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そんなに酷いかなぁ。
私は、徳永や神谷が語ったことが又吉さんが言いたかったことの代弁だとするなら、又吉さんなりの全ての芸人に対する愛ある賛歌、と、芸人という職業へのリスペクトと捉えましたけど。
お笑い芸人の彼だからこそ、売れない芸人の心理にここまで肉迫できたんだと思うし、台詞も生き生きしてて魅力的だと思ったけど。
確かに、技巧的であろうと背伸びしたと思われる文体に多少鼻白むことはありましたけど、(特に始めの数ページ。読んでてちょっと恥ずかしくなった。)割と伝えたいメッセージは明確だし、楽しく読んだのだが。
神谷の「絶対に全員必要やってん」に救われる人だって沢山居ると思うのだが。(現に私は救われた。)
神谷は確かに、むき出しで不器用で、変わり者だけど、ダメ人間代表ではないと思う。私は純粋で人間らしい人間と思ったけどなぁ。
理解出来ないからと言って端から社会の不要因子ととらえるのは、今の世間の悪い癖。そんなんだから、新しい文学の試みの入る余地もないのかな。
まあ、彼が著名人故、メディアが大きな看板掲げすぎちゃったところもあるけどね。
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10台の後半か、20代の前半か。
人によって違うかもしれないが、
ある時期、世界が開かれた感じになる時がある(と思う)。
物によるのか、環境によるのか、人によるのか、場所によるのか、人それぞれだろう。
漫才で成功しようとする徳永は、先輩漫才師の神谷さんによって、
なにかしら、開かれたものを感じたのだろうと思う。
神谷さんの行動、言葉のひとつひとつに憧れ、「自分もそうなりたい」
と思ったり、「自分にはできない」とへこんだり。
毎日毎日、頻繁に顔を合わせて、話をして...
羨ましいような、懐かしいような気分で読むことができた。
でも、それくらい傾倒して、憧れて、大好きになって...という日々を
永遠に続けるわけにはいかない。
「こんなもん僕だって、いつでも捨てられるんですよ」
「捨てられることだけを誇らんといて下さい」
あんなに大きかった、あんなに憧れた神谷さんの、
寂しい姿を目の前にして、それでも、まだ続いていくといって、
憧れた時の気持ちを忘れない徳永はピュアだと思う。
私なら、無理だ。ほとんどの人がそうだろう。
別々に進んでいく時が来る。
こういう二人のつながりに似たことを、多くの人は経験しているのではないか?時代や職業は違っても、多くの人の気持ちにひっかかる経験なのだろう。
小説や映画にもさまざまな形で描かれている。
読み終わった時、私はヘッセの「デミアン」を思い出したりしました。
文庫に収録された「芥川龍之介への手紙」。
小学校の先生の「電気を消せる」というエピソードの中で、「俺はこれで行くのか?」というところ、久しぶりに声を出して笑ってしまいました。
この人、おもしろいなぁ。
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何しろ配信されているドラマを先に観て号泣していたので、果たして原作ってどんなん?ドラマと原作どう違うー?という視点で読んでいました。
文庫を手にとった時は、ドラマのボリュームと本のボリューム合わん!!と思ったけど、ドラマには原作に書いてないことはほとんどなかったんじゃなかろうか。
原作でさらりと描かれているエピソードが、ドラマではじっくり場面が作られていて そーゆー厚みからの情みたいなもので わたしはドラマで号泣したんだな きっと。
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先入観がどうしてもある中で読み始め、最初はなかなか乗れず。すぐボケ始める会話がなんだか面白く、この2人が徐々に好きになり。
終盤直前の盛り上がりで涙した後、ラストの展開に唖然。え、終わった。と思ってがっかりしたけど、ラストの10頁ほどを何度か読み返す内、涙が溢れてきた。
馬鹿だな。でも幸せになって欲しいな。
思ってたよりもずっと、優しい話だった。
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又吉の話題作。200人くらい図書館で順番待ちをして借りた作品。テンポも思った以上に良く、芸人同士の葛藤ややりとりもあり、一気に読めた。
誰にも言えない又吉としての言葉、があり、「舞台にたって考えたことが受けたときの喜び、だめだったときの絶望」にとりつかれた彼の言葉は、そこから遠い距離にいる自分にとって思った以上に届いてしまい、思わず最後は泣いてしまった。ただ文体としては必要以上に固く、もう少しライトにした内容でも全然良いと思うし、そういったものを読みたい
