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無垢と悪意をどう見分ける?
本当に悪いのは誰?
「死刑になりたくて殺しました。」という犯罪者。死刑廃止論を唱えるために犯罪者に便乗する弁護士。イメージ先行で都合よく人物像を作り上げていくマスコミ。
そんな違和感が作り上げた物語だと思います。
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途中でやめられなくて、明日仕事だというのに3時過ぎまで読んでしまいました。
おもしろかったのだけど、なんと切ない話か。
幸乃に関わった人、みんなが「あの時こうしていれば、手を差し伸べていれば」と後悔してる感じ。
幸乃ちゃん、死にたいなんて思っちゃいけないよ……。散々辛い目にあっただろうけど、でもあなたには信じてくれる人がいるじゃない……と伝えてあげたかった。
そしてまた、この中ではずいぶんいじめが横行してるな! 読んでいてあまり気分のいいものではありませんでした。
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もしかしたら無実では? という死刑囚の話、というとありきたりな感があるのですが、相当惹き込まれて読みました。
その理由は自分ではよくわかっていないのですが……多分「ギャップ」ですかね? 報道されている内容と、田中幸乃本人、あるいは周辺人物からの情報との違い。そして、幸乃本人のパーソナリティと殺人犯という相容れないイメージ。
そのギャップの理由が知りたくて、先のページをどんどんめくっていったのかな、と。
で、物議を醸している結末に関して……結局間に合わなかったことについては仕方ないと納得できるのですが、せめて幸乃が無罪だったことやどのような人物だったのかを、誤解している人全員に知ってもらいたかったです。
幸乃自身はそんなことを望んでいないでしょうけど、いち読者としてはそれくらいの救いが欲しかった、というのが正直な感想です。
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久しぶりに胸が締め付けられる感覚。
一人の女性死刑囚の、死刑を宣告されるまでの人生を、関係する人々が語っていく流れです。
帯には3日寝込むと書いてありましたが、
それは、この本を読んで、救いがないと感じたからなのかなぁ。
私は、主人公の幸乃が最終的に幸せをつかんだように感じて、少し嬉しかったです。
読み手によって感じ方がそれぞれわかれるのも、本のいいところですね。
必要とされたかった幸乃。
必要じゃないと捨てられることが怖かった幸乃。
そう思わせてしまった幸乃の周りの環境。
弱くて、強い幸乃。
しばらく幸乃が忘れられそうにありません。
とてもいい本が読めて、良かったです。
この人のほかの本も読んでみたいと思います。
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死ぬために生きようとする
いくらでも違う道があったのに、結局は望んだ通りになったのだから、それはそれでいいのだろう。無実を解き明かしていくことで、重さが増していきました。
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田中幸乃の人生における登場人物たちとただの通行人の話。
明るくて、屈託のない女の子。
どこでボタンを掛け違えたのか。
ラストで明らかになるあまりにも哀しい真実。
死ぬことを強く望んでいた女のもとに、そのチャンスが舞い降りてくる。
彼女が生まれて初めて、自分の意思で生きようとしたのは、死ぬためだった。
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『無実の罪で死刑執行されるよりも人に見捨てられる方が怖い』
慎ちゃんが信じてくれていても、慎ちゃんに必要とされていても幸乃は死にたかった?どうしても死にたかった?
最後に桜の花びらと一緒に死刑執行されたってことは幸乃も少しは慎ちゃんを信じていたんだよね?無実の罪を証明しようとしてくれて嬉しかったんだよね?
こんな辛すぎる終わりってない・・・悲しすぎる・・・
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重い。
ずっとつらいので気分が落ちる。幼少期の幸せが切ない。
ここまで追い込まなくても、と思ってしまう。
他人に生きてほしいと思うの事も傲慢だ、っていうのはショッキングだけどそうだなと思った。辻村さんの解説で、さらに心に残る小説になった。
でもラスト、それでいいのかよ、と思ってしまうし、いい気分にはならないのは確か。
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ある程度連続で読んでしまわないとダメですね
またやってしまた
読み終わるまでに1ヶ月くらい費やしちゃったからね
最初の状況とか登場人物とか全部忘れちゃうんだな、コレが…
なので、後半読んでて、この人誰だっけ? みたいな…
時系列も行ったり来たりするので更に困惑しました。
最後、よくわからんかったのが、何故、真犯人が分かったのに
死刑が執行になったのかという疑問もあるけど
たぶん自分がぜんぜん分かってない気がする…
ともかく時間がある時に読むのをお勧めします。
チョビチョビ読みはダメ、ぜったいっ!
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思ってたよりもスムーズに読めた。
多視点形式なのも良い点。
なんというか私の語彙力で言い表し難いけれども、面白かった。
面白いんだよ。とにかく。他人から見た他人の人生なんて。
人の一生なんて。こんなもん。
いいように生きれなかったなら、いいように死にたいもんだね。
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幸乃さんが見つめていたもの、目をそらさずに見つめ続けていたものって何だったのだろう。周りがどう関わってきてもどんな事を語りかけても方向を変えることが無かった彼女の生き方。その道以外に辿れる道が無かったのか見えていなかったのか。
幸乃さんが想いを遂げたことが哀しかった。読み返して、関わった人たちの、特に江藤さんと慎ちゃんのこれからを思うと胸が塞ぐ。
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何だか、壮絶な物語だった。
必要とされながら、死に向かいたい、という切ないまでの承認欲求が、こんな形の物語になるとは。衝撃です。
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20170501/「死ぬために生きる」という思いとは。白夜行と八日目の蝉の嫌なところが合わさったよう。じめじめしていて救いがなくて、でも主人公はきっとさいご、救われてるという、奇妙な爽快感。
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必要とされたい。
その気持ちが満たされるためなら何でもする。
友人の身代わりに罪を認めたり、利己的な理由で自分を引き取った祖母に尽くしたり。
我儘で浮気性で金に汚い男であっても甘えてくれることに自分の価値を見出し、別れを選ぶことはなかった。
それでも彼が他の女性と子を作り自分から離れていった時には、もはや自分は誰からも必要とされない存在だと悲観し、自ら死を選ぼうとする。
でも死に切れず、ヒトの手で死にたい、と、
死刑求刑されるような罪を、身代わりに背負ってしまったのだ。
ようやく、この、誰からも必要とされない存在を世の中から消すことができる。
死ぬために、生きてきたのだ。
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幸乃に対して、本当に多くのことを想う。
その透明感に心を打たれる反面、
もどかしさも、苛立ちも感じる。
誰をも傷つけずに生きることなんて、できないのに。
何をしても、人は、自分で傷ついていくものなのに。
まるで、キリストみたい。
そんな風に思った。