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宮部みゆきさんの時代小説。
しかしストーリーはSF的な部分も。
個人的にはゴジラを彷彿とさせられました。
時代小説という設定が怪物の恐怖感をさらに大きくさせてて、人間の無力さが伝わってくる。
現代はある程度科学で解明できる部分もあるけど、当時は信仰的な事象も多かっただろうし、そのあたりをリアルに描いている宮部さんさすがだなぁと。
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一言で素晴らしかった。本好きで良かったと思うのは、こうした作品に出会えるからである。
物語自体、飛び抜けて斬新なものではない。しかし、ひとつひとつの背景が綿密で、散らばった伏線が余韻を残しながら、回収されていくのである。この心地よさと驚きにまして、宮部みゆきならではの人物の豊かさと表情が物語に温かみをまとわりつかせる。時代小説家にはかけない、時代小説に思う。読めてよかった。そう思う。
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読み始めてこれはあまりにも荒唐無稽な話ではないかと思った。第四章までこの思いは変わらなかったが、第五章でようやく宮部みゆきの上手さが伝わってきた。
ストーリーや人物を絡めて読者に伝え語る上手さだ。
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久しぶりに、『物語』を読んだ!、という読後の充足感に浸ることができた。
時は元禄、相争う永津野藩と香山藩、それぞれの藩の人物たち、謎を思わせる客人、九死に一生を得た村の少年、そしてなにより前代未聞ともいえる怪物。『物語』の面白さ、楽しさに満ち溢れ、著者の類を見ない想像力と創造力が編み出した時代小説の傑作。
この物語での出来事を、東日本大震災になぞらえることもできるし、「呪詛のちからでつくられた」という怪物を原発と見做すこともできよう。
「よかれと思い、より良き明日を望んで日々を生きる我々が、その望み故に二度と同じ間違いをせぬように、心弱い私こそが、しっかりと覚えておかなければならない」
終盤、語られるこの言葉は、東日本大震災を踏まえた、著者からのメッセージではないだろうか。
いろいろな読み方もできるこの小説、やはり宮部みゆき嬢は類稀なストーリテラーと称賛したい。
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好き嫌いの問題だと思うのだけれど、この著者のこの手の内容の作品はとても苦手。途中からから意欲が減退してしまった。ネタばれになるようなことは書けないので、これ以上踏み込めないけれど。決して退屈な作品ではないと思うのだが。
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アクションは情景が目の前に浮かぶ様で下手な映画を見るよりずっと引き込まれた
流れる様なストーリー展開で集中を切らさずに読み切れた
個人的には悪役がわかりやすい悪役で最後もあっけなくやられてしまうために、対照となる他の人物もちょっと印象がぼやけてしまってる感じがちょっと残念な気がした
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久しぶり本著者の本を読む。本屋で推されていたので、読み始めてまた、著者の技量を思い知らされる。時代が違えば、一つのテーマだけで物語を引っ張って行くのは難しく、調査も多義にわたるだろう。
江戸時代、田舎町で起こった化け物騒動の話。
私が化け物系の話が好きではないせいか、しっくりこない。何か展開も出来過ぎ感を感じてしまい、入り込めなかったな。
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釈然としねー。筆力だけで読まされたような感じ。村が1つ壊滅したというので、それが壮大なトリックによるもので謎解きが始まるのかと思ったら全然違った。
怪物って。時代小説に異生物パニック物を接木して、すごくいびつでわけのわからないつまらない形になっている。出征の謎とかもなぜか全然インパクトがない。あらそう、って感じ。
なんなんだろう、ストーリーが特段面白いわけでもないし、登場人物の内面を深くえぐるわけでもないし、登場人物がめちゃくちゃかっこいいわけでもないし、あまり取り柄のない作品だと思う。
にもかかわらずなぜか読んでしまった。惰性ではあるけれど。なんだか、途中で放り出させない力はあって、それが筆力なのかなーと。
