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全体がラフな語り口で読みやすくなっている。章ごとに解説や参考文献があり読みやすい。
発酵と腐敗は、人にとって役に立つか害になるかの違い、なるほど!!
文化人類学 レヴィストロース の視座を踏まえている。
文明の思考」はエンジニアで設計図があり、加工していくこと 働くことは自己を豊かにすること
野生の思考」は器用人で「プリコラージュ」あるもので作っていくこと 素材との対話で気づき、発見していくこと。
発酵は、何が起きるかわからない。素材と対話して発見していくこと。
大量生産でなく、地域ごと、生産者ごと、樽ごとに個性が出る。価格競争でなく、個性を売る時代だ。地域創生は発酵から・・夢がある。発見がある本だ。
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発酵を学ぶと「日本人がいかにして自然と向き合ってきたか、日本人の嗜好傾向」がわかる。日本人は自然を崇拝しつつも支配しようとした。でも、持続的サイクルは乱さずに人間を自然の一部のように捉え、里山文化や醸造家の生活からわかるように共存しようとした。しかし、近代以降は大量生産大量消費時代により、こだわりや個性が見捨てられ便利で安価なものが重宝され文化が廃れてしまった。そしてそれを知らない人も数多くいる。現代になるとDIY文化にポツポツとスポットライトが当てられ、従来のライフスタイルや働き方に疑問を抱く人が出てきた。自分もその中の1人。ヒラクさんが広めようとする世界観の波に自分も乗りたいと思った。こだわりや個性、手間を大切にして生きたいね。とりあえず味噌づくりがやりたい。
表現の仕方、様々な分野を行き来した比喩が面白い。ヒラク節って感じ。
自分の美意識を実現するのもいいけど、みんなの創意工夫を発動するためのプラットフォームづくりがしたいね。
■フレーズ
・発酵文化人類学: 発酵を通して人類の暮らしにまつわる文化や歴史の謎を紐解く学問
・発酵文化は伝統と未来のバトンリレー。自分がその結節点になる。
・発酵的贈与の世界。市場原理ではなく、愛と贈与に基づいたコミュニケーション。
・都会の仕事と地方の仕事。人間同士の対話と自然との対話。仕事をする上で大事なのは、そこから何に気づくか。働くプロセスを通して自分の世界を豊かにする。その方法が無数にあるだけ。お金を稼ぐためのものではない。
・こだわりやその人らしさが対話と面白さを生む。お酒も美術も一緒。どんなに写実的でも個性が感じられないとつまらない。
・気に入った専門書は暗記するように10周ぐらい読んで初めて自分のものになる。
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調理師として何か一つ詳しい分野を持ってきたいと思い、前から気になっていた発酵について調べてみようと思い、発酵分野について有名な小倉ヒラクさんのこの本を手に取った
まず内容が、発酵について幅広く、詳しいことまで書いてあり、一見難しそうに見えるが、ヒラクさんの人柄というか、いい意味で軽い感じで文末が締めくくられてあって、面白く読みやすいなと思った
麹菌と呼ばれる日本特有の発酵カビ、ニホンコウジカビがあるということを知って、日本の発酵食品の豊富さと、美味しさの理由がわかった
発酵は、人間に有用な微生物が働いている過程。
カビがデンプンを糖に変え、カビが変えた糖分を、酵母が食べて、アルコールと炭酸を作り出す。
発酵菌と酵素の違いについては
発酵菌がアーティストで、酵素が曲
味噌でゆうと最初の発酵のスターターとなる麹菌は、やがて餌や空気がなくなり、死んでしまうが、麹菌の作り出した酵素は、生きているため、旨味や甘味が作り出されている
発酵文化にはまだまだ奥深さがあり、もっと調べていきたいと思えた。
自分でも発酵食品を作ってみたいと思えたし、せっかくの調理師なので、発酵食品を使った、最高に美味しい料理の研究のしていきたいと思う
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発酵について楽しく学べる良書。
堅苦しい専門書ではなく、あくまでもゆるーく、でもしっかりと発酵の仕組みや文化について語っており、お酒好きな人はそれなりに楽しめる。
読んだ後、味噌を手作りしたくなった。
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『日本発酵物語』がおもしろかったので,その前著である本書も手に取ってみた。
こちらの方は,同じ発酵でも,食すための発酵に限定されている(しかし,あとがきには,大島紬の話なども出てきて,今後の発展を示唆している)。
著者は,まえがきに
この本を読めば、発酵の仕組みがなんとなくわかるのはもちろん、微生物と人間の関わり、僕たちが長年培ってきた暮らしの文化の奥深さ、日本人がどのように「見えない自然と向かい合ってきたのか」というスタンス、そして美味しさや美しさを感じる人間の認知システムのカラクリなど、色んな「ひみつ」が見えてくる。(本書p.17)
と大見得を切っているように(失礼),発酵に対する豊富な情報と人との出会いから学んだことと,ご自分の趣味の世界をクロスさせる,とても刺激的で楽しい本だ。でも,もちろん,発酵に興味がないと読み終えれないとは思うが。独特の文体は,ここでも生きている。あっち行ったりこっち行ったり,呼びかけられたり,確認されたり…。
筆者がなぜ畑違いの発酵の世界にのめり込むようになったのかも,「まえがき」に書かれていて,とても興味深い。
また,各章の終わりには「参考図書の紹介」があり,それにも筆者の興味に沿った紹介文があるので,さらにお勉強をしたい人にはありがたいだろう。わたしも数冊メモらせてもらった。
きっと,今よりもっとお酒が恋しくなり,醸造してくださっている方に感謝したくなり,麹菌に足を向けて寝れなくなるのではないかと思う。
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発酵文化人類学を読んで
この本との出会いは、蔦屋書店にて各ジャンルのコンシェルジュたちが、各々おすすめの本を紹介する企画でみつけたことがきっかけ。
