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世の中の専業主婦は、子どもが成人したら、そのあとの人生をどう生きているのだろう、という疑問があった。仕事があれば、子どもに手がかからなくなっても、とりあえずやらなければならないこと、あるいはやりたいことが目の前に残る。子どもとは関係ないところでの人間関係も時間を費やす自分の居場所もある。でも専業主婦だったら?
正直、専業主婦をバカにしていた。働かないで家にいて、社会にもまれず、うらやましご身分だな、と。家事なんて大した労働でもないし。働かざるもの食うべからず。稼ぐ人間こそ上位である、と。でも実際に子どもを育てる主婦になってみて、稼いでいるからえらいということ以外の価値観を知ったような気もするし、お金だけでは測れない何かがあって、お金は大事だけれど、それだけで全てを整理整頓できるほど生活は単純ではないこと、外で働いているから偉い、という単純さでは説明できないこともたくさんあるような気がしている。
ではワーキングマザーだったらどうか?働いているから稼いでいるから、という理由で母や妻の役割を免除されるわけでもない。私も主人公同様、料理は得意ではないが、料理をおざなりにしていたら、将来、夫や子どもからそれを理由に軽く扱われることになるのだろう。
完璧になんてできない、できないのだけれど、少しづつ一歩一歩、妻として母として家族の信頼を得ていけるように努力するしかない。ママの料理はまずい、と言われても、めげずに進むしかない。夫婦の信頼関係も親子の信頼関係もこれから少しづつ構築していくしかない。つらいことがあっても逃げたら、また荒野が続くだけだから。
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自分の誕生日に夫に嫌気が差して、車で家出した朋美。
あてもなく九州へ向かう。
途中、いろんなことが起こる。
そもそも専業主婦の朋美は世間知らずなところがある。
それでも結構図太い…
朋美もどうかと思うけど、夫の浩光はまたいけすかない男である。
奥さんに逃げられて当然かもしれない。
終始イライラ、ハラハラさせられる話だった。
2018.4.4
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おもしろかった! 読みやすい!
まず旦那と息子二人の酷さにびっくり。わたしが見ききする範囲では、今どきの普通の旦那さんや息子さんたちってみんなとてもよくできた人たちなのに、こんな家庭もあるのか、っていう。わたしは家庭をもてなかったことを後悔することが多いけど、もしわたしが家庭をもっていたらこんな家庭だったかもな、と思うとむしろ独身でよかったかも、とすら。
だから、主人公が、突然車で姿をくらましたときはすかっとした。ただ、桐野夏生だから、ほのぼの話にはならないだろうって予感がしてびくびく読んだんだけど。逆にほのぼの話になってもいやだな、と思いつつ。でも長崎ではもっとひどい目にあうことになるのかな、ひどい目にあう話がメインなのかも、と思っていたら、そうではなくてよかった。。。
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序盤、夫や息子たちからめっちゃないがしろにされてて、こんなの家出するよと思いました。個人的には知らない年寄りの家に居候して金銭トラブルになりかけるところが一番こわかった。
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主人公が自分と同じような立場だったので共感でき、一気に完読
冒頭のレストランでのストーリーでグッと引き込まれ、これから主人公がどうなっていくのか知りたくてどんどんと読み進めることができた
荒野の意味が終盤でようやく理解
家に戻ってきた主人公家族が 今後どうなっていくのか、続編を期待したい。
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自分を便利な存在としか思わない、思いやりが全くない家族たち。そんな家族に嫌気がさして車で出奔した専業主婦である主人公が長崎まで行く間に色々な人と出会い、体験をする話。
最終的には問題は解決されておらず主人公が妥協し諦めの境地に達したことでなんとなくめでたしな感じになっている。
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2017年2月22日読了。今年9冊目。
桐野夏生は東京島を読んで以来だったが、面白かった。自分勝手な夫、息子達。家族がバラバラになって、本当の気持ちがが見えてくる。大胆な行動に出た主人公に拍手。
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夫と大学生と高校生の息子二人に愛想を尽くし家を出る妻。妻と夫と交互に主体となり、物語が進んでいく。
登場人物がみんな、朋美も含め隣人の島津夫人のような端役まで揃いも揃って、極端すぎて現実味に欠けた。読みやすいし、展開も気になるけど、コミカルなドラマを見ているようで正直下らなさを感じた。あらすじや帯をみて期待した深刻な現代的家庭問題に向き合う、というものではなく、面白おかしいドタバタ劇を楽しむものだった。
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おもしろい^^
どうなることやらとワクワクしながら読めました。
しかし…この夫婦どっちもどっちだね。
自分本位で身勝手。
だから子供も親のことをばかにした物言いするんですよ。
お互いを思いやる気持ちがないならとっとと別れた方がいい。
誕生日のお祝いの席を自ら設けたところが、家族の誰ひとりとして祝う気持ちがないのに加え、せっかくおしゃれしたファッションや、レストランの料理にナンクセつけ始める始末。怒って席を立った朋美はそのまま店を出て、乗ってきた車で疾走してしまった。すげー!やるなー!
