紙の本
裏玉依姫。
2018/04/23 15:04
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻、「玉依姫」の裏側というか、山内ではどのように見られていたか、という内容。時系列的には「空棺の烏」の次あたりだろうか。
読み終わってから表紙をしげしげと見直すと、そこにあるのは「まつろわぬ神」のイメージなのかなと思う。
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楽しみに楽しみにしていた烏シリーズの最新刊。
発売日前に丸善で買えたので、嬉しくて嬉しくてすぐに読み始めたのだけど、やっぱり最初から読み直して最新刊を読みたいと思い、二作目の烏に主は‥から再読。
何度読んでも面白い。前作の私的にガッカリした「玉依姫」は再読予定はなかったのだけど、ちらっと読んだ最新刊で、当たり前だけど「玉依姫」ときちんと繋がっている気配がしたので、やはりきちんとこちらも再読。
駄作だと思った「玉依姫」だったけど、再読するとなるほどーと。よく出来てて面白いと評価がなり変わった。
そして最新刊。「玉依姫」との連携ったらないわ。
あの大怪我をした八咫烏は誰だったの?とか、繋がる繋がる。
あの時、烏側ではこーだったのかと。
若宮の苦悩、浜木綿の気持ち、烏たちの戦い、ますほの己に対しての向き合い方、神話などまー盛りだくさん。
第1部の完結とのことだけど、山内は今後どうなるのだろう?
ますほ、雪哉など中途半端なまま終わってしまったので、第2部でも登場してほしい。
作者によると、第2部はなにやらショックを受けるらしいけども。
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前作の『玉依姫』でかなりガッガリしてしまったので、迷ったのですが、やはり文庫まで我慢できず、koboで購入。
今まで、気持ち悪い人格の持ち主は、あくまで脇役たちだったのですが、今回は、金烏も雪哉も、ある意味すごいサイコパスで…。
最初のうちは、バタバタ死んでいく烏たちの姿に、泣いたりしてたんですが、途中からちょっと引いてしまった。
やっぱり、『玉依姫』からおかしくなった気がする。
正直、奈月彦と雪哉だけは、そのままであって欲しかったなぁ。
でもね…、壊れてしまう必要があってのことだと、分かっています。一度ぶっ壊すことで、彼らは成長することができるからです。
今までの奈月彦と、雪哉は、彼らの一面を見せていたに過ぎなかったのです。もちろん、人間には、たくさんの顔がある。多面的な生き物ですから、そこを描く必要があったのでしょう。
家族や身内には、すごく優しくて、何としても護ろうとする母のような性であったとしても、そのほかは一切構いもしない、無情な人間だっているでしょう。
弾かれてしまったら、二度と彼の護りの中に入れてもらうことはできない。弾かれた方は、なぜ弾かれたのかも分からない。そこには、本人の独善的な価値基準があるだけだから、他人には、理解もできないでしょうね。
しかも、本人は、その偏った価値基準は、何も間違ってないと、平然と思っている。周囲の人間も、同じように考えるに決まってる、考えるべきだと思っている。
こういう人って、本当にいますよ。べき、で思考回路が固まっている人間ほど、狭量な生き物はいない。それがおかしいことに、本人だけは気づかないのです。
そして、相手に斟酌せず、加害者に怒りしか覚えない人間もいる。
悲しんでいる、苦しんでいる、喪ったことを許せない。
加害者を恨んで、心の均整を取ろうとするのです。
それは、仕方ないことではある。誰もが、きっとそのステップを踏まないと、先には行けない。
でも、その怒りの下には、なぜ自分には何もできなかったのか、惨劇を防げなかったのか…という、自分の不甲斐なさへの悲しみが隠れていることが多いのです。
怒りは感情に蓋をする。その下にある、自分の本音に向かい合う気力を、根こそぎ奪ってしまうのです。
雪哉は、自分を一番許せなかったのでしょう。
怒りは期待を裏切られた時に出てくる、防衛反応の一つとも言えます。雪哉は、自分に失望したのです。
そういう自分から目をそらすと、怒りは外に向かってしまいます。この場合なら、猿に向かってしまったわけです。