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こんなに辛くなるなら、読むんじゃなかった。
神様だった神谷さんが神様でなくなった。
ほんとになにしてんねん・・・。
とてもつらい。
絶望だ。
辛すぎて泣ける。
けど、神谷さんは多分なんとかなりそう。
そう願います。
実在の人物じゃないけど、ほんとに幸せになってほしいです。
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又吉先生の芥川賞受賞作品
純文学という類にカテゴライズされるらしいけど、そんなの知らないのでただ普通に読んでみたつもり。
話題図書はそれなりに読む価値があると思っている。
神谷の人生哲学が生涯芸人であり、主人公と先輩の神谷の約10年を書いた物語。
20代の、人生とは?を妙に考え出して奔走するあたりが少しでも自分ないし同世代にも共通するものがあって、儚く何とも表現しにくい寂しさがあった。
141ページの焦りと葛藤を表した文章がぐっとくる。
コンビ解散のラスト漫才がぐっとくる。
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2017.2.26
又吉の芥川賞という肩書きがあったので、随分遅くなったけど話題作が文庫本になったということで購入。
一生懸命生きているのは分かるけれど、私には理解し難い徳永と神谷。自分にまっすぐなんだろうけど、傍目から、こういう人近くにいたら面倒だなと思ってしまった。
好みの本ではない。けれど気になってしまうのでドラマも見る予定。
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ハードルが上がったり下がったり、ものすごくバイアスかかりそうで怖かったけど(又吉好きだからがっかりしたくなくて)、意外と平坦な心持ちで読めました。
表現がややこしいとこ多いしこのノリに馴染むまでちょっと読みにくかったけど、込められた熱々の想いにやられました。濃すぎてもうちょい薄めて欲しいくらい。まさに彼にしか書けない小説なんだろうな。すごく好きです。
芥川龍之介への手紙もよかった。
次回作が楽しみ!
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私には向いてへんかった。
会話のレベルが高すぎてついていけない感じがした。
構えていたからか、意外と読みやすかった。
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しっかりした文章を書いているし、ストーリーも十分説得力あるものだった。しかしなぜこれが芥川賞なのかは分からない。まだ直木賞の方が納得がいく。
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エネルギーがある。でもエネルギーは鬱々として、行き場がなく、爆発することなく、漂う。一歩進んではどん詰まりの袋小路。さがっては進み、さがっては進み、それでもどこへもたどり着かない。あと一歩で爆発しそうな予感と、でもやはりどこへも行けない不毛感の均衡が、この小説を形作っているように思う。それは多分、生きるということにかなり近いのではないか。
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又吉直樹さんの「火花」読了。華やかな花火大会の舞台で売れない芸人「徳永」が「神谷」と出会う。性格の異なる二人を中心に芸人の日常が描かれる。芥川賞で話題になった作品でもあります。予想とは裏腹にじっくり考えてしまうような内容。個人的には、もう少し違ったラストでも良かったなと思ってしまいます。それでも、笑えたり、じーんと来たり、なかなか良かったです。また違った作品も読んでみたいな。
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著者が本好きの人だと知ってるからかもしれないけど、本が好きで、たくさんの本を読んだ人が書いた小説だなぁとしみじみ思った。
人気のお笑い芸人が書いた本、ではあるんだけど、丁寧に、大切に文章を紡いでいる感じがして、読み応えがあった。
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なんでしょう。不思議な世界観に違和感を感じながらも、最後はすっきり終わっていて。
言葉で一言で「これが魅力」とは言いづらいけど、でも人の真髄、社会の真髄も本能的に感じることができて。
なんて心地の良い違和感なんだろう。