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新潮文庫で手軽に読めるのが良い
2020/04/11 18:46
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投稿者:North Shin - この投稿者のレビュー一覧を見る
言わずと知れたディケンズの名作です。新潮文庫で手軽に読めるのが良いです。
Please sir, I want some more. という名ゼリフが翻訳ではどうなっているか本書で確かめてください。
原書や映画も一緒に楽しめば一石三鳥です。
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ずっと前、大いなる遺産を最後まで読むことができなくて合わないのかなって思ったけど、オリヴァー・ツイスト物語は読みやすかったです。借り物なので、今度自分用に買います。これを機に大いなる遺産をもう一度読み直そう……。
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孤児オリヴァー・ツイストが運命に翻弄されながらも生き抜き、幸福な生活を手に入れるまでのドラマを描くチャールズ・ディケンズの代表作であり、イギリス文学の古典。
非常に多くの人物が登場するが、そのそれぞれが強い個性を持ち合わせるあたりは人物造形に非凡な才能を発揮した著者ならでは。
そろそろクリスマスも近い。名作「クリスマス・キャロル」を読み返したくなる頃合い。
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いろいろな側面のある小説である。はじめは俗物のこき下ろしと飢えと暴力を描く孤児小説だけど、オリヴァーがロンドンにでてからは犯罪社会小説になり、フェイギンとサイクスという二人の悪党が子どもや女性を支配していくようすが描かれている。元気な子どものスリたちは生命力にあふれていて、悪役の魅力がある。ローズとハリーの間は障害をのりこえようとする恋愛ストーリーだし、ローズとナンシーの間は『レ・ミゼラブル』のコゼットとエポニーヌみたいしだし、殺人が起こってからはドストエフスキーの『罪と罰』みたいで、トラウマになりそうな心理小説である。ちなみに、ドストエフスキーはディケンズの愛読者だったそうだ。最後はすこし急いでまとめたという感じがのこるが、とてもおもしろいと思う。
ディケンズは文豪とか言われるし、この小説は社会改良とむすびつけて語られるが、そう簡単にこうすればいいといったりはしない。孤児の成長小説ともいわれるようだが、主人公のオリヴァーがぜんぜん成長しないというのはすでに指摘されていることのようである。
全体としてみると、この本のディケンズは落語家みたいな作家じゃないかなと思う。「酒を飲みながら葬式の話をするのが大好き」という貧民のパワーを、いろんなもんと混ぜあわせて、世の中に対する文句をぶつけて、言いたいことをいって、おもしろいエンターテインメントを書いたというところじゃないかと思う。オリヴァーはその中心にあって、かれをいじめたり、かばったりする人が物語をつくるという感じである。『三国志』の劉備とか、もともと語り物であった文芸作品のなかには、こういう空白みたいな主人公がいることがある。悪漢のうち、サイクスはどちらかというと単純なヤクザで、あんまり邪悪さは感じない。フェイギンのほうがしぶとくて邪悪である。
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イギリス文学をかじろうと邪な気持ちで手にとってみた。
19世紀の中旬の刊行。著者は、貧困階級を主人公とし、弱者の視点で社会を風刺したチャールズ・ディケンズ。
孤児として生まれた主人公が、泥棒集団の仲間に入れられるものの、泥棒は失敗に終わり誤認逮捕された主人公は上流者階級に引き取られる。泥棒集団は彼の口から内実がバレることを恐れ主人公を捕らえようとする。
往時のイギリス社会の貧富の差が垣間見える作品。イギリス社会は決して裕福さだけで語られるものではない。話が冗長に感じられるのは、自分の忍耐力が減ってきたからだと思う。反省。
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主人公オリヴァーが後半ほとんど姿を見せないが、登場人物の面々は個性的。バンブルは滑稽な道化師的役回り。悪人フェイギンもユニークだが、彼を指すにユダヤ人が代名詞的にやたらと強調されている。シェークスピアの「ベニスの商人」もしかり、英国でのかつてのユダヤ人の差別的な位置づけが窺える。2019.4.2
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イギリスが舞台の作品を読みたいと思い、手にした一冊。
『小公女』と似た筋書きですが、理不尽さや汚い部分の描写の細かさが比ではないと感じました。
また、それだけに当時がいかに持たない人にとって理不尽で、汚かったかを物語っていました。
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子供の頃に手にとっていたら夢中になったかもしれない。
ストーリーとしては、善玉はとことん善良で、悪玉は救いようもなく邪悪な定型的なメロドラマ。