お互いにまったく危機感がない。特に朋美のほうは家ない金ない、なのに能天気に家出を楽しんでる。元カレの住んでるところへ行くとか訳の分かんないこと言って長崎へ向かってるし。あり得ないでしょ。将来のことを考えたら不安でしょうがないはず。
しかしここからはやはり小説の世界。出会ってしまうだなぁ、いろんな人に。最終的に原爆の恐ろしさを後世に伝えるボランティア活動をしている老人の家に転がり込む。
息子までもがその家に住みつくようになったりして、どうなってんの?という展開になるが、結局老人の姪っ子というのが現れて家を追い出され、東京へもどることになる。
家出をする前と後。家族の関係はすこーし改善されたみたいですね。
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夫は横暴、長男は気が弱く要領だけが良く、次男はネトゲで引きこもり寸前。そんな家族に囲まれた主婦は、誕生日の食事会の席で遂にキレて、家を出る。
平凡な主婦が、日常の生活を捨て、車で旅をするロード小説ともいえる。
新聞連載小説だったからか、いろいろハプニングは起こるが、『OHT』のような深刻な事態には至らず、収束する。
しかし、ドライブコースに、広島、長崎を設定し、さらに原爆の悲惨さを訴えるボランティアを生きるよすがとする老人を登場させるところが、著者の小説の所以か。
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自分を軽んじる夫と2人の息子に
やり切れない思いを募らせる朋美
自身の誕生日に思いを爆発させて
家出をする。
朋美の章、夫(家族)の章、と
交互に出来事や出会いを読ませる
朋美も家族も変わっていく、でも、
変わらないところももちろんある。
大きな影響をうける出会いをして
いきつく先は?
特に大きなケンカや大問題があったわけ
でも無い、やるせなさや苛立ち、
友人に愚痴ってはみたものの、全く同じように共感してもらえる訳では無い、わかっていても寂しい。わかるわーと声に出してしまう。
数年前にドラマも見ていました。
鈴木京香さん主演でした。
ドラマの方が登場人物も多く、
小説では、このまま居なくなるの?な人も
ドラマでは長く関わっていたように思います。
印象に残るドラマでした。
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息子や夫の言動にイラッっとした場面もあったけど、面白かった。
長崎まで行ってもっととんでもないことに巻き込まれたら、って想像しながら読んだ。
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46歳の主婦朋美が、夫と息子たちの言動に腹を立て、突然プチ家出をする物語。朋美の夫がどこまでも身勝手で最低。そりゃ家出したくなるよなー。思いの外落ち着いた結末だったけど、朋美の家出で家族のバランスが崩れ、夫があたふたとしている様子が小気味よかった。
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ハズレがないなー。
人物の描き方が鮮やかで、共感し易く、だから物語に引き込まれる。その物語の脱日常感やハラハラするようなアクシデントも展開が気になって楽しい。事件はよくある夫婦喧嘩から始まる妻の家出ストーリー。
夫婦関係や、相手への思い遣りを考えさせられる一冊。誰にも思い当たる事があるのではないでしょうか。
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些細なこと(=が積もり積もって)で主人公 朋美は自家用車ごと家出する。
夫と大学生の長男、高1の次男を残して。
東京を発って長崎まで。
さまざまな体験をする朋美と朋美の家出に奔走される夫。よくあるドタバタファミリー物だ!
最後は朋美が自ら荒野に立ち向かうことを決意するまでのお話。
2017.12.03読了
サクサクっと1日で読み切れるかるーいタッチのお母さん家出物語。
昨日高橋克彦作 火怨を読了したばかりの私。特に気持ちを揺さぶられることもなくただただ読了することを目的に読んでいたためか?!上下巻1週間ほどかかってしまった。結論、楽しんでなかったんだなー。(笑)
内容の重い軽いはあるものの興味を惹かれる題材や読者を楽しませる作者の技量というのは、結局こういう所に表れてしまうのかな。と思う
私は桐野夏生作品が好きだ!ドロドロデロデロしてて暗い。毒がある!そんな桐野作品にグイグイ取り込まれてしまう。
しかしこの作品は、全く明るく毒がなくさっぱりしている。でもやっぱり楽しめた。
これが桐野夏生の技量なのかな