投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
実際の事件をモデルにした小説と思って、週刊誌を読む気分で手に取りましたが、事件をモチーフにした女子力小説でした。女子力という言葉の使い方、間違っているかもしれませんが男にとっての女子、女性同士の世界の中での女子、仕事と女子、社会と女子、そうそう父親と娘の関係性においての女子、そして母と娘、まさに今、21世紀の「女はつらいよ」物語。「男はつらいよ」の車寅次郎は柴又というファンタジーとしての居場所を確保していましたが、この小説の主人公は自分の居場所を血みどろでリアルにしていく、という違いがありますが…。そう、その血みどろの現実性と、実際の事件の容疑者もこの小説のもう一人の主人公、カジマナも他所から調達したファンタジーに自分を置いておいたこととの対比がこの物語の構造かも。主人公がカナマナの禍々しさに巻き込まれる様は映画「羊たちの沈黙」のクラリスとレクターを思わせますが、レクター並みの超人っぷりに比べて、カナマナの凡庸性に逆に恐ろしさを感じました。物語的には何回もクライマックスを迎えるような箇所を感じますが、さらに、さらに、とか先に進み、答えのない、だけど希望、みたい終わり方か、まさに「女はつらいよ」!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
他人の形が、自分の内側で起きてることよりもずっとずっと気になって仕方がないなんておかしいわよ。
だれだって、傍にいる誰かのことがわずらわしくて、消えて欲しいと思うことくらいあるてしょ。
梶井まなこの言葉は、認めたくないけど、大きな声で友だちには言えないけど、そう思ったことある人多いはず。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
女の嫌なところをぜんぶ見せられた感じ。
いい気分で読むのは難しい。
新潟出身だと複雑な気持ち。
とにかくバターごはんが食べたい。
私はマーガリンでもいいけど。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
うわー、木嶋佳苗ときたか~~!!!
「カジマナ」と呼ばれる被告を女性記者が取材し、彼女に翻弄されていく様はオソロシイ。ハンニバル・レクターか!?w
そして、木嶋佳苗は支援者を通して、今もブログを更新中とのこと。支援者って・・・( ̄▽ ̄;)
そういえばこの人、獄中結婚してたな~。あいかわらず、モテモテっすねw
それにしても、出てくる食べ物の美味しそうなこと!
ただ、七面鳥あたりになってくると、だんだんめんどくさくなってくるけどwwwww
まぁ、なんちゅうか、満腹です。ハイ、お腹一杯で胸焼けしてますwww
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
木嶋佳苗をモデルにした作品だし、直木賞候補にもなったしで、期待していたのだが、読み終わってバターの濃厚さだけが残った気がする。ウェストのケーキが食べたい。
決して若くも美しくもない容姿に、自信に満ち溢れた言動に絡め取られていく様子は、ある種の宗教にも思えてくる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
平成の連続不審死の容疑者として、逮捕された木嶋佳苗をモデルにして描かれた作品と言うことで、気になって読んだ1冊。
奇しくも、この作品を読み始める2日前に死刑確定判決が出たばかり。
しかし、読んでみると、彼女が殺人に至った心理より、彼女がこだわっていた料理などの話がメインで、最初の100ページ近くまでは、ずっとバターの話。タイトルになっているくらいなので、こだわりがあるのは、理解出来るけど、正直、そこで脱落しそうになってしまった…
週刊誌の記者・里佳はカジマナこと梶井真奈子の独占インタビューを取るために、彼女に接触する機会を狙っていたが、ずっと受け入れてもらえない日々を送っていた。そんな時、料理上手な友人のアドバイスで、手紙に「料理のレシピを教えて欲しい」と書いたことから、二人の交流が始まる。しかし、交流が深まるごとに、梶井に陶酔していく里佳。そこからラストまでは、どんなふうに展開していくのか、読めなくなり、結局最後まで読了。予想してたラストではなかったけど、最初に比べたら、かなり不快感はなくなった読後だった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
木嶋佳苗の事件をモチーフにしたお話。女性記者が真相に迫っていく展開と登場人物の各々の心理描写が秀逸。ほんとにBUTTERのように濃密で香ばしい。主人公がたどりつく生き方に共感し頁を閉じる。次の作品が待ち遠しい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
木嶋佳苗のノンフィクションと呼ばれているものがお粗末な内容のものばかりな中、小説というフィクションで女性視点で挑んだ作品。構成が粗く不満な点も多々あるが、著者が必死に取り組んだ意欲を買いたい。力作。
木嶋佳苗はモンスターだと確信しているので、いろんな解釈があって当然だと思う。
男性視点での作品も読んでみたいものです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
柚木麻子っぽくない!けどよかった。
料理がメインであっこさんシリーズ思い出した!