文学コンシェルジェが選んだ本はどのような者なのであろうと気になり、購入しました。そして中身を見ると、「発酵文化人類学」と書かれている。なんだ?このタイトルは?一体どんなことが書かれているのだろうか?気になって仕方がありませんでした。
読み始めてみて、小倉ヒラクさんのフランクな話口と内容の密度の濃さに、やられてしまい、ページを繰る手が止まりませんでした。
そもそもこの発酵文化人類学という言葉自体が、この小倉さんが生み出した造語であるというのがもう面白い。そしてこの方の職業も発酵デザイナーというのだけれど、これも生み出した職業。やることなすことめちゃくちゃかっこいいなと思いました。
この発酵というのものは、他のさまざまなものと繋がりを見せていて、例えばITの側面からも、プログラミング的な理論を用いて、遺伝子の組み替えを行ったりする。人食いバクテリアを人類に有用に活用できるように改造しちゃったりなんて、少しSF味のある切り口からの話もロマンあふれるし、面白かったです。
あとは、ニューギニア諸島の「クラ」という交換文化。これが面白かったなー。
主に腕輪と首飾りを交換するのだけれど、それ自体に意味はなくて、交換する際につける付加物に意味があるのだそうだ。その付加物はもらったものより豪華でなくてはならない、つまりインフレがえげつなく進む。かつこのゲームに参加したらやめられないというすごいルール。こんなの途中で破綻するかと思いきや、この交換文化自体が、円滑なコミュニケーションを図るのだそうだ。すごいよね、気前よく豪華な付加物をあげることで、争いも無くなるし、富の蓄積もなくなるので傲慢な人間も現れなくなる、よくできた文化だなと感心しました。
試しに取ってみて良かったと思える書籍だったし、この企画をしていた蔦屋書店には大いに感謝ですね。
さて、次の本読もう。
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文化人類学と美術を学びバックパッカーとなり、就職してデザイナーとなったのち、独立してさらに発酵を研究、現在は発酵専門のデザイナーとして発酵文化の伝道師として活動、というユニークな経歴を持つ著者の哲学が詰まっている。著者に影響を与えた本の紹介が随所でされているので、次に読みたい本が沢山みつかった。文化人類学の古典的なテーマだという「交換」と「贈与」の話が特に興味深かった。
「みんなみんなで一つの和」
未知の世界への扉を開いてくれた素敵な本。
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予想以上に面白い本でした。著者の説明が物凄く分かりやすい。ドンドン楽しく頭に入ってきます。発酵という微生物を通じた化学反応の贈り物を人間が頂いてる。空気中に漂っている微生物の恩恵を頂いている。微生物も人間も同じ環の一部分。発酵と「冷たい社会」のお話は、先日読んだ斎藤幸平さんの議論に通じる点も感じました。兎に角、日本酒と甲州ワインを探しに酒屋さんへ立ち寄りたくなりました。良い本でした。
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大学で一番面白かった講義は東洋文化人類学だったことを思い出す。「マスターキートン」を読んだ時と同じ知が揺さぶられた。
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すごく素敵なテーマの本だけど、文体が苦手でサーっと読んでしまった。読んだ後にAmazonのレビューも確認したら「文章の端々に『俺』が透けて見える」と書かれていて、わかるな〜と思った。
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日本酒好きで発酵に興味をもって小倉ヒラクさんを知って、面白い人だなと思っていたけどほんとに発酵愛いっぱい✨発酵がますます好きになった本
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一度知り合いに勧められてこの本を読んだが、その時は全然ピンと来なかった。
それから数年経ち、腸内細菌と発酵食品に興味を持つようになり、改めて読んでみるととても発見が多かった。
特に4章の「ヒトと菌との贈与経済」はオススメ。
菌が提供する「気前の良さ」が世界に平和と秩序をもたらしいるっていい話だな。
反対に「憎しみ」と「ずる賢さ」が世界に争いと混沌を生み出してることは、今現実に起きてる戦争を見ていると誰もが頷ける真理だと思った。
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タイトルどおり「発酵」を基点に人類がどのように進化して、どんな文化を作り、自然と共存してきたのか、面白楽しい語り口調の文体で読んでいてとても面白く興味が掻きたてられる。
自然の流れで土地と人と文化が混じり合った結果生まれるものがあるということがよく分かる。人が「おいしいもの」は人が作るのではなく、自然が「おいしいもの」を作る。人はそれを貰い受けているに過ぎないというのを、この書籍からも感じられた。
個人的には気になっていた「すんき」のところや醸造家や味噌蔵の方の話が面白かった。。
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発酵に関して平易に記載。
ただしサイエンス的な話は極めて少なく、文化人類学的な話が主体。
したがって流し読みで完了。
読了30分
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会社で腸活に力を入れていく動きがあり、ちょうど発酵について知っておくと良いかな〜という軽い気持ちで読み始めた。結局腸活ではなく本当に発酵に関する内容だった。
筆者の肩書きは「発酵デザイナー」で全国各地のメーカーなどを訪れて学んだり、ワークショップで味噌作り体験を行っていたり、とにかく発酵にまつわることに携わっている。
発酵というと味噌やヨーグルトなどをイメージするが、その2つは違う発酵をしていて味噌や醤油は麹菌が働いているが、ヨーグルトは乳酸菌によって発酵したもので全く違うものだということが驚きだった。
冷静に先祖は腐らせているものをよく食べたなと思ったし、日本に納豆を定着させた人もすごいなと感じた。
読みやすい書き方だったので知識がなくても入り込める。
とにかくお酒の話になった途端に興味がなくなってしまい後半失速してしまった…