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家出する46才主婦ということ。真面目に働いている会社員としては、よくこんな小説で女性の共感を得たつもりになるな、と腹立たしいというのが本音。
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私が最も好きな作家。
桐野さんは、こういう平凡な家族も書かれるんだなーと思ったり。
もちろん、いろいろある家族(夫婦)なんだけど、その夫婦関係を表す珠玉の言葉がいっぱいあったなーと何度か立ち止まった。
Twitterとかに書き留めようと思ったけど、通勤電車で夢中で読んでいたから、そのまま次に読み進んでしまったんだよね。
こういう時、たまに何ページに何が書かれていたか覚えている人がいるらしいけど、まじ神業だと思う。
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一見平凡で救いようのない家族。よくなる見込みの全くない夫との生活から一歩離れたからこそ見えた希望。自分の家庭生活がほとほとうんざりしたら読み返してみようかな。
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ダメ夫&ダメ息子にキレて主人公が家出をするところまでは痛快と楽しんでいたが、終わり方はやっぱりそうなるか。。それって。。と、もやっとしたまま。
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「たま萌え」もそうだったけど、桐野さんが書く、こうした中年女性と家族の話は、リアルで、痛くて、痛快で、面白い!いろいろありながら、女は成長を続け、そしてますます強くなるのです!笑
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46歳の誕生日に身勝手な夫、息子2人を置いて、家を出て車であてのない旅に出る主婦の物語。どこにでもありそうな、家族への不満、普段は話さない本音があとあとわかってきて、スリルもありおもしろかったです。
怖いストーリーのイメージがある作者でしたが、この話はホラーやサスペンス的な要素はなく、安心して読み進められました。
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登場人物全員が「いやな人」。
主人公は、自分の作った食事を息子たちが食べないとなったら即座に手料理をあきらめ、お弁当にさつま揚げだけをつっこむようなダメ主婦。
夫はプライドばかり高くて自分のことしか考えない。
長男は女によって服装や態度まで変えるチャラ男。
次男はちょっとつまづいただけで引きこもり、ゲームに浸るネトゲ廃人。
そんな主人公が家庭に嫌気がさして車で家出。
出会う人たちがこれまたイヤな奴らのオンパレード。
トラック運転手には娼婦と間違われ、親切にしてやった女には生命線である車を持ち逃げされ、やっと拾ってくれた車を運転していたのは老人の通帳や車を持ち逃げする詐欺師。
さらには好意でしていた老人の世話を、犯罪行為のようにいいたてる老人の姪。
残された夫をとりまくのも、ひとくせありそうなバーのマダム、慇懃無礼なゴルフ仲間、腹の底では彼を馬鹿にしている部下。口説こうと必死になっているのは夫が単身赴任中というふれこみで入り込んでこようとする一見かわいい、だけど腹黒そうな女。
ここぞとばかりに身の回りの世話を買って出て、嫁の悪口言いたい放題の母親も、気分が乗らないと放り出して帰ってしまう。
よくぞまあこれほどまでに「イヤな人間」ばかり登場させてくるものだと逆に感心してしまう。
だから主人公にすら感情移入できない。
そこに一筋の光のように射しこむのが、まだらボケになった長崎の老人の存在だ。
彼は恐ろしいまでの「荒野」を行くことを運命づけられている。どれほどの老残をさらそうと、彼はその道を進み続ける。
だが彼の峻烈な生き方が、周囲に軋轢を生んでいる。彼が意志を貫こうとすればするほど、周囲の人々は傷つけられていく。彼に理解を示している人さえも。
生きるということは辛く苦しい。
とどまるのも地獄、行くのも地獄。
崇高な理想にさえも煉獄が待っている。
中途半端なオチはその象徴。主人公たちには、いや、登場人物のすべてに、行き場がない。
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46歳の誕生日に、夫と息子たちと訣別の旅にでた主婦・朋美。家族という荒野を生きる孤独と希望を描く長編ロードノベル。
登場人物全員の能天気さが、どうしても嫌悪感しか抱かない。でも、それが桐野夏生さんの持ち味である。家族を荒野に例える巧さ、そして自分の家は沃野であってほしいという希望。反面教師として森村家をずっと見てました。
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リアルー。私の母もこんな事思っていたのだろうか。
