野生のチューリップ みんなのレビュー

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投稿者：amisha　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

チューリップはとても身近な花なのに、その来歴について知っている人は少なく、そして教えてくれる人もいままで、それほどいなかった。
園芸学校時代に、花博で来日したオランダ人から、やっとそれらしい話を聞く機会があったのは四半世紀前。この本は、原種の咲く中央アジアを実際に訪れ、さまざまな種類が野生で咲く姿を写真に収めている。野生はたくましく、神々しいぐらい美しい。作られた美ではなく、厳しい自然環境に適応し生きる姿に感動する。

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投稿者：coco　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

チューリップに野生種が現存すること自体、勉強になりましたし、
実際に野生種が咲き乱れる高原の様子を本書にて写真で見ることができました。

チューリップと言えば、春をイメージしますが、実際は生存競争に打ち勝つ戦略の一環でした。
つまり、他の植物が葉を伸ばすよりも早く、自分の葉を伸ばし花を咲かせるのです。
高原に伸び伸びと咲くチューリップの姿。とても逞しい。

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投稿者：星月夜　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

こちらの本で紹介しているのは、野生のチューリップです。

野生のチューリップは、中央アジアから北アフリカにかけて、咲いています。
天山山脈の西側、西天山と呼ばれる地域に、野生のチューリップが約30種も咲いている地域があります。
チューリップの祖先は、1000万年～2000万年前に、天山山脈の山麓や砂漠地帯で発生したと言われているそうです。

こちらの本では、主にカザフスタンで咲いている野生のチューリップを紹介しています。

野生のチューリップは、球根が厚い外皮をまとって、乾燥した気候に耐えたり、
葉の中の水分をためる為に、葉のふちを波立たせて、表面積を小さくしているそうです。

黄色い花びらに赤いラインの入る野生種アルベンティ、野生種べミアナ、
百合の花のようなスラリとした白い花に、黄色と紫色が混ざる、野生種ブセアナ、
タンポポの中に混ざって咲く、黄色い花の野生種コロパコスキアナ、
赤や黄色、赤と黄色が混ざった花々で、縞模様の葉を持つグレイギ―、
標高1600メートルの高地で咲く、赤と白の鮮やかな野生種カウフマニアナ…等々。

乾いた砂や岩の大地や、高山のような土地に生きていて、
花を咲かせるようになるまでには、10年以上もかかるそうです。

最後に、レッドヒルと呼ばれる丘で、
野生の赤いチューリップが100万本も咲いている写真は、圧巻の美しさでした。

今、ホンキートンクと呼ばれる黄色い原種系のチューリップを、鉢植えで栽培しています。
風にゆらゆらと、波立つ葉や黄色い花びらを揺らしながら咲く様子を眺めていると、
遙か遠い、チューリップの故郷である中央アジアへ、想いを馳せてしまいます。