ただ、社会の最下層で押し潰されそうになっている人々の悲嘆や、それにも負けずずる賢く立ち回る悪人たちの描写が奮っている。あまり当時のイギリスの世相に詳しくないけど、かなり風刺も入っているのかな?と思わせた。
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オリヴァーがほんとにほんとにひどい目にあい続けて最後の最後まで生き延びれるか気が気じゃなかった。こういうハラハラドキドキするの久しぶりだからか、なんていうか年取って親目線で見てしまうからなのか、長い物語に耐性がなくなったのか、とにかく胃がキリキリして「はやく終わって泣」って思ってた…。
なんといっても強盗グループのキャラクターたちの個性豊かさと魅力的なこと!むしろ善人たちの方が凡庸な描かれ方な気がする。悪を絶対悪として描くのではなく、ナンシーみたいに環境によってそうならざるを得なかったような人を描けるのすごいなぁ。サイクスにしろフェイギンにしろ、別に悪いことをすることが好きなんじゃなくて彼らにとっては生まれたときからもうその道しか知らなかったんだろうなぁと思わせる。モンクスはそうでもないけど。
あと暴力描写や恐怖描写の容赦のなさ。子どものとき読んでたら震え上がってただろうね…ナンシーの殺され方…そしてサイクスの最期…グロい…映画化ではどうなってるんだろう。
オリヴァーくんかわいいの伝わってくる。ローズさんも素敵だし、いい人サイドの安心感半端ない。てかこんなに頼もしくてかっこいい大人がいてほしい。小さいオリヴァーを守るためにみんなで知恵と力を出し合って協力する姿。こんな大人になりたい。
あ〜面白かったなぁ!しかし自分にはこんなすごい小説1000年かかっても書けなさそう…ディケンズすごい…
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ジェイン・オースティンを読む合間に、別の本を読んでみようと思って、同じく英国の代表的作家であるディケンズを読んでみた。
話はそれるが、サマセット・モームの「世界の十大小説」(1954年)の国別構成は、英4、仏3、露2、米1となっていて、作家とタイトルを挙げると、
イギリス
フィールディング 「トム・ジョーンズ」 1749年
オースティン 「高慢と偏見」 1813年
エミリー・ブロンテ 「嵐が丘」 1847年
ディケンズ 「デビッド・コパーフィールド」 1850年
フランス
スタンダール 「赤と黒」 1830年
バルザック 「ゴリオ爺さん」 1835年
フローベール 「ボヴァリー婦人」 1856年
ロシア
トルストイ 「戦争と平和」 1869年
ドストエフスキー 「カラマーゾフの兄弟」 1879年
アメリカ
メルヴィル 「白鯨」 1851年
と錚々たる作品が並ぶ。
英国人のモームだけに、イギリスが多いの当然だろうが、「トム・ジョーンズ」は英文学の研究者以外には、あまりなじみのない作家ではなかろうか。
その代わりにだれを入れたらよいか、モームに合わせて1800年代の作家と作品で考えてみたが、「モンテ・クリスト伯」のアレクサント゛ル・デュマか、「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユーゴーが思い浮かんだ。
ディケンズが入っているなら、この二人でもいいのではないか。
とちらか一人を選ぶのが難しいというなら、「嵐が丘」ただ一作のエミリー・ブロンテをはずして、デュマとユーゴー両人とも入れてもおかしくないと思うのだが、そうすると英2、仏5になってモームとしては承服し難いだろうから、やっぱりこういう結果にしかならないのかもしれない。
ドイツがないのが意外なのだが、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」は1774年だし、トーマス・マンの登場は1900年以降なので、うまくいかない。あとはスペインのセルバンテスだが、「ドン・キホーテ」は意外と古く、1600年初頭だ。
というわけで、このラインナップ、「トム・ジョーンズ」を除けば誰もが知っている名作中の名作なので、できれば20代のうちに一度は読んでおくべき作品群だ。
それで本作品の「オリバー・ツイスト」なのだが、これまで読んできたオースティンの作品にくらべると、さほど面白くない。オースティンばかりでなく、デュマの作品よりも劣ると思う。面白くさせようさせようという意図が目立ちすぎて、逆に面白くない。
ディケンズの他の作品に較べてデキが良くないだけなのかもしれないが、そういえば過去に読んだ「デビッド・コパーフィールド」や「大いなる遺産」もそれほど面白くはなかった。それからすると、モームの自国びいきがなかったら、はたして十大小説のラインナップに名を連ねることができるのだろうか、そんな気もしてくる。
とはいえ、オーウェルはじめ、イギリス人のディケンズに対する評価はきわめて高いので、こちらの読解力不足もあるのだろう。
でも、その真価と魅力がわかりずらい作家だ。
そう思うのは私だけだろ��か。
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誕生の直後に孤児となり、オリヴァー・ツイストと名づけられた少年の物語。前半は救貧院における強欲な管理人による劣悪な生活や奉公先でのイジメ、ロンドンでの怪しい仲間たちとの出会いなど、つぎつぎと降りかかりる不幸と環境の変化に少年が耐える展開が繰り返されるが、後半は一転して風向きが変わり、さらに終盤は少年の出生の秘密へと焦点が移る。
