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学生街の本屋に平積みされていましたので、購入して読んでみましたが、目から鱗が落ちる思いがしました。
勉強とは自己破壊である、という冒頭の一文が衝撃的ですが、
フランス現代哲学を専門とする著者は、勉強という身近なテーマを取り上げつつ、哲学的アプローチでその本質に迫っています。
「保守的なバカの状態から、メタ認知により解脱し、アイロニーからユーモアへ折り返し、享楽的ダンスを経て、来るべきバカになる」というのが、勉強の基本動作との著者の主張ですが、その裏には、環境に同調し思考停止してしまうことへの警鐘があるように思います。
思考が流動的である、というと考えが定まらない印象を与えますが、諸行無常という通りそもそも絶体的な真実など存在しない中で、高次への思考展開と視点の比較という盾横軸で自分の考えを位置づけてみる態度が大事なのかもしれないと感じました。
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第1章第2章は難しくて消化不良。時間をおいて再読したい。勉強とは自己破壊であるという主張には深く同意する。個性とは自分と広い意味での他者とどうかかわってきたかの違いで構築されるという箇所が印象に残った。第3章からは問いの立て方に始まり、勉強を具体的にどう実践すべきか述べてある。私はこれと決めたらそうとしか考えない頑固な部分があるので、答えを比較続けるということを実践していきたいと思う。また割と多くの本では本の内容を自分に引きつけて考えることが大事と書いてあることが多いが、その真逆のことが書いてあるのには驚いた。それをどちらが正しいと決めつけるのではなく、柔軟にケースバイケースで実践しようと思った。
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勉強は自己破壊のためにある。と書いてあるとおり、この本の中身を理解するのが難しかった。今まで読解力が足りないんだと思っていたけど、本の分野のこの世界を知らないからなんだと理解できた。テキストの選び方が参考になると思った。
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あちこちで紹介され、書評も書かれている。著者のツイートもフォローしていて興味深く読んでいる。執筆中から注目していた本なのだけど、内容によっては楓太に読ませたくて紙の本で確認したかったところ出遅れた。
やっぱり読ませたいと思って紙でそのまま購入したけど、すると読む機会がなかなか作れなくて読み進めない。Kindleも買っちゃおうかなぁ。。。
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われわれの長い人生においては親やきょうだい、配偶者、職場仲間、そのほか表層的な会話をする知人といった者とのコミュニケーションが圧倒的に多いわけだけど、そういう人たちとはついになし得ない精神のふれあいともいうべき機会がある。それは読書を通じて出会う。この本自体がそうだ。なせ人は本を読むのか。そして読んだ本をさらにもっと理解したくて勉強をするのか。どうすればもっと巧くそういう意味での勉強ができるのか。この千葉氏の著作は万人に必要ではないけれど間違いなく誰かには効くアドバイスに満ちている。
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"勉強とは、どういう行為なのかを思索、哲学的に語ってみた本。私は途中でついていけなくなった。惰性で最後まで読んでみたが、著者が伝えたかったことの半分も理解できていない気がするが、何となく、何となく概要をつかんだつもりでいる。
勉強する=自分を変えること
勉強する=アイロニーすること。皮肉っぽい疑問を投げかけることで学ぶテーマが形になってくる。ユーモアがテーマの幅を広がる。"
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勉強の仕方、広がり方を考える本、勉強とはどうなることか、何が得られるのかが語られている。
回りくどいかもしれないけどいい本
深く勉強するとノリが悪くなる、が、新しいノリを見つけられる。
環境のコードに取り込まれている。
言語は現実を仮想空間に持ってくるために使用されている。
言語は誰かが作り出して継承されている。言語を学ぶということはその背景を学ぶことにもなる。
コードから外れるための方法としてボケとツッコミがある
①ツッコミ:アイロニー、その本質はなにかと突き詰めていく
②ボケ:ユーモア、それに関連した考えを広げていく。
どちらもやりすぎると、③ナンセンス:話題の意味がなくなる
アイロニーを極めようとすると、定義の疑いになる、それは決めることができない。
言語はその場での「用法」に過ぎなくて、根本的には一致していないという問題を抱えているから。
環境依存しない真は言語にはないので、何も言うことができなくなる。
言語との付き合い方
①環境に縛られて、保守的に言語を扱う。コードに従い、言語と道具とする。
②アイロニカル=批判的に「外に出ようとする」。が、環境の外には別の環境があるだけである。
③「言語の環境依存性」「環境の複数性」を認める
ユーモアは言語の「適用範囲内」を連想によって試している。
コードを拡張していくが、拡張しすぎるとすべてが繋がってしまい脱コード化する
縮減的ユーモアでユーモアを細かく見ていく。これには「享楽的なこだわり」が伴う
自分の状況は大きな構造的問題の中にある。というメタ認知を持つ。
「勉強とは何かの専門分野のノリに引っ越すことである」
追求と連想(アイロニーとユーモア)で勉強を勧めていく。しかしどちらもキリが無くなる。
自分なりに考えて比較するということは、享楽的に「中断」することである。
決断は絶対的には無根拠を根拠とした思考停止である。その時までに出会ったノリで勉強を止めていて偶然的である。
比較をし続けるという事が大事でこれは「決断」ではなく「中断」と言える
