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“Catastrophe mania” is a science fiction written by Masahiko Shimada. The story is set in the future of Tokyo, the year of 2036. Main character Miroku Shimada spends some time in a hospital for a new drug trial. At the hospital, one day he is ordered to sleep for long days. After sleeping many days, he wakes up, then realizes that something wrong is happening in Tokyo. First of all, there is no one except him in the hospital. Secondly, infrastructure such as electricity, gas, water, traffic has been stopped and the population in Tokyo has dropped sharply because of the spread of the virus called “Bottleneck”. Now he sees Tokyo is in catastrophe. The latter part of the story is focused on Miroku’s survival life in the disastrous state. He meets various people and have different experiences. Nowadays we sometimes face unprecedented incidents. I think this story gives food for thought in considering an unpredictable future.(じんじんさん)
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治験のバイトで入院していた『ミロク』が、予定外の長い眠りから目覚めると、世界は一変していた。
太陽のフロア爆発による磁気嵐によるライフラインの停止、それに続く謎の感染症の蔓延により人類は滅亡の危機に晒されている。残された人々は、小規模のグループを作り生存の道を模索していた。
「最後の一人になっても、がんばってくださいね」
看護師『すず』にかけられた言葉を頼りに、ミロクは彼女を探すべく動き出す。
久しぶりのがっつりSFものかと思ったのだけれども、舞台装置としてで本質はヒューマンドラマだったようで。
人はどんな過酷な状況でも、与えられたまがい物の幸福より、自ら作り上げていくものだ・・・みたいな感じでよかったのかな。
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2020年という年は、これまでペストや赤痢といった歴史の世界でしか耳にしなかった「疫病」という事件が身近になったということで記憶されるだろう。SARSやMARSなどでその片鱗を見せ、日本では時折インフルエンザで耳にした「パンデミック」というものの恐ろしさを、世界レベルで実感した年となった。東京オリンピックをはじめ、様々な日常がこれに蹂躙され、我々はそれになすすべなく、マスクをしたり頻繁に手洗いや消毒をしたり、あるいは仕事も家に引き籠ってするというこれまでの一般常識的な生活を転換させられた。あまりに微小で目に見えない「敵」は、人間が自分たちであらゆる事物をコントロールできるという思い上がりに鉄槌を下したようにも見える。多くの物事を制御下に置いてきた人間は、自分のコントロール下に置けないものに対する無力さを、一気にさらけ出した。そういえば、オリンピック誘致の演説で、未だ収束の途上だった時に、未曽有の原子力爆発に対して世界中に「アンダーコントロール」と大嘘を吐いた醜い「マリオ」もいた。思えば「マリオ」はこの頃から、呼吸をするように正々堂々と嘘を吐くのが得意だった。
『カタストロフ・マニア』は、感染症が蔓延する近未来、人類の淘汰という陰謀に必死にもがく主人公を描く。淘汰される側は、安全なシェルターでパンデミック被害を避け、地下に潜行して淘汰される者を見ている。世の中は太陽プラズマの放出によって、ライフラインも壊滅しているという状態だから、これまで人間が当たり前に享受していた電力やネットワークも停止し、電力停止に伴い原子力発電所も危機に陥る。人々の生活は、江戸時代以前に逆行した。まさにディストピアを描いた、というほかない。
作者は2017年に本作を発表したらしい。まるで2020年の予言の書のようでもある。このコロナ禍に、2011年3月11日の東日本大震災を重ね合わせたら、『カタストロフ・マニア』はたちどころにリアルな世界を描いたかのように思えるだろう。本書は今年文庫化されるらしい。新型コロナウイルス時代の実用書として読む人もいるのであろうか。幸い、飲食できる時間は制限され、今までラッシュで遅れがちな通勤電車で遅刻の恐怖に怯えながらオフィスに通っていた生活も引き籠りを推奨され、テレビは繁華街を歩く者たちを映して「外出を自粛しない者たち」というレッテル貼りに忙しい。ゆえに本書をじっくり読む時間は、否応なくできてしまう。現代版カミュの『ペスト』として読んでみるのもお勧めだ。
パニックに陥ったとき、人々がどうなるのか。権力者は常におのが身を安全な位置において、庶民を上から睥睨している。「危機感を持て」などという実効性のないアジテーションを叫び、人々の恐怖心を煽り立てる。アメとムチを巧みに使って、国家や市民を制御しているかにみえるが、「やったフリ」をするのに長けているだけなのである意味最も危機管理ができていない。目の前に山積する喫緊の課題は、当然個人レベルで解決できるものではなく、ねじの緩んだ国の指導者に任せていても解決する見込みもない。
今日もまた一日、家に籠って仕事をしている。ならば、本書を読むことは、最も有効かつ有益な現実逃避かもしれない。
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初の島田雅彦さん。ちょっと独特の書き方だ〜〜。台詞が全部「」じゃなくてーーから書かれてるのとか、場面の描写がすごい簡潔でサクサク進む感じとか、入り込むまでちと戸惑った…。
アイアムレジェンドというかウォーキングデッドというかある日突然文明が崩壊した後の世界。
最初はもっと哲学っぽい話になるかと思いきやわりと地に足ついたリアルな展開でした。
しかし、なんだろう、最後までどっぷり入り込めなかったというかモヤったのが、まず主人公の行動の柱になってる看護師さんへの執着がさ〜なんでなん?ってのがあったんだな…なんでそこまで?そして向こうも?え、都合よすぎん??
あ、でも最近人工知能について楽しくて色々読んでるので、なるほどこういう切り口!ていうのは面白かったです。
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あんまり救いがなかった印象だなぁ。最後、A.I.によって人類滅亡が画策されていたことは、現代的だし なかなかだったけど。