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今年夏の宮部みゆきはコレ。まさかの怪獣小説でした。発表は、「シン・ゴジラ」よりも2年早いので、原発事故を怪獣に代えるのは、宮部みゆきが最初ということになろうか。解説において「シン・ゴジラ」の特殊撮影監督の樋口真嗣さんがつくり手として映画化を挙手しています。どころが、帯にはそれとは別方面なのか、「NHKドラマ化決定!」の文字が。悪い予感しかしないのですが。
宮部みゆきはつくづくスティーブン・キングの愛弟子だと思う。現代サスペンス、SFから時代小説、ホラーをエンタメとして仕上げて秀逸。そしてそれらを我々に提示する時に、最も判りやすいのが「怪物」小説だ。キングも確か同じようなモノを書いていたような気がする。
ともかく、今迄見たこともない怪物を描いて、なおかつ怖い楽しい興味深い、宮部エンタメの極致だろう。
ともかく、宮部の怪獣(神)は、人間が関わり、それをつくった人々が居なくなる頃に、忘れた頃にやって来て、大きな厄災を起こす。つくった者にとって敵側にも、つくった者にとっても、厄災がやってくる、ということでは原発事故に似ているし、人間というモノの業を写しているとも言えるだろう。それを防ごうとする人たちと、それを利用しようとする人たちと。恨みは形となって、人々を襲うだろう。
2017年7月17日読了
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宮部みゆきの荒神を読みました。
時は元禄、陸奥国の2つの小藩、永野津藩と香山藩の藩境にある仁谷村が何者かに襲われ村人はいなくなってしまった。
香山藩の小日向直弥は調査のために仁谷村に向かいます。
永野津藩と香山藩の確執、現れた怪物と戦う侍たち、怪物の出自の物語、面白く読みました。
特に怪物の描かれ方がシン・ゴジラと似ているのが面白いと思いました。
気になるのは怪物が村を襲う時のシーンは以前どこかで読んだことがあるような気がしたことです。
あれ、同じ本をもう一度読んでしまったかな、と思ったのですが、ブクログに記録した内容では荒神は初めて読む本のようです。
不思議ですね。
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江戸時代の怪物の物語。人間の優しさと残酷さを痛感した。登場人物が沢山いるが、キャラがみんな、たっている。
分厚い本だったが、どうなるのかとページをめくる手がとまらなかった。
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おもしろいけど、作者の他の時代小説とはちょっと経路が違って、途中で「あれ~??」みたいな? 何て言ったらいいか…。まあ、おもしろいですけどね。
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様々なジャンルで括ることができる作品です。時代小説でもあり、伝奇小説でもあり、ミステリー小説でもあり、そして怪獣小説でもあります。人によっては小日向直弥の成長小説として読む向きもあるかもしれません。
一つ確実に言えるのは、どの面から眺めてもよくできているということです。
宮部さんはデビュー以来さまざまな形の「悪」を描き続けてきました。心の奥に潜む目には見えない悪(悪意)が人の手による事件という形で露になる、というパターンが多かったと思いますが、本作に関しては暴れ狂う怪獣という形で登場させるところが、言葉は悪いですがぶっ飛んでいます。
一読した後で冷静に振り返ると荒唐無稽な設定に感じられることも確かなのですが、一方で読んでいる間はほとんど気にならず、物語にどんどん引き込まれていきます。
本作のもつ強い吸引力を下支えしたのは、月並みですがやはり登場人物たちがみな魅力あふれるキャラクターだったことではないかと考えます。強さ、弱さ、そして影の部分が一人一人に対してきちんと描き分けられていたからこそ、彼らの言動一つ一つに強く引き付けられました。
もちろんストーリーの面白さという点も大きい。特にラスト近く、怒涛のごとく畳みかける展開はさすがの一言でした。
こういう作品にはなかなかお目にかかれません。
というか、現存の作家で本作のようなものを描けるのは宮部さんぐらいしかいないと思います。
とにかく感服しました。
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宮部みゆきさんの時代小説(?)、久しぶりに読んだ。細部にわたるキャラクターが生き生きとして魅力的なのはさすが。これ、NHKがドラマ化するらしい…どうやって!?