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3.5
医大の付属病院から、在宅の訪問医療へと配置転換になった女医が、何人かの患者を看取るうちに徐々に変化して行く。
最後は父親の看取りを通して、真の医療とは・・という答えを見出して行く
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終末期の人に在宅医療で寄り添う医師を中心とした物語。急速に高齢化が進む日本では、ここでとりあげられた話に似たことが、今日もどこかで起きている気がします。
人は必ず終わりを迎える、その時まで終末期に入った人も家族も医療関係者も福祉の人も、誰もが自分の人生を生きながらどう関わり、どういう選択をしていくか。改めて考えさせられます。
重いテーマですが、多分、書き手の優しさでしょう、それが見え隠れして、良かったです。
両親を送った私としては、涙なしには読めない作品でした。
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評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
「死んでいく患者も、愛してあげてよ」
命の終りを真摯に見つめる現役医師による、感涙のデビューミステリ。
現代の終末期医療の在り方を問う、渾身の書き下ろし。
大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷"を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎"を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、静かな決断を下す――。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか……?
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最期くらい自分で決める、あるいはそれを支える、自分がそういう人間になれるのか。死について、命の尊厳について、自分の律し方について考えた一冊。登場人物が皆暖かくて優しい。
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終末期医療専門病院に内科医として勤務している現役医師のデビュー作。
6人それぞれの病状の患者さんの最期を看取る話なのだけど読後感はスッキリしていると感じました。
年老いた親や自分の老後を考える事が現実味を帯び始めた今日この頃、いろんな本を読んで自分なりに考えてた事がこの本を読んでさらに強く心にあります。
こんなお医者さんに最期をお願いしたいと思った。
「サイレント・ブレス」とは
静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージする言葉です。多くの方の死を見届けてきた私は、患者や家族に寄り添う医療とは何か、自分が受けたい医療とはどんなものかを考え続けてきました。人生の最終末を大切にするための医療は、ひとりひとりのサイレント・ブレスを守る医療だと思うのです。 著者
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大学病院の総合診療科から、クリニックへの左遷人事を受けた医師、37歳の倫子は医療の在り方の違いに戸惑いをおぼえるが、次第に終末医療について考え始める。
ガンに侵されたジャーナリストの前に現れる謎のスキンヘッド男、若き筋ジス患者の青年はなぜ一人でイブを過ごしていたのか、延命治療をこばんだ84歳の母親は思い通りの最期を迎えられたのか、言葉を話せない少女の病名と原因は。
がん治療の権威である教授ががんになった時、すべての治療を拒否する。
倫子は意識のない父と看護する母を見て、生きているだけで母の支えになっているのではという気持ちと父に意識があればどう考えたろう、、と迷う。
人が最期をどのように迎えるか、過ごしたいかを考えることは病を治療することと同じくらい大事なことです。
問題を考えつつ、ストーリー性もあって、いい本でした。
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大学病院から、在宅医療専門のクリニックに移動となった女医倫子。
終末期医療の現場で、彼女が見、考えたことは。
極近しい身内に、病気などで終末期を迎える人がいない現在でも、自分のこれからを考えさせられました。
自分が患者の立場だったら、あそこまで強くなれるのか。
自分が患者家族の立場だったら、患者の気持ちに添うことが出来るのか。
両両親が現在の今、今後のためにも、自分だけでなく、夫と共に終末期医療について考えていかないといけないのかもしれないと思いました。
素晴らしい本でした。
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2018.6 サイレントブレス 、か。最後の章は電車の中で思わず涙が出そうになりました。いつかは行く道、送る道。
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自分の最期を考えてしまうな。
延命はごめんだな、どうせ人はみんな死ぬのだから、最期くらい好きにいかせてほしいもんだ。
自分のことならそう思えるけど、これが親、兄弟、夫婦、子供のことになるとそうも言ってられないのかも。
この人が生きているだけ、それだけでいいの
とか思ってしまいそう。
どこかに意思表示しておかなければいけないな。
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終末期医療専門病院の内科医だった著者のデビュー作。自身の病院勤務や介護の体験をもとに、患者の死を看取りながら成長する女医を描いた小説。人はこんなふうに死んでいくのかと理解した。誰にでも訪れる死をどのように迎えるかを考えるにはよい本。電車の中で読んでいて、涙ぐんでしまった。
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訪問クリニック…在宅介護には欠かせない分野なのだろう、病院で迎える死よりも、そりゃあいいに決まってる。
でも、それに携わる医師、看護師、スタッフたちの知識や技術以上に求められる咄嗟の時の機転、判断が命の鍵を握ってる、コースケや水戸先生の働きぶりを見ていて(読んでいて)痛感した。
(年齢によっては)治療をしない選択にも考えさせられたし、”食べられなくなったら動物は死ぬんだ”って言葉にも
はっとした。
でもエピソード2の筋ジストロフィーの息子を放って出奔する母親って人間じゃない。
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倫子の父と同じような状態の母を長期療養型の病院で看取りました。
何年も前ですが今も後悔の念は消えません。
自分のあの頃の思いがこみ上げて
ブレス6 サイレント・ブレスは特に泣けました。
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現役医師ならではの在宅医療の話し。
昨年両親が相次いで亡くなり、思い出しながら読んだ。
親の性格からして延命治療は望まないだろうと思い、点滴で最期を迎えた。
子供や嫁全員で可能な限り在宅介護をしたうえでの最期だったので、二人とも満足してくれたのでは・・・。
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メッセージとして伝えたいことが山盛りの小説は、場合によって興醒めになってしまう事があります。往々にして専門職の人が転身して書いた本に多いようなイメージがあります。前回読んだ「ディアペイシェント」もその辺のバランスがとても良くて、作者の顔をイメージせずに読むことができました。
「サイレントブレス」の方が古い本だったので、肩に力入ってそうだなと思いましたがそんな事は無く、単純に医療小説として楽しめるものでした。
終末医療、訪問医療の現実と、これからどう死と向き合っていくかが真摯に描かれています。
どうしても現場を知っているだけに安易な解決や光が出て来ないので、うっすらと寂しい気持ちになります。でもそれはこの本にとって成功なのかもしれません。
医療従事者に読んでもらってご意見お伺いしたい本です。
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現役医師が書く医療と看取りの話なので、病気や薬に対して知らないことが多く出てきて勉強になった。医者は体が丈夫じゃないと出来ない仕事だなと以前から思っていたけど、どれだけ丈夫でも早死にしそうだなと考えを改めた。
病を治すという大変な重荷のある仕事だけど、沢山の人を救うと希望を持って医者になった人も多く存在するはずで、そんな中救えない患者や、人間いつか必ず訪れる死にはどう向き合うのかという難しい問題を語ってくれている。倫子は病気だけを診ている医者ではなく、人を診ていると感じる。器用ではないけど真摯な、こんな医者に看取ってもらえたら、自分も残された家族も幸せだろう。