1人旅にでて色んな場面に直面していく。どこもかしこも荒野。人生楽じゃない。想像してるよりロマンなんてない。
それでも荒野で生きていく。
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桐野夏生が好きで
夢中になった!その中で唯一よろしくないというか
自分は好きではない
たぶん新聞小説連載だったと思う
からこそ
桐野夏生の、あのえぐいほどのところをたぶん書けないと思う。
まあ、こんなのも書くのだという程度には。いやそれでも受け入れられない。
無茶だなあ。
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46歳主婦が、自分の誕生日に家族に嫌気がさして、突発的に家出をする。思い立って車で東京から長崎まで!裏切りや出会いがあり、単調な毎日と違う日々。結局は、人間は簡単には変われないけれど、冷め切っていた家族関係はいい方向に向かったんではないか。歯切れよくストレートでとにかく面白い。男の駄目っぷり。読後感も良い。450ページもあっと言う間に読めた。
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夫や息子にないがしろにされた中年女が突発的に家出して車で(東京から長崎へ)一人旅に出る、っていう話。
途中被DV女と知り合って「テルマ&ルイーズ」的な展開になるのかと思いきや、そういう初期作みたいな破天荒な方向へは突っ走らず、最後の最後は何だか気の抜けたようなトホホなオチ(帰宅)に。
旦那息子をはじめ、登場人物の8割がたが中途半端なクズっぷりを披露。ママ恋しくて長崎までやってくる次男が特に情けなかった (T_T)
長崎の思想的なボケ老人はスゴかったな(゚д゚)!。「極端な正義は悪魔と見分けがつかない」とか何とか偉い先生が言ってたような気がするけど、まさにそれを体現した感じの御仁。てっきりその後、主人公が彼に感化されて危ない方向へ堕ちていく展開になるのかと思ったんだけどなあ......少なくとも初期の桐野先生だったらたぶんそうしていたんじゃないかと......(´ε`;)ウーン…
まあ、平成版「くれない族の反乱」っていうかオバハン版「スタンド・バイ・ミー」っていうか、ほんの一時の気の迷いで短い家出をしたら(本人含め)みんなの気持ちがちょっと変わったんで、それだけでもうじゅうぶん満足、元の鞘に収まってめでたしめでたしという、現実的なオチ。小説としてはかなり物足りない感じだったけど。
2023/12/18
#4757
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この題名は、非常にカッチョええと思うのですが、若干「なんじゃこら?」と思う個所もある。謎の「だから」始まりと、謎の体言止め「荒野」終わり。「だから荒野」って、どーゆーことよ?
「(~は、~である。)だから荒野(とは~)」だったら、分かる気はする。
「かくかくしかじかの理由があった。)だから荒野(でホニャララした。)」だったら、分かる気はする。
でも、問答無用の「だから荒野」だからって何?なんでいきなり「だから」ってなるの?謎です。謎なのです。
で、読み終わったら、そのタイトルの意味せんとす、意図せんとすところ、わかるんかな?と思って読んだのですが、すみません。わかりませんでした。でも、好きな題名です。まあ、つまるところ、体言止めの表現、好きなんですよね。
それにしても、桐野夏生は、抜群に「その時、まさに自分が生きている『「今、そのもの』を小説にする人」だと思うんですが、この小説は、もともとは、毎日新聞朝刊での、連載小説だったみたいです。2012年1月~9月の間に書かれた、とのこと。うむむ、2020年2月現在からすると、ちょうど8年前、か。これが、8年前の、日本のなかのとある一般家庭での、まさにリアルだったのだろうなあ、と思う次第です。まごうかたなき、リアルだったんだろうなあ。
すごく近しい感じを受けたのは、黒沢 清監督の2008年の映画「トウキョウソナタ」でしょうか。あの映画にも、2008年当時の、日本の、とある一般家庭の、なんらかの凄いリアルが描かれていたと思うのですが、でも、2008年と2012年では、4年の差があるよなあ。でも、空気感としては、とてもこの両者は、近いような気がしました。
そして今現在。2020年の、日本の、とある一般家庭では、どのような現象が起きているのだろうか、、、今の時代、今この瞬間を、自分は間違いなく生きている。そして家族は、社会は、世の中は、どうなっていっているのか?ふむう。興味深い。興味深いなあ。
あと、登場人物が、スマホを使っている。メールでやりとりする。という風景が、この小説内にあるのですが、2020年現在と決定的に違うのは、LINEが登場しないこと、でしょうかね?おそらく、日本の今まさに現代、を小説で書こうとした場合、コミュニケーションツールとしてのLINEが登場することは、間違いないと思うんです。