本文中に「この伝記は~」といった表現が何度か登場しているが、本作で描かれるのはオリヴァー誕生から十二歳頃までであり、肝心のオリヴァー自身が成長するわけではなく、とりわけ後半以降は神輿に近い存在となっており、とうてい伝記モノとしての体裁はなしていない。ストーリー展開についても、終了時点では最重要となる人物が、物語前半の段階では伏線すらも張られていないなど、行き当たりばったりな印象は拭えない。このようなちぐはぐの原因については、1837~39年にわたって月刊連載の形式で発表された点を考慮すれば得心がいく。20代で本作を生み出した作者は、出生に秘密をもつ少年が波乱万丈を経て成功を納める伝記風の小説という大まかな構想をもとに連載を開始し、掲載後の読者の反応を受けて読者の好みに合わせて当初の構想から逸脱していったのではないだろうか。まさしく現代において、週刊少年漫画誌で連載を受け持つこととなった新人漫画家のようにである。
全体を通しての感想としては、700ページ超と一冊の小説としては長い紙数となっているが、本格的にストーリーが面白く感じるようになったのは500ページあたりからだった。そこまで読み進めてはっきり好感を持てなければ、普通は作品としての評価も決して高くないはずなのだが、通読した時点で満足させられてしまっていたのは終盤の追い上げも含めて、作者の腕力によってねじ伏せられたと思わざるをえない。
作品の具体的な魅力として、悪玉たちについての描写が第一に挙げられる。登場人物が明確に善悪二分される本作において、フェイギンやサイクスといった悪党たちこそ人間としての奥行をもって描かれており、とりわけ終盤の悪党たちの末路は、情景と彼らの心理があいまって、本書最大の見せ場となっている。そして、ただひとり善悪に分類できない少女が、架け橋として重要な役割を果たしている。
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The 世界名作劇場。
700ページを経て、オリヴァー少年は幸せになりました。
めでたしめでたし。
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なろう小説で、無職転生に代表される幼少期スタート系小説が好きな方は、読んで面白いと思います。はい、私の事ですね。
ガス灯、ガルバニ電池、蒸気機関、、、情報量と描写力は、流石ディケンズ!
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役者あとがきにある通り、人物が生き生きとしている。
オリヴァーや女性たちが受ける扱いは本当にひどかった。この時代では当たり前のことだったのかと思うと、現代に生まれた幸せを感じる。
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もともとこの夏はディケンズ作品を読もうと思っていたが、ちょうど来月からオーブでこの作品のミュージカル版が上演されるとのことで、一作目は『オリヴァー・ツイスト』にした。
700ページ越えだから早々に挫折するかと思っていたけど、2日で終わった笑
先の展開が気になるように伏線をはるディケンズの手腕を感じましたね…。
酷い場面や恐ろしい場面、血生臭い場面と、安心してほっとできる幸福な場面が交互に描かれて、ある種のスリリングさがあった。
救貧法や新救貧法についても後から調べて勉強になりました。
オリヴァーを中心とした周囲の様々な階級、職業、地位の人々の描写を通して、新救貧法という制度が社会に何をしていたかを露わにするような作品。
実際、この作品が為政者を動かす世論づくりに貢献したという。
エンタメ小説っぽい展開なんだけど、社会批判的視点も含まれているという大衆受けとのバランスがちょうど良かったのかなと。シンプルにオリヴァーが可哀想でこれ以上酷い目に遭わせないで!って思うもん。オリヴァーの描写は当時の子ども観らしく純粋ではあるものの、お母さんを侮辱されたら(責められたほどではないけど)暴力も振るうし、At the Back of the North Windのダイヤモンドよりは全然ましだったかな。
反対に、邪悪または愚かな人々の描写一言一句に大袈裟な皮肉が込められていて面白かった。ただし、偏見が色濃いユダヤ人のフェイギンの描写が舞台版でどう描かれているか気になる。
ちなみに教区吏のバンブル氏は「尊大な下っ端役人」という意味で普通名詞bumbleになっているとか。
女性の描写も結構興味深かった。親切で心の美しいお嬢さん、生まれ落ちた環境のために悪の中で生きざるを得なかったがいまだ優しさや情など女心のようなものを持つナンシー、バンブル氏を尻に敷く抜け目のない夫人などなど…
ヴィクトリア時代の小説の女性も家庭の天使って感じのが多いけど、バンブル氏の夫人はかなり痛快だった。
あとフェイギンの一味の中でも、ナンシーや、少年(名前ど忘れした)は改心の余地があるように描かれていたが、ナンシーはサイクスを愛したがために自ら囚われたまま結局殺されることとなり、まだ若い少年は抜け出すことができたというのも興味深いと思った。
まだチケット取ってないけど、ミュージカル版観たいなと思う。