ででサラッと楽しめるのではないでしょうか。また、私自身はエッセイ「職業としての小説家」で作家としての姿勢・意気を感じられたことで、初版14年当時と少しこの小説の読み方も変わりました。
各短編についてはハードカバーレビューを参照されれば良いですが、初めての方のために簡単にご紹介だけしておきます。
【ドライブ・マイ・カー】
過去の事故と視力の問題で運転できなくなった主人公が、“みさき”という女性に自分の車を運転してもらい、棘となっていた昔の妻の浮気の理由を彼女とのやりとりの中で紐解いていきます。ちなみに、「ドライブ・マイ・カー」はビートルズのヒットアルバム「ラバーソウル」の一曲目。主人公とみさき、妻と主人公、の関係性からタイトルを照らすと、新たな意味が浮き上がる、という解釈もできます。
【イエスタデイ】
主人公谷村は村上春樹と出自がそっくりで、存在自体が若干ジョーク。また、木樽という明るい関西弁の浪人生が登場し、これまた東京出身なのにを勉強して関西弁を会得したという変わり者。こちらも関西出身の著者と絡めているのか、含みがあります。この木樽の結末には希望がありました。そしてこちらもやはり言わずと知れたビートルズ。
【独立器官】
女遊びが派手な医者が、いい年になってから真面目に恋に落ちるも・・・というストーリー。ちなみにこの編でも、谷村という男(前編と同一人物かどうかは不明)がこの医者の語り手となっています。
【木野】
美術館の裏手の路地に、脱サラしてバーを出した男の話。生きとし生ける物たちの摩訶不思議なパワー、東洋的な神秘の力を感じさせます。
またまたビートルズが初巡業時に宿泊したBambi-Kino(バンビ・キノ)からとったとかとらないとか。
【シェエラザード】
ある部屋に閉じ込められた男と、そこに通う世話係の女の、文字通り「千夜一夜」の話。かなりハードな表現もあります。そして、とにかくやつめうなぎを押してきます。明日を知りたいから、今日も生きる。そんなことを感じさせます。
【女のいない男たち】
この単行本のための���き下ろし。元彼女が自殺したという知らせを元彼女の現夫から聞かされて、物思いと葛藤にふける主人公の話。村上節が全開ですので、好きな人には好き、苦手な人にはかなり苦手、という印象です。
風の歌を聴け、ハードボイルドやノルウェイの森と比べると最近は、、という印象も多少ありますが、60歳半ばの著者は書き手にしか知れない長い長い格闘を続けているのかもしれません。
さて、次はどう来るか。
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短編集全6編。
村上春樹は長編のほうが断然面白いのであまり期待せずに読んだので、まあ期待通りという感じ。
『ドライブ、マイ・カー』が好きだった。運転が上手い女が出てくる。
村上春樹作品でよく描かれる、日常的な行動(この場合は運転)を丁寧にこなす人の描写が好き。
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139
急いで無理をしないこと、同じパターンを続けないこと、嘘をつかなくてはならない時はなるべく単純な嘘をつくこと、その光が彼のアドバイスの予定だった。
186
彼は読むのにできるだけ時間がかかり、何度も読みかえす必要がある本を好んだ
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シェエラザード
これを読んでいて思ったんだけど、いつも僕が思ったり感じたりしていることをはっきりと目の前に言語化してくれているんだ。だから時々読みたくなるし、読み出すと止まらなくなる。それは、心の中の何かを救い出してくれているかのようだ。
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ものすごい久しぶりに村上春樹を読んだような気がするけど、それ以前にこの本なんで単行本買ってないんだろうって疑問が渦巻いてるんだけど、私やっぱりこの人の文章が大好物。まえがき1カセット読んだだけで「そう!コレ!(笑)」って思わずニヤニヤしちゃう(結果には今ひとつ自信が持てない〜のとこ)。思いがけない角度から飛んでくる比喩表現も、割とすぐ男と寝ちゃう女も、出てくる度にドッグイヤー。生きてるうちにノーベル賞とってほしいな…なんてわりかし純粋に思ったりしている春樹ファンでした。
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どこまでも村上春樹な短編集。
この人の本の主人公ってみーーーんなおんなじ性格な気がしてきた。
まあ文章に力があって綺麗で飽きさせないところはすごいのだけどね。ピッタリ4。
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前半3作は一応完結したと思ってもよいが、後半3作はまったく終わっていないし、最後の表題作にいたってはまだ始まってすらいない。今後の長編につながるものと期待しておけばよいのか。しかし、これだけ性的に倒錯した人物を登場させるのは今までになかったことではないか。谷崎や三島との多少のつながりが感じられる。個人的には「イエスタデイ」がさわやかに終わっていて好ましいが、「シェエラザード」や「木野」の続きが知りたいという思いの方が勝っている。木野は「人間が抱く感情のうちで、おそらく嫉妬心とプライドくらいたちの悪いものはない」と考えている。そして、木野自身は、そういったものに再三ひどい目にあって来たそうだ。私自身は、誰かにひどい目にあわされたわけでなく、自分自身の嫉妬心とプライドに、なんども嫌な思いをしてきた。たぶん、そう思う。歳をとって、そうそう胸がこがれるような思いをすることは減ってきたが、渡会医師の気持ちも分からないではない。嫉妬心とプライド、それは生きるエネルギーにもなるし、その逆にもなりうるのかもしれない。ユーチューブで「夏の日の恋」を聞いてみた。(そういうタイトルだったんだ。)まあ、この曲を聴いて性的に昂揚することはないな。たぶん。そういえば、むかしおんぼろアパートで暮らしていたとき、隣の部屋からベッドのきしむ音をかき消すように、いつもユーミンの曲が聞こえてきていた。そんなこともあったなあ。
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村上春樹の短編小説。女がいない(おんながいなくなってしまった」男たちの話である。短編なので、そこまで深く物語が進んでいかないと思っていたら大きな間違いで、いなくなった女たち、そこに残された男たちの深層心理に痛々しくも触れることができる作品。性描写等激しくも荒々しい部分もあるが、リアリティを追求する中で、効果的な文章となっている。短編小説は若かりし自分を思い出させてくれさえするので好んで読むのだが、長編をじっくり読んでみたい。