そういう意味では、この2012年の小説に、LINEが登場しないことは、「ああ、この時代には、まだLINEは、なかったのか、、、」と、妙な感慨にふけってしまいました。そういう意味では、LINEの登場って、途轍もなく凄かったんだなあ、とかね、思ったりしましたね。LINEの次は、どのような、エポックメイキングなコミュニケーションツールが、登場するのだろうなあ。
小説として面白かったか?と言いますと、すみません。実は、そんなに、面白いとは、思えませんでした、、、桐野さん、ゴメンナサイ。「OUT」や「グロテスク」のような、問答無用のすさまじい面白さは、感じられませんでした。ゴメンナサイ。
個人的には、主要登場人物よりも、脇役キャラに、強い印象を感じました。
滝田
「宮送運輸」のドライバ���ですね。世話焼きの良い人なのか、ただ日々を生き、ただ素直にスケベなだけの男なのか。なんともこう、言い難い。ほんの一瞬で、この小説の舞台からサッと姿を消しましたよね。だがきっと、彼は今日も、大型トラックで、主に深夜の高速道路を走っている、ハズだ。たまに女性にスタバのコーヒーを差し入れして、たまに金で女性を買って。そう、今まさに、今夜も、そうしている筈だ。そして、このような人々が、日本経済を支えているのだろうなあ。そんな、何故か、強い印象があります。
桜田百音
彼女は、一体なぜ、朋美の車を、盗んだのか?これは本当に、分からないのです。最初の登場の状況からして、ホンマに「ダンナと喧嘩して、車からほっぽりだされて、なんも持ってない」かはどうかは不明にせよ。でも、のっぴきならぬ困った状況であったことは間違いない。
で、それを助けた朋美は、ホンマに有り難い存在であったことは、間違いない。間違いないはずなのに。
何故に車を盗んだのか?何故に朋美を置きざりにしたのか?
後に、ホームレスに車をポンと譲ってやったことからも、車を盗む目的ではなかったはず。朋美が財布類を身に付けていることも、多分?知っていたはず。ならば、何故。
ホンマに実家が下関にあるのならば、とりあえず、朋美に、実家まで乗せていってもらえば、よかったやんか。そっから、ちょっと落ち着いて、ダンナに復讐、とか、色々案を練れば、良かったやんか。
なのになぜ、あそこで、わざわざ、朋美の車を盗む、という行動に出たのか、、、わからん。わからぬのです。
あと、小野寺百合花の自宅に、あの小包送ったのって、百音の仕業ですよね?浩光の革製のポーチと、百合花が書いた自宅の住所メモと、コンドームを、送りつけたの。あれって、百音の仕業よねえ?なんでそんなんしたの?わざわざ?あれって、着払いで送ったの?それとも元払いで送ったの?なんとなく、なんとなく、着払いで送ってる、気がするんです。敢えて。敢えて。
桜田百音。彼女が、いっちゃん怖いな。ってね、思いましたね。
亀田
これまた、結局何者だったのか?という、非常に不気味なんだけど、なんだか良い人?いやでも山岡老人の、金、盗ってるし、、、という、なんともこう、不思議なキャラ。山岡老人をサポートしていたのは、ホンマなのだろうが、何故にこう、あっさりと、ドロンしたのか?どんな思いが、その胸の内にあったのか?うーむ、、、謎だ。謎なのだ。
山岡老人
長崎の原爆で、一人生き残った事。それを、罪と感じて生きること。生き続けること。語り伝えることをこそ、その生きる意味とすること。「荒野に生きる」ことを、実践すること。うむむ、、、なんだか辛い。深い。この人の存在が、なんというか、すげえな、って思いましたね。
それにしても、日常というものは、なんとも容易く崩壊し(崩壊寸前まで行き)、そしてなんともあっけなく、元通りになる(なるように見える)ものなのだなあ、と思った次第です。うむ。不思議な小説でした。
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家族の再生の話といえば、話。
ただ、ずっと同じようなことを繰り返すので、最後は少しイライラするかも。
逆に、この繰り返しが日常と言われると、ある意味リアルではある。
目線は最初は主婦側から入るので、最低な旦那と子供だなって思うけれど、読んでいると、全員が同じだとわかる。
誰かが悪いわけではない。
それにしても、こんなに裏切られることがあるのかなーってぐらい裏切られることの連続。
特に、主婦側の車を盗まれる部分と、老人が青年にお金を騙し取られるところは、なかなかのうっかり具合としか言えない。
なので、終わり方もすっきりはしないけど、そんなものなのかもしれない。
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スラスラ読めた。主人公の開き直りのような強さが頼もしい。
やっぱり、居場所と貢献してるって実感が人間には必要なんだろうな。あと、感謝する気持ち。
毎日落ち着かず仕事もしんどいけど私はどうしたらいいんだろうなぁ。