電子書籍
修道士
2023/10/07 21:43
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヨーロッパに禁欲生活を送る修道士というのがいるということくらいしか事前知識がなかったが、その修道士の領主としての側面、写本などの活動などなど様々知ることができて興味深かった。
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中世初期、アイルランドの聖コルンバヌスによって、自らの心の内に罪を自覚し、意識的にえぐり出す思想が誕生する。この「贖罪」思想は社会に大きな影響を与え、修道院の生活を厳しく規定していく。その絶え間ない祈りと労働からは、華麗な写本も生み出された。本書は、ベネディクト戒律からカロリング・ルネサンスを経てシトー派の誕生に至るまで、修道制、修道院と王侯貴族との関係、経済、芸術等から読み解く通史である。
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本書の題名を見たときには今現在のヨーロッパの混乱の原因をヨーロッパ自身の罪の意識に求める贖罪思想に関連する本だと勘違いしたのだが、その贖罪思想の源流を辿れる事が結果的に出来た。原罪から派生した贖罪意識は人類共通の感情だが、キリスト教で抽象化された事で人類全体に波及し再帰的に積み上げられた人工的な概念でもあるのでは無いか?
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前著「禁欲のヨーロッパ」では6世紀頃までを扱っていたが、本書は5世紀から12世紀頃までの修道院の推移。
修道院についてはまったく知らないことばかりで、本書の内容は濃すぎて正直ついていけていない。
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5世紀から12世紀,ベネディクト戒律〜カロリング・ルネサンス〜シトー派の誕生についての社会史を扱う。世界史では目立ちにくい領域を拾い上げてくれる。
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五世紀ころ聖ベネディクトが定めたベネディクト戒律は修道院における生活を厳しく律した。
罪を告白する習慣は六世紀アイルランドの聖コルンバヌスに由来する。フランク王国においてコルンバヌス修道世が広まった。貴族は魂の救済を求め教会に土地を寄進した。地上の喜捨が天国の宝になるというアウグスティヌスの論理に基づく。
弛緩していたガリア教会に比べ厳しい戒律を持っていた。シャルルマーニュの子ルイ敬虔帝は公開の贖罪儀式を行った。これは政治的紛争の解決の手段であった。
修道院は多くの土地を所有し農奴による生産が行われた。中世農奴制にとって修道院は重要な存在である。
分割後のフランク王国は、9世紀頃、ムスリム、バイキング、マジャール人らの侵略を受けた。修道院へ相当の打撃となった。
10世紀からクリュニー修道院が再興の篝火を掲げた。修道院の系列化が図られた。ローマ教皇権力が守護者となった。