紙の本
人知れず日本を守ってます。
2017/03/25 23:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
風を見る能力を持ち、人知れず日本の安寧に腐心してる一族のお話し。
一族って言っても登場人物は主に三名。プラス、オネエ言葉の元自衛官。
元軍関係の場所や合戦の場所などの現れる「裂け目」を縫い合わせて行く仕事をしてます。
前説明も一切なしでイキナリ読者を物語の世界に突き落とす、恩田さんらしい展開。
地味に怖い。幽霊的なモノがわんさか出てきます。
地元が舞台の章もあり、次行くとき思い出すかも。それもちょっと楽しみ。
いかにも続きます的な終わり方です。気を持たせる終わり方も恩田さんらしい。
紙の本
戦争の傷痕が開く時
2022/08/01 15:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京都内の各地に、旧日本軍ゆかりのスポットがあることを知りませんでした。風雅遼平・鮎観の身体を張った活躍が、束の間の平和を象徴しているようで何とも無気味です。
電子書籍
旧軍都だった
2017/07/31 00:43
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投稿者:ささやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
そういえば、私の実家付近も旧軍都で、高校が正にその辺だったので、すっごくリアルに怖かった。京橋門の伝説も知ってるだけに、倍増し!おまけに、今住んでるの、コンビナートの近くだし。真面目に裂け目を探しかけちゃいます。ダンナ送ってコンビナートに近寄っただけで、パイプがそれに見えてくる!
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直木賞受賞後、初の新刊!
受賞前から刊行は決まってたし、随分前に書かれて初めていた作品だと思うけど、直木賞受賞後の新刊だと思うと、恩田陸ファン以外はこの作品は戸惑わないのかと心配になる。
恩田陸ファンには慣れ親しんでいる、このあやふやで雰囲気を楽しむための感覚は、問題ないと思うけど、他の人はどうだろと余計なお世話だけど心配になる。
で、肝心の本作。
一気に読まなかったせいか、ちょっと感想が難しい。面白いんだけど、ちょっと緩いかなぁ。
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「らしい」の好き。
あれ?なんか前作あったっけ?説明なしで唐突に始まり、え?あと2ページしかないけど・・・スパッと唐突に終わる。
気になってしゃあない。
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今回も面白くてアッという間で一気読み。恩田さんワールド炸裂ですね。何か能力を持って生まれてくる人たちの異世界の物語で度々登場するオカマちゃんキャラの登場人物達がいつも憎めなく今回もそんなキャラの人が登場でした♪
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恩田さんだーーーって嬉しくなる、こういう作品。
不思議な力で、人知れず「グンカ」と戦っている鮎観と遼平。
ちょっと「遠野」っぽいのもいい。
一緒に闘う浩平やカオルのキャラもユニークで好き。
2人の子供が、終盤、どんどん大きな意味を持つようになっていく展開にぐんぐんひきつけられる。
謎の蛇や戦艦のことも明らかになっていないし、新シリーズと期待していいのかな。
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『怪』連載の単行本化。
恩田陸らしいバトルもの。本書だけで完結はしているのだろうが、続編がありそうな終わり方だった。どうなんでしょう? あると嬉しい。
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日本各地の旧軍都に発生する「裂け目」。
かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、
現代に蘇える。記憶の化身たちと戦う男女、
遼平と鮎観。彼らが息子を授かったことから
運命の歯車が狂い始め…。
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これぞ恩田ワールド。月の裏側から入った私にはこちらがA面。この放り込み感も、投げっぱなし感も久々でワクワクした。蜜蜂と遠雷から入った方には目が点でしょうが、、、(笑)
雰囲気的にはエンドゲームに近いかな?に、してもこれは続編書いてもらいたい。単純に好きだ。
「りょうほう」から生まれた「めんどう」。多分これは序章に過ぎない。ゼロエピソードの家族の話。
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"時空超え"な結構ちゃんとしたファンタジーなだけに、主人公たちの(特にカオル絡みの)しょうもないボケ的要素は要らないんじゃないかと思うのだが。。。続編が期待される、というか物語はここからか、と思わせるエンディングがマル。
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序章のようなお話。どれかというと常野のある一族というような。エンドゲームっぽい。続くのかな?どうだろう?息子きになるよ息子。
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グンカや主人公たちの一族のことをもう少し知りたかったなと思うけど…
取り上げられているそれぞれの街に今とは違う近代の街があったんだと思うと歴史のロマンを感じる。
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久しぶりに読んだ「蜜蜂と遠雷」が傑作で、つい新作と言うことで手を出してしまった・・・全国の軍都と呼ばれたところに、「グンカ」と呼ばれる過去の記憶の化身が蘇る「裂け目」が発生。「煙草屋」の情報を元に、その「グンカ」を裂け目の中に戻し、裂け目を塞ぐ遼平や鮎観たちの活躍を描く。作品的には「常野物語」シリーズに近い感じ。非日常な物語だけれども、「裂け目」が現れる理由の時代背景はしっかりしており、歴史の勉強にもなる作品。
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直木賞受賞第一作!という帯がついているが、『蜜蜂と遠雷』で初めて恩田作品を読んだ人が、本作を読んだらどう感じるだろうか。
ファンには言うまでもないが、恩田陸さんの作品には、本屋大賞受賞作『夜のピクニック』など、現実世界の青春小説も多いのだが、本作のように、何だかよくわからないけどスケールが大きいファンタジーも多い。どちらも恩田陸なのである。
失礼ながら、青春小説が万人受けしやすい一方、ファンタジー系は大風呂敷を広げた末にフィニッシュで尻すぼみという作品が多い。本作もまた、ご多分に漏れず…というのが、正直な感想である。「らしい」なあと思うのは、ファンだけだろう。
日本各地の旧軍都に生じる、時空の裂け目。人知れず「グンカ」と戦い、裂け目を縫い合わせてきた一族がいた。手頃な長さの本作は、彼ら一族にスポットを当てた連作短編集である。映像的スケールの大きさは、誰もが認めるだろう。
謎の一族を描いた恩田作品といえば、「常野」シリーズが真っ先に思い浮かぶ。新刊が10年以上途絶え、全貌がさっぱり見えない常野シリーズと比べれば、情報量は多い印象を受けるが、大風呂敷が広がったままなのに変わりはない。
一つ注目されるのは、近年のきな臭い世界情勢を意識させる点だろうか。日本もまた、きな臭さと無縁ではない。今後、一族の力が及ばない事態が、起きるかもしれない。現代に警鐘を鳴らしていると、解釈できないこともない。
ある意味、作家恩田陸の本質を表している本作だが、続編は出るのだろうか。続編が出るなら、プロローグとしては悪くないが、これで終わりだったら、あまりにも薄味と言わざるを得まい。『夜の底は柔らかな幻』くらい弾けてもらわないと。これからもやっぱり、気になる作家には違いない。