中断のときに決め手となるのが享楽的なこだわりとなる
なので、自分の享楽ともととなる年表「欲望年表をつけることが大事である」
「バカ」とは周りに流されて流されて何も決めずに(環境に従って決断して)生きることである。
そこで学習することで環境からずれてノリが悪くなる。周りからずれる。そして決めるのが下手になっていく。
その先で決めるのは享楽的なこだわりである。それは昔の自分が環境の中で構築してきた「自分の中のバカ」な部分である。
自分の中のバカな部分は変化可能である。勉強の仕方で別のバカさに変化する。
勉強は、まずまともな本を読む、初めは入門書を複数比較して読む。これで勉強の範囲を有限化する。
その後教科書、基本書と勧めていく。
教師とは、「このくらいでいい」という勉強の有限化をする存在。
勉強するに当たって信��すべきは勉強を続けている他者
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「勉強とは何か?」ということを深く掘り下げた本。
今いる環境の癒着から離れ、アイロニカルに根拠を疑い、ユーモア的に見方を変え、享楽的こだわりによって仮固定的な結論を出す。しかしそれで終わらず、その結論をさらに比較していく。
勉強に完璧も終わりもないのである。
同調圧力が強く、環境に癒着的な日本人はそれはそれで幸せかもしれないが、勉強が必要だと思った。
自分を正しいと信じて疑わなかったり、周りと同じということで安心感を得るというのは、少し危険な状態である。
この本は比較を続ける異質でバカな人たちを増やしてくれる。
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まともな本を読むのが勉強の基本である。
アイディアを出すために書く。アイディアが出来てから書くのではない。
歴史ある学問は、環境にいながらにしていないような思考を可能にする。自分なりに考えて比較するというのは、信頼できる情報の比較を、ある程度のところで享楽的に中断することである。
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つ http://sanova.site/?eid=160
>こういう本に感動する人がいることは仕方ないと思いますが、
たいした学説を著したわけでもない若手研究者をスター扱いするノリに対して、
まったくアイロニカルになれないのに、本書の内容を理解したことになるのでしょうか。
そのあたりをしっかり考えたほうがいいと思います。
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今までと全く違う分野に飛び込もう。そんな時には、当然だけれど今まで自分が使ってきた言葉はそのままでは通用しない。
なぜそのようなことが起こるのか、それを避けるにはどうしたらいいのか?を徹底的に解説してくれる本。
今までの常識で aという意味だったものが、他の分野ではbという意味に変わる。辞書的な意味の1番にあろう「legacy」という言葉が通信業界隈では通じない。通信、ITにとってのレガシーは、昔はそれが主力であったものだが、技術進歩によって「古臭く役に立たないもの。交換されるべきだが、コストや歴史的経緯により交換が現実的ではなく、無視できないレベルで、技術進歩の足を引っ張っているもの、重石」
これを一つずつ整理し、単語を例文と合わせて腹落ちするようにしていく作業が勉強の第一歩なのだ。と。
非常にわかるし、これができなければ有用な議論などできない。
この本を一言で言うならば「少年よ、辞書を引け。それも、専門職の辞書を。
といったところだろうか。
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勉強をするという状態を解説しているのは面白いし、この本の独特なポイントだと思う。
勉強をするということは周囲のノリから外れること。自分を取り巻く環境から一歩引くことが第一歩だ。ということを読んだ時になるほどと思ったし印象に残った。自分を取り巻く環境に疑問を持つことから始まらないと、環境の外に対する好奇心は確かに生まれない。また、興味を持った事柄に対して、ある程度客観視できる自分を意識しないとそれに対して色んな意見を自分の中に取り入れようとは思わない。
そうした勉強とは何かという思考の分解~実践的なアドバイスを網羅しているためこれから勉強したいと思う分野がある時に方針を立てやすくしてくれる本だと思う。
(感じたことを自由に感じたまますぐメモをするというのは実践したい。感想を書くときに具体的にまとまりそう。)
自分が意見や知識を取り入れていく中でどんな状態にいるのかをある意味「解剖」してくれ、解説してくれるような本だった。
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副題の「バカ」を誤解し、本書を早く手に取らなかったのを後悔する。
自分のような、勉強に関して、限りなく横にも広がるし(本書で言うユーモア)、限りなく縦にも深める(本書で言うアイロニー)人間にとって、勉強の限界、効用、実践を言語化してくれた著書に感謝したい。勉強に関する不安が一掃された。
テクスト内在的に読む、ということは、数学の専門書を読む場合にもあてはまる。また、いきなり専門書にあたってはいけないことも。
決断主義の危うさへの指摘もごもっとも。
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勉強とは自己破壊である。この最初のフレーズに驚いた。勉強することの考え方が今までに無い発想で、とても面白かった。内容が難しく感じたので、その分減点しました。
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第一章のことばを世界から分離させる取り組みがいちばん興味深かった。それ以外の部分もまあまあといったところ。筆者の思考を追体験することで新たな気づきを得ることができるだろう。
よく楽しめた。