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面白いと思う。短すぎて物足りなさが残った。それは期待の裏返しということで。
あらすじ(背表紙より)
徘徊癖をもつ90歳の曾祖母が、故郷熊本で足下を指しヤマグチとつぶやく。ボケてるんだろうか。いや、彼女は目指す場所を知っているはずだ!認知症老人の徘徊をエスコートする奇妙なタクシー会社を立ち上げた恭平と老人たちの、時空を超えたドライブを描く痛快表題作と、熊本震災に翻弄された家族の再生を探る「避難所」など、三編を収める新編集小説集。巻末に養老孟司との特別対談を収録。
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徘徊癖をもつ90歳の曾祖母が、故郷熊本で足下を指しヤマグチとつぶやく。ボケてるんだろうか。いや、彼女は目指す場所を知っているはずだ!認知症老人の徘徊をエスコートする奇妙なタクシー会社を立ち上げた恭平と老人たちの、時空を超えたドライブを描く痛快表題作と、熊本震災に翻弄された家族の再生を探る「避難所」など、三編を収める新編集小説集。巻末に養老孟司との特別対談を収録。
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坂口さんの作品はこの作品初めてです。
私の読解力が無いのか、何処からが現実なのか夢なのか
妄想なのか区別がつかなく分かりにくかったです。
認知症の方を目の前にしたことが無く
ただ知っている情報でしかなく判断が難しいですが
身内の方が認知症になるというのは
やはり心苦しく痛まれない気持ちになると思います。
正気の時があったりボケていることもあったりと
判断は難しいと思います。
けれど恭平が目の前にした曾祖母の行動は恭平がただやみくもに
判断しているのではなく、そこには愛情も入っているので
他の人が思っていることとは違う発想が浮かび
徘徊タクシーが生まれたのかとも思いました。
介護にもこのような変わってアイデアも使われると
介護する人もされる人も少しは心がときほぐれることが
あるのではないかと思わされました。
徘徊タクシーというアイデアはユニークでしたが、
いよいよこれから先が読みたいと思ったら
それが細かく描かれていなくて終わってしまったので
物足りなかったです。
熊本県を舞台にしているので熊本弁や蜜柑畑、
有明海の光景などほのぼのとする部分があったのでこれは良かったです。
徘徊タクシーの他にも蠅、避難所の二作品がありましたが、
こちらもあまり的を得ているようなものでなく
抽象的なもので心に響くことがあまり無くて理解に苦しかったです。
もしかしたらこうゆう作品は私には向いていないのかなと
思ったりしてしまいました。
タイトルが興味深かったので期待をしていたのですが、
少し期待外れだったのが残念です。
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エッセーだと思って読み進めていたら、途中で世界がぐにゃりと曲がる。
どこまでがエッセーで、どこからが小説なのかの境界があいまいだ。
しかし、一歩立ち止まって考えてみると、エッセーと小説の境界を厳密に定義しようとするのは一義的な見方だ。
本作の筆者の主張は「認知症の徘徊老人には常人とは違った世界が見えているはずだ」というもの。
ならば、エッセーと小説の境界線は常人の見方に過ぎず、筆者にとってはエッセーも小説も共存可能な世界の見方なのではないか。
躁鬱病を公言する筆者には、また別の世界が見えているのだろう。
また、徘徊老人に対してスポットが当たる。
ベッドに縛りつけておくだけでよいのか、
老人施設に預けておけばよいのか。
もし、俺が年取ってジジイになって頭がぼけたとしても、一つ同じところに留まりたくはない。
そういった介護に対する純粋な疑問も筆者は提示している。
祖父の危篤で地元熊本に帰った恭平は、祖父が遺したミカン色のワーゲンに徘徊癖の曾祖母を乗せてドライブに行く。
辿り着いた先の丘から熊本の街を見下ろした曾祖母は一言、ヤマグチとつぶやいた。
かつて曾祖母が住んでいた山口を思い出したのだろうか。
恭平は、曾祖母が常人が見ている世界とは違い、彼女にとってはそこが思い出の山口だったのではと気が付く。
徘徊老人が行きたい場所へ連れていく。
「徘徊タクシー」は時と時間と場所を越えて、老人が目指す場所へとエスコートする。
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面白いような気もするけれど、時に難解。急の作者の世界にぶっ飛ぶので、ついていけないというか、理解が追い付かなかった。蠅にいたっては、状況が全くつかめず?だらけでした。
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著者は「0円ハウス」の人なので、てっきりノンフィクションだと思い込んでいました。だって主人公は著者の名前そのまま、躁鬱病だというのも著者そのままだし。そうしたら妄想シーンがやたら多いわ『流星ワゴン』みたいな話になるわで、ようやくフィクションだと気づく。
認知症の曽祖母を残して逝ってしまった祖父。その祖父の蜜柑色の愛車で徘徊タクシーを始めようとする主人公。周囲からボケ老人の徘徊と思われていても、ボケ老人なりの目的地がちゃんとあるのではという考え方は良いなぁ。そう考える余裕を持って介護に臨めたらいいのだけれど。
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うーーん・・・なんかあちこちに話が飛ぶのでちょっと難しかった。かなり集中力が必要な本のようだ。
まぁそれも巻末に作者と養老猛さんとの対談で何となく理解できました。
本筋の介護タクシーの話はまぁまぁよかったです。
認知症の徘徊という症状をとらえて、こういう見方もできるのかって思わせてくれたので。
この題材で他の作家さんでも読んでみたい気がする。
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第三者からは、呆けて自分が何を考えてるのかさえわかっていないとみえるのに、旧い記憶が残っていたり不思議な行動を起こしたり。認知症とその対応について考えさせられた。2018.5.28
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認知症に対する考え方が根本から異なる印象を持つ。「認知症=ボケ」と片付けてしまいがちだが、個人個人の次元が違うという捉え方が斬新であり、面白いと感じた。確かにそのように考えると、周りの人間からすると一見不可解に見える行動であっても、本人には何かの目的で動いているのであって、そもそも見えている(認識している)景色が異なっているだけなのかもしれない。
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そううつの感じに知った人を思い出しながら読んだ。アンドロメダの話は図書館だとするっと出てきそうな気がしたけど、まあいいや。