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主人公は私と同い年の男性、プチブルジョアで、不動産を管理しながら本を読んで暮らす50歳。同い年の親友が資産を管理し、姉は写真家で海外に暮らす自由人。仲が良い。主人公の世界は狭い。別れた妻、娘、店子であるシニアの2人暮らしの女性。従業員に代わり、愛人とそこに生まれた赤ん坊の暮らしの面倒を見たり。淡々と、代々の人間関係の付き合いを律儀にこなしながら、自由な時間は常に、本の世界に入り込む。平凡にして、波乱万丈。日々の暮らしながら、その背景にいろいろな非日常な出来事が起きる。Its 江國ワールド、でした。
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大きな事件もできごともなく(とはいえ、読み終わってみるとそれぞれに人生は大きく動いたりもしているのだけれど)、登場人物それぞれの生活が穏やかに、みずみずしく描かれていくのが、とても江國香織さんらしくて心地よい。
結局なにがあったの?ときかれると困ってしまうのだけれど、ひとつひとつのエピソードがささやかでありながら息づいていて、彼らと寄り添える時間に茫漠としたゆるやかさがあって、タイトル通りだと実感してしまう。
主人公が読んでいる本のストーリーが随所で描かれていくため、一緒にそちらも読んでしまい、結末が気になって仕方ない。
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何人か登場人物がいて、皆普通の人なのに少しずつずれている。そのすれ違いが生活だなあと思えて、時折挿入される小説(登場人物が読んでいる)との非日常と対照的だった。
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登場人物の多さと場面展開が半端ないので頭使う。
メモ書きしながら読んだ。
テレビばかり見ている藤田くんみたいな人がウチにもいるので可笑しかった。
子供なのにおとなみたいな波十が、いちばん冷静な感じがした。
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主人公の男は本が大好きだ。
たぶん私も、主人公と同じくらい本を読むことを愛している。
物語の世界に入りこ込んでいるときに、急に現実に引き戻された時の
あの『ここはどこ?』みたいな感じ、
周りで起きている出来事も本の中の出来事も
同じように大切に感じる気持ち、
とてもよくわかる。
だけど、そのことで主人公の元妻は
深く傷ついてしまうのだ。
自分を置いて、物語の世界へ入り込んでしまう夫に、
隣にいても同じ時間を過ごせない淋しさに。
本を読むことは、誰にも迷惑をかけず、
一人で楽しめることだと思っていたのに。。。
なんだか今私は、過去の出来事をあれこれ思い出しては
あの時もあの時も、もしかしたら
本を盾に誰かを拒絶してはいなかっただろうかと
不安になっている。
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複数のモノログの間に、読んでいる小説が挟み込まれ、それぞれの状況が進んでいく。稔と雀の生活は理想的だが傲慢。藤田や藤村は、即物的で高圧的、つまり普通の男の典型。淳子のショックは身につまされる。
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江國さんの小説を久々に読みました。あぁ、そうだった、江國さん、こんな感じだった。
稔と雀の姉弟を取り巻くたくさんの登場人物、稔が読む小説、、、、頭が混乱しましたが、徐々に慣れてきて、稔が読む小説の方が気になったりして。
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本編の主人公と、彼が読んでいる本の内容が自然に往き来してしまうため、初めの頃は何が何だかよく分からなかった。
読み進めていくうちに、どうやら主人公の行動と、本の中の行動が続けて書かれていることに気づく。
そして、全体の物語の中に入っていくことができるようになりました。
さらに物語は淡々と続いて行きます。
本書が終わってからも、そのまま。
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江國さんが描く日常が好きだ。ただ長ったらしく情景を描くのではなく比喩や人の仕草などを描いていて読んでるこちらの想像を膨らまさせてくれる文章がとても好きだ。
