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木嶋佳苗をモデルにした容疑者・梶井真奈子を取材する週刊誌記者・里佳は、拘置所での面会するうち梶井に翻弄されるようになる。これまでも柚木さんの料理の描写は上手かったが、その描写に更に磨きがかかり、多彩な表現で読んでいて堪らなかった。カフェや居酒屋を舞台にした安易な設定ではなく、人間の欲望のひとつ、食で得られる快楽として描いたという切り口が新鮮で惹きこまれた。30代女性の恋愛、仕事、家族との関わりなど、これでもかと提供され、フレンチのフルコースをデザートまで味わったかのような満足感。お腹いっぱいです。
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全体的に気持ち悪い。読みにくく退屈で何度も中断、漫画に逃避しまくりました。何人もの男性を騙し死に追いやった木嶋佳苗の事件をモデルに描かれた今作。木嶋佳苗どころかゴシップ記事に全く興味がないので、こういう事件や人物に人々が虜になり影響される理由が分かりません。ましてやマスコミという他人の人生を踏み荒らすような仕事をしている主人公が毒婦カジマナに翻弄され不幸に陥れられても、同情もできないし共感もできませんでした。最後まで好きになれない作品でした。
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3.9
連続殺人事件の被告・梶井真奈子を取材する雑誌記者・町田里佳は、その取材過程で、真奈子の異常な磁力によってその世界観に引き込まれていく。
不妊に悩む親友・伶子。恋人・誠。特殊な関係を保ちながら情報提供してくれる大手通信社の編集委員・篠井。同僚・北村、アルバイト・内村有羽。
人は、見たいものだけを見、自己肯定のみで生きるのが幸せなのか・・
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バター、というタイトルがしっくりくる。
濃厚なコク。豊潤な香り。もたれるほど強烈な後味。舌触り。
嫌な気持ちを常に抱えつつ読み進める。
カジマナ、という疑惑の女。若くも美しくもなく太っている自己愛の強い女。
彼女のようなおんなが嫌いだけれど、それ以上にカジマナにのめり込んでゆく主人公里佳みたいな女も嫌い。
もやもやが拭えない。
友情や家族の愛や孤独や仕事のストレス、人間関係、様々なテーマを散りばめながら、実は女性の内面のどす黒いところだけをフューチャーしているような感じ。
登場する男性陣が保守的で弱い感じの人(優しい、といってしまうこともできるが)ばかりなのも、この物語を女のエゴで彩る要素になっている気がする。
なにしろ最初から最後まで気持ちが良くない。
むろん、読後感も良くない。
それが作者の術中な気がして、なおモヤモヤする。
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練炭殺人事件の犯人をモデルにした物語であるが、取材に来た記者に対して食事の並々ならぬこだわりを話し、記者を自分の言うがままに翻弄させてしまうのが印象強かった。バターをメインにした料理が出て来て、バターにもこだわり、犯人の女が通っていたとされる料理教室の話など、事件との関連性を結びつけたり、それぞれの人物の生い立ちや心に抱えているものをプラスして本筋に繋げているのは良かった。高級バターへのこだわりは庶民に手が届かないと感じたり、拘置所の御節も豪華なのに驚いてしまった。
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初出 2015〜16「小説新潮」
普通の小説3冊分くらいの重たさと深さを感じ、読むのに1週間もかかった。(ナイルパーチは挫折したままだが)
結婚をちらつかせて交際相手を次々に殺したとされる女性がモデルのカジマナを、週刊誌の女性記者が、もっと知りたいと取材、面会を続け、どんどん振り回されていく。
カジマナが食べたいものを代わりに食べ、作った料理を再現していくなかで、女性が、社会の中で、男性の前で、女性の前で、家族の中で、感じる生きづらさを、自らの生い立ちも含めてなぞるように考えていく。
協力してくれる親友が、鬱屈を抱え、カジマナにそそのかされて突拍子もない行動に出る展開は、すわサスペンスかと驚かされる。
主人公がズタズタになっていくにつれ、どう終わらせてくれるのかがとっても気になったが、まあ納得かな。
#直木賞候補になった
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話題になっていたので読みたかった作品。図書館で予約できたので読んでみました。
うーん、期待していたよりは、、
ボリュームがありすぎて、結局なにが言いたいのか分からない部分もあったかな。。
でも、最後に焼く七面鳥、バター醤油ごはんなどなど、美味しそうなものがたくさん出てくる。
食べたいものを食べる。当たり前のことだけどとても幸せなことだな。
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正直、あんまり何も残らなかった。
梶井の価値観があまりにも自分とかけ離れているからか、そもそも料理にあんまり興味がないからか。
事件自体をもう少し掘り下げた内容だったら興味深かったかもしれないけれど。
梶井のキャラと料理の濃厚さに胸やけしそうだった。
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リアルに半年くらいかかって読み終わった。
面白いけど、重量感がすごいので中々読み進まず。。
玲子という人物がリアリティなく、こんな人いるのかな?という感じ。
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バターの油分にやられてなかなか読み進められず、やっと読了。こういう人側にいたら、毒気に当てられそうで逃げるだろうな。仕事なら近づけるかもしれないけど、それ以外はきつくてとても無理。でも男性を惹きつける女性ってやっぱり気になって目が離せないし、何でって思っちゃう。そうした女性の心理を暴いてくれて、なるほどなと思うところがたくさんありました。アッコちゃんシリーズは読みましたが、あのライトさは全くなくて人の内面をあぶり出してます。作者の新境地といえます。
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ブスでデブなのに何人もの男をとりこにして殺した、とされる実在する木嶋佳苗被告をモチーフにした女と、それを記事にする女性編集者の話。
スレンダーな体型を目指すのは、料理教室へ通うのは、男性への媚びなのか?ジェンダーについても含むところが多く、読み応えがある。
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ちょうど読み終わったこの作品,今日の新聞を見たら直木賞候補になっていて驚いた。アッコちゃんシリーズの印象が強い作者さんなので,料理を餌にした家庭的な雰囲気で男達を餌食にしている婚詐欺師…ぐらいの軽い気持ちで読み始めたが。彼女に振り回され闇に引き入れられる周囲の人物
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実際にあった事件を題材にした作品。
この事件がニュースになったときに誰もが疑問に思ったことがテーマだ。
男女の間で、社会の中で、己が何を望み、どう振る舞うのか。そして人をどう評価するのか。それが周囲にどういう影響をもたらすのか。
兎角に人の世は住みにくい。
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本のカバーの手触りからもったりとしたバターの雰囲気が出ている。
ページを捲ればこれまた濃厚な黄色のバター風味たっぷり…お腹が空いている時に読めば美味しそうなご飯の描写に涎が出る。
中盤からはどんどん木嶋の罠にはまるようで苦しい…何が正解で誰が正しいのか。女が成功するためにするべき事や正しいことが何か、もう息苦しくて堪らなかった。
自分の欲に正直に生きることは素敵だと言われるのにも関わらず、何故か欲望のままに生きれば批判される世の中。自分の思うように生きて行くことはなんて難しいことなのか。
それでも沢山の傷を超えて人は強くなるし血となり肉となっていくのだなと読後に思った。
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「butter」っという題名に、「?」と思いながら読み始めました。
なるほど!!奥深いコッテリしたストーリー。本文に「溶けたバターはすぐに再生する。」とあったが まさに この一言に凝縮されいる。美味しいバター、食したくなった(^q^)