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「しんせかい」
まあまあ面白く読めはしたのだが
その面白さのほとんどは先生(倉本聰)の事業
およびパーソナリティに依存したものである
これで芥川賞はズルイ
正直、この題材なら他にもっと書くことあるだろうと思うし
そもそも小説である必要性すら薄い気がする
自由な発言が難しくなった今の時代に
他人への興味が薄い自分、という設定で書かれた私小説という
ひとつのこころみと捉えることはできるかもしれないが
それにしても、なあ
「率直に言って…」
試験を受けに来た街で
自殺願望のホームレスに出会う話
なんだかわからないが
若くして生きるのに疲れていたらしい
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面白いか面白くないかと言われれば、つまらないんだけど、なぜか読み進めてしまう不思議な小説。主人公の心情が全くと言っていいほど描かれず、読んでいてこいつは人として大丈夫なのか、と心配になるような不思議な不安感に襲われる。それを、どこか突き放すようでいて愛のある様子で見守る天との文通の雰囲気がいい。その彼女が最後、結婚したと報告するハガキが来る場面、まったく主人公の心情が描かれないのになにかストンっと落ちるような、そんな気分になった。
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文藝春秋で選評も読み終えてから読んだ
青春小説なんだと思うのだけど、
全体的にあっさりしているのは
主人公のスミトの性格からなのか
出来事としても、気持ちの表現にしても
なんとなく物足りない感じだった
やっぱり純文学?ってわからないな
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基本的にはゴシップ誌読む感覚で楽しみました。
倉本聰ってこんな人なんや、とか、富良野塾すげーな…とか。
確かにあったはずの「青春」が、時を経て持つ空白感?みたいなものが小説全体に満ち溢れていて、当時の現場にあっただろう熱気との距離感を作り出しています。
場末のスナックで隣になった見ず知らずのおじさんが何気なく話しだした思い出話のような質感を感じました(いい意味です)。
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富良野塾2期生の様子を描いており、内部告発的な内容なのかなと下世話な興味を持って読み進めていたらそうではなかった。面白かったが『北の国から』をほとんど見たことがないため、見ていたらもっと面白かったのかなと思った。
主人公が親しい女の子とセックスをしていないことをずっと気にしていて、童貞らしくてよかった。時折、幽体離脱的な表現やスピリチュアルな体験があるのに、それほど驚いた様子も無く日常の一部のように淡々と受け入れているのが面白かった。
演技の教室の様子がもうちょっと読みたかった。極限状態のピンチの時に隣の農場のおじいさんの声が聞き取れないのがとても面白かった。
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今年の芥川賞受賞作。劇団を舞台にした話で、同じく俳優や脚本家を目指す人たちにとっての劇団での生活の心情、人間模様は作中のような感じだったろうと、富良野塾の裏側も垣間見えたような感じもしてくる。富良野塾の先入観が出てしまったからなのだろうか、富良野塾のイメージとはなんか違うものも感じられ、ドラマチックさが前面に押し出され、しんせかいが開けてくるような展開は薄かったのかなと感じる。先生と谷との間で動く主人公の心と互いの距離感、どこかふわっとした印象で芥川賞作品にしては淡々と読めてしまった印象である。
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しんせかいをよみました。しんせかいは第156回芥川賞受賞作品です。
主人公の「スミト」が著名な演出家のもとに弟子入りし、山奥の「谷」で共同生活を送るという内容です。この話は、作者である山下澄人さんが、青春時代を過ごした倉本聰率いる富良野塾での日々がモチーフになっています。富良野塾では俳優や脚本家を目指す若者が共同生活をおくりながら、地元の農家から依頼される作業の対価を生活費とし、暮らしています。そのような境遇においた若者のお話ということで、当然若者の青春群像劇が展開されるものと考えて読み初めましたがすこし景色が異なるようでした。
「スミト」には地元に残してきた恋人未満の女友達、「谷」で仲良くなった女性などがでてきますが、青春小説にありがちな男女の思いの交差はありません。また、「谷」での仲間たちとの会話も多くは空虚な交換が行われているにすぎません。彼のコミュニケーションに難があるのか、それともフィクションの中に主人公が存在しているのか私の中の疑問が芽生えながら話は終盤になり、スミトは読者に対して最後に思いも寄らない言葉を投げかけ物語りは終わります。スミトがここまで重ねてきた言葉はなんであったのかと考えさせられる物語です。
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普通に読めたが、何らかの賞が付くほどには私は感動しなかった。
一番感動したのは最後の数行。
あと受賞作よりも、その次の長いタイトルの方が面白かった。
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「カヌーの人の方がよっぽど時間も労力もかかっていたのだけど、色紙の方を何倍も喜んで、気持ちはわかる、」
独特すぎる。文体、構成。
内容は俳優養成所の話。
前半と後半の構成の分け方、2年目の説明の無さ。
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最後の二文。この終わりはないだろう、と思った。
たぶん、設定も登場人物もそれなりに含蓄があり、それぞれの世界を持っていたのだろうけれど、主人公があまりに無関心に無知で日々を過ごしているため、その繊細さに、読んでて何も気付けなかなかった。話を膨らませるところは膨らませて書けばいいのに。
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文藝春秋で読んだ."北海道の【谷】で少数の仲間たちと生活しながら,【先生】に演劇と脚本の指導を受ける"(堀江敏幸評)話だが,これが芥川賞?という感じだ.1期生と2期生が居るので名前がずらりと出てくる.それに先生の家族と常勤のスタッフ.スミトの感情が表に出ず,女友達の天との会話,手紙に少し現れるだけだ.村上龍は「つまらない」,高樹のぶ子は「あっさり感にも困った」,宮本輝は「ドングリの背比べ,語彙不足か?」,島田雅彦は「なぜこれが受賞作になるのか,よくわからなかった」,川上弘美は「なんだかいいんですが,うまく説明できないです」と散々なコメントがあった.該当作なしで良かったのでは,思った.
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芥川賞受賞で、予約したのを忘れてたほど、知らないまんま読んだ。
すぐ富良野塾だと気づいて俄かに期待したものの、淡々としてて盛り上がりもない。
とにかく読んだ。認めたくないが、多少我慢しながら読んだかもしれない。
そうして最後、せっかく読んだというのにおーい!っていうのに出くわした。
普段、ドキドキハラハラばかり好むから、好みではないが、良い作品なんだろう。
悲しいことに、わたしにはわかりにくすぎました。
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俳優を志す主人公の若々しい感性があふれる作品だ。短文の連続と、息の短い間合いの文章が続くのが特徴だ。おそらく演劇人独特の間合いなのだと思う。
描かれている富良野塾での生活は弟子と師匠の関係が印象的だ。もはやこのような教育の場は少なくなった。理不尽だが、一挙手一投足に注目する弟子の姿はなぜか懐かしい思い出を引き起こす。
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第156回芥川賞受賞作品の山下澄人氏「しんせかい」読了。
淡々としているがゆえに、山もなければ谷もない、青春小説と呼ぶには無機質で不可思議な小説が出来上がった感はあれど、最後の2行で一気に引き込まれる。ただ、読む人によっては一気に否となりそう。
もう一作品、掲載されている短編がありますが、掲載順が反対だともう少し「しんせかい」のイメージがつかみやすかったかも。
まあ、芥川賞らしい作品でした。
『ゴロウ・デラックス』
#239:2017年2月23日放送分
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つまらない。飛ばし読みしてなんとか読了。絶望的に展開に興味が持てない。たまに、これが芥川賞かというつまらない作品かある。この作品がまさにそれである。