夏だからという理由でこの本を手に取った。
色々な家族の形、その中でズレがあったりそれがだんだん膨らんで爆発したり、切ないけれどあるけどそこが良くって面白い。
稔さんのズレてる感じ、どこか自分勝手なところが少しイラっとすることもあったけど笑
現実でもこういうズレや関わりがあるんだと思う。でもそのズレや関わりをめんどくさがらずに面白がることでもっと人生が豊かになるのかなぁ。
個人的に波十ちゃんのこれからが気になるな。雀さんのように自由に羽ばたいてほしい。
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波十ちゃんはかわいい。
大竹は離婚できてよかった。
皆んなそれぞれ何かが欠けていて、何かで満たされていて、何かを求めて寂しさを感じる。
江國さんの本を読んでいると、少し寂しくなるけど、どこか満たされた気になる。
江國さんの本を読めて幸せだ。
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稔は働いていないようだ。富裕層の人達は世の中に対する考え方感じ方が違う。こんな風に日々を過ごしているんだろうか。こんな感じ方、対処の仕方をするんだろうか。稔が読んでいる本の内容に引き込まれた。どちらも結末がよく分からなくて気になる。
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主人公が読んでる本の文章が、文中に入ってくるという、新鮮な内容だった。
この、本の世界から現実に出てくる感じ、現実に戻っても半分本の中の世界に足を突っ込んでる感じ。ものすごくわかる。なるなる、と、思う。
本の中は本の中で激しくいろいろあって、現実は現実で淡々としてる日々のようであれこれあって、そう、人生の一部分ってこんなふうだよなぁ。
特に大きななにか出来事があるわけでもないけど、おもしろかった。
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2018.02.22.読了
これまた久しぶりの江國香織さん。
江國香織節 炸裂ですね。
好きよ。
渚は本ばかり読んでいる稔はそばにいてもいないようにしか感じられなかったが、
くだらないテレビを一日中見ている藤田くんに対しては、
今何を見ているかわかるし、一緒に見ることもできる。
共有していると感じられるから、この方がいいと感じてる。
信じられない。
私は稔と一緒に本を読んでいたい。
渚は本を読まないから、そんなバカなことを感じるのだ。
と、読んでいる最中 腹立たしく思ってしまった。
私の気持ちは波十ならわかってくれるはずだ。
普通を選んだ渚は、後悔しないのだろうか。
大竹と離婚したがったヤミの気持ちはよくわかる。
大竹の行動を、よく耐えられるものだと感心していたが、やはり気持ち悪いと感じていたのだと安心してしまった。
この小説も いつも通り気だるさが漂い、
いつも通りバブルの香りかする。
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久しぶりに読んだ江國氏の作品。珍しく男性が主人公。が、いつものように語り手はコロコロ変わる。
ちょっぴり浮世離れした資産家の男、稔。働かずに本ばかり読んで暮らしている。彼を取り巻く家族や友人たちの日常と、彼が読んでいる本の作中劇が数頁ごとに語り手を変えて綴られる。
ストーリーとしては別段劇的なことが起こる訳でもなく、たんたんと進む。読みながら途中で思い出した。そうだ、そうだった、江國氏の作品はストーリーを楽しむというよりはむしろ、読んでいる間に漂うその雰囲気を楽しめばいいんだった。
稔が読んでいる本の中に出てくる「プランテインの揚げ物」が気になって、途中で検索して調べてみた。そしたら、その直後に作品の中で稔も同じことをやってて笑えた。金持ちの稔はさらにプランテインを取り寄せて揚げ物作りに挑戦していたが(笑)
本好きの人の心理、頁を捲る喜びが分かる作品。
2018/04
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ものすごく久しぶりに江國香織を読んだ気がする。
これといって大きな何かが起こるわけでなく、ただ、淡々と日常が過ぎていく。そんな日々と、対極にある作内小説が交互に語られ現実と虚構が入り混じる。
小説を読んでいる時、急に声をかけられてもすぐには現実に戻ってこれない感じ、よくわかる。
高等遊民のような稔くん、いいねぇ。現実感が薄くて。
でも雀さんの方が好きだ。