料理苦手で興味ない人間だった私が読んでも理解できるところは少なかったのかもだけど、とりあえずバター醤油ごはんは試して美味しかったし、今ではバター醤油のおにぎりが大好物になりました。
りかやカジマナのようにデブ道まっしぐら…
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
食事の描写が多くてどれもこってりしていて、
読んでいくだけで胃もたれしそうな、
そして太ったような気になった。
欲望のままに食事し太ったカジマナと
カジマナの食生活に夢中になり
みるみる体型が変わっていく主人公、
その周りを取り巻く人々。
女性って見た目一つでこんなに周りの評価が変わってしまうなんて本当に怖い世界だなと感じた。
また主人公と親友伶子との関係、
主人公と恋人誠との関係、
カジマナと関わっていくことで浮き彫りになる
人間関係のいびつさが読み応えあった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
(2017/8/28読了)
最近、柚木さんの本とは相性が良くなかったのと、かなりの長編ということで、図書館の返却期限に間に合うか気がかりだったけど、余計な心配だった。
女性としてのエピソードに、共感する部分が多く、のめり込んでしまった。
最後の七面鳥のくだりは、ホッとした反面、うまくまとめ過ぎたようにも感じるけど。
題材にした事件について、記憶が薄れたのか、そもそも深く知らなかったのか、全て小説として読んだけど、どこまでがノンフィクションなのか、気になるところ。
(内容)
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。世間を騒がせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿と、女性としての自信に満ち溢れた言動だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、親友の伶子からのアドバイスでカジマナとの面会を取り付ける。だが、取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に、翻弄されるようになっていくー。読み進むほどに濃厚な、圧倒的長編小説。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
女性の細やかな感情と食べ物の表現がいつも素晴らしい柚木さん。
今回は、出てくる食べ物の多くが濃厚で重く、読んでいるだけなのに胸焼けしそうになることも!
でも、無性にバターが食べたくなるから不思議です。
実際、塩ラーメンにバターを入れて食べてしまったし…。
梶マナの性分にも辟易するのに、ほんの少し女性として彼女の感情が分かるような気がしてしまったり…。
主人公の里佳や親友の怜子の生い立ちや複雑な感情表現もとても上手く、魅力的でした。
篠井さんも素敵な存在だったな。
柚木さん、今度こそ直木賞取って欲しいな。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
面白かったです。久しぶりに読んだ柚木麻子作品。
梶井真奈子が木嶋佳苗をモデルにしているというのは知っていましたが、本当にこんな人なんじゃないかな…と思ってしまいました。
カジマナに翻弄されつつ、この社会での女性の生き辛さも改めて目の当たりにしました。合格点、という言葉が重いです。どの生き方を選んでも何かしら言われます。かといって、カジマナみたいに、見たいものしか選ばない生き方はしたくないです。だから彼女は孤独なんだろうと思います。
梶井の女王様じみていて、でも人間関係に餓えている、みたいな環境に相反するように、里佳とその周りの人の関係は良いように見えました。
そしてたいへんご飯が美味しそうな作品でうわぁ…となりました。バターが特に。
若干の下世話な好奇心で読みましたが、痛いところを突かれてずしんとくる読書でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
柚木さんの本のいいところの一つは、実在するお店が出てくるところ。本の世界を共有できる。とりあえず、身の程にあったお店を訪問してみたい。
中盤はなかなか進まず、挫折してしまったがなんとか読み終えた。決してつまらなかったわけではないが、なかなか進まないというのもまた苦痛である。
文学的にいろいろな揶揄・比喩のようなものが含まれているのだろうが、理解する努力ができなかった。
ただ、感情の表現は本当に美味いし、共感できる部分がものすごく多く、自分の言葉にできない感情を代弁してくれているようで、一体化出来たような気がする。バターのように溶け合って(笑)
大きな家で、誰かのよりどころになる、逃げ場になる場所を持ちたいとは思うが、やはりなかなか現代女性には難しいのではないか。でも、理想だ。私も誰一人病人を出さず、ゆるっと頼れる仲間たちと七面鳥を食べたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
でっぷりと太り、美しくもない女が三人の男を手玉にとり、そして死なせた事件は世の中を騒つかせた。週刊誌の記者である里佳はこの事件に興味を持ち、被疑者の女、梶井真奈子と面会を試みる。グルメとしても有名だった梶井に会うために、親友のアドバイスに従って得意料理のレシピをたずねる旨を盛り込むと、意外にもすんなりと会うことが出来た。事件の話は出来ないが、彼女に言われるがまま、彼女が美味しいと思うものを追体験していくうちに里佳は梶井に翻弄されていく。梶井の悪意はどこに向かっていくのか……。
とにかく食べ物が美味しそうで……美食というより基本ジャンクなんだけど、バターの誘惑につられそうになった。美食小説は増えたけど、登場する食べ物がストーリーにちゃんと作用しないことも多くて、柚木さんはわりと食べ物に必然性があるところが好き。今回もその辺はよかったし、刺さる言葉もいくつかあったんだけど、全体的にはとっちらかってしまった印象。女性の在り方、みたいなのがメインだとは思うんだけど、だからこそ女性の読者は読むの疲れるかも。救われる人もいるかもしれないけど。