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赤松小三郎ともう一つの明治維新 テロに葬られた立憲主義の夢 みんなのレビュー

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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.9

評価内訳

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紙の本

明治建国神話、明治維新の「近代化神話としての現代性」を浮き彫りにする赤松小三郎の復権。

2016/12/31 23:54

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:猿面次郎冠者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

長州及び薩摩の武力倒幕過激派武士の刀によるテロリズムから英国製の銃砲による内戦によって長薩専制権力を実現することになった、政治理念抜きの覇権クーデターが明治維新であること、これは原田伊織氏のよく知られた一連の著作をはじめとする「司馬史観」批判によって定着したかに思えます。
 原田氏等はテロリズムを先行させた武力クーデターという「闇の暴露」というフォーマットで一貫しているわけですが、本書はまったく異なるアプローチによって歴史の迫真性と本来の生命力を提起するものとなっています。

 闇の解明という点については本書の目はさらに深く広く、内戦による武器市場の創出という思惑を含む「自由市場化」を目論むイギリスの存在が明治維新の決定的なトリガーになっていることを、西郷隆盛の公議政体論から武力倒幕論への転向に注目して明らかにし、すべてをあくまで国内問題として見る「国史」史観の制約を軽々と乗り越えています。

 じつは驚くべきことに、当時において公議政体論すなわち近代民主主義政治機構への平和的な移行論がじつは主流であったと思われるとのことです。
 しかし、もっとも先進的な公議政体論の提唱者であり、薩摩藩内において島津久光や薩摩藩家老小松帯刀までを含んで大きな思想的影響力を持っていた赤松小三郎を、西郷の手のものである人斬り半次郎(のちの陸軍少将桐野利秋)の刀によるテロで葬ることを契機にして、強引な方向転換がおこなわれたわけです。本書はこの事情を明確に追跡しています。

 またあわせて、明治維新クーデターと一体となって設立された東京招魂社、すなわち靖国神社が、幕末長州ルーツの異形の新興宗教に起源を持ち、それが国家神道と化してゆくことが明治建国神話の成立そのものであることが印象深く述べられています。

 本書は、人びとに光を届けようとした赤松小三郎を強引に歴史から抹殺することによって明治建国神話が近代化神話として成り立ったことを明らかにし、これによって闇の暴露ではなく光の発見としての明治維新論となっています。

 思いますに、独裁的非民主的政権を打倒するという民主革命の「カラー」をまとった現代の政変クーデター及び内戦と明治維新は皮肉にも酷似しています。この近代的民主化という「錦の御旗」の虚妄性を、赤松小三郎の真に先進的な民主主義政体論(憲法構想)の復活が白日のもとにあきらかにすることを本書は立証しています。

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紙の本

目から鱗

2018/03/26 20:12

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書の目的は、明治維新→大日本帝国憲法制定を日本の立憲主義の原点とする見方を「長州史観」として断罪し、赤松小三郎という優れた兵法学者で政治思想家にスポットを当てることで、幕末期に既に現行の日本国憲法の理念と比べて遜色のない内容の憲法草案「御改正口上書」が存在したことを示し、明治政府(長州レジーム)による大日本帝国憲法が幕末期の憲法草案に比べて、いかに内容的に後退した、専制体制と軍の暴走を可能にするとんでもないものであったかを明らかにし、現在安倍政権が改憲の根拠としている押しつけ憲法論議が長州レジームを踏襲するもので、それがいかに危ういものであるかを批判することにあります。
関良基氏は、政治的な目的を遂げるためには手段を選ばず、人の命を犠牲にすることもなんとも思わないという思想の起源の一つとして吉田松陰と松下村塾を挙げており、玉砕しても良いと精神論で戦争したがるのが松蔭主義者の特質であると喝破しています(p179)。あとがきでも吉田松陰を尊敬する安倍晋三首相の危うさを再三指摘し、だからこそ今「明治維新」を見直し、長州レジームから脱却することが現在日本の喫緊の課題だと訴えておられます。

ここまでくっきりと歴史と現代が繋がっていることが記された歴史関係の本は珍しいのではないでしょうか。非常に興味深く、目から鱗が落ちる体験をしながら読ませていただきました。

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2017/02/13 00:24

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2017/09/17 15:59

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2017/12/15 21:04

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2018/07/10 22:46

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