でも、彼らは、全てが終わった後、ひどく後悔に苛まれます。それは、きっと、何かを間違えてしまった、と思っているから。何か…それは、感情の発露の仕方といってもいいかもしれない。私たちも、怒りをそのままぶちまけると、だいたい後で後悔するものです。
大切なのは、傷ついていると受け入れること。守れなかった、守り方を間違えたと、後悔している自分を受け入れて、許すことなのです。
最後の数ページで、それぞれのやり方で、二人はそれを手に入れたように思います。
気持ち悪い展開に、我慢した甲斐があったのでしょうか。
と、ここまで分かってはいますが、それでも『空棺の烏』までの精緻な筆運びが、やはり欠けている気がするのです。1冊に詰め込みすぎ、語りたいこと整理しなさすぎ、と思います。
なので、⭐︎ちょっと減らしました。
著者なら、もっと書けるはずと思うのです。高校時代のプロットのままの、『玉依姫』の稚拙さに、引きずられてしまっています。
第2部もあるとのこと。少し整理をして、ゆっくり時間をかけて、書いてくださるといいなぁと思います。期待しています。
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あーー終わってしまった....
最後まで、読み手の想像を超える展開。
名前のくだりは、千と千尋の神隠しみたいだったり。
八咫烏シリーズは終わりだけど、次作も作者の作品は読みたいと思う。
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八咫烏シリーズ第一部完結巻。
シリーズの中でも空棺の烏が一番好き。その中に出てくる、今作では山内衆になっている雪哉を始めとする仲間たちが猿との最終決戦に挑む。
これまで絶対的な自信と判断力で八咫烏の長・金烏として、皆を導いてきた若宮・奈月彦。だが、今作では自身の判断に迷い、金烏としての自信を失いそうになっている。山内という閉ざされた世界では絶対的な力を持つ金烏も神域、外界に出ると小さな存在であるということか・・・
猿の大君がとった行動、理解しがたい。そして、若宮に告げた昔話も雪哉ではないが真実かどうか証明の仕様がない。それぞれの立ち位置で物事を見れば、善悪でとらえられることではないと感じた。
苦悩し、揺れ動く心の若宮に対し、雪哉は最後までブレなかった。登場した時から彼が言っていたこと、『大切な家族を守りたい』一見、私怨とも思える冷徹さで猿に挑んだとも思えたが、すべてはこの発言によるものだったんだと思う。
今後、山内がどう変貌していくか、第二部を待ちたい。
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前作「玉依姫」と対を成す本作。
前作を読んでからだいぶ経っているので記憶は曖昧だったのに、本作を読み進めていると、フラッシュバックのように、人間界サイドの物語がよみがえる。
「正義」を免罪符のように振りかざし他者を糾弾するのは如何なものか、と家人と話した直後である。
願わくは、雪弥にもいつか赦しと救いを。
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#八咫烏シリーズ #阿部智里 第一部おわったぁぁぁぁぁ!
第一巻第二巻で巧みに表裏を書き分けた阿部先生、
今回もその手法を取り込みつつ(あああ、『玉依姫』、こちらを読む前に再読できなかった!)壮大なストーリーを一旦閉じられました。
ありとあらゆるものが溢れるこのリアルで、
既視感のある場面は当然ありますが、でも、この世界には圧倒されました。
本当、第一巻を読んだときはラノベとか、ラノベ単行本(新文芸)かと思った。せっかくの文春だけど、そちらの棚に挿せばいいと思った。松本清張賞って、こういった物でもいいんだ、って驚いた。
でも話が進むにつれ、これはとんでもないものだと引き込まれていった。
第二部ってどうなるの!? お付き合いいたします。私が生きてるうちに(まず大丈夫でしょうが)本当の完結が読みたいです!
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シリーズ5巻の、山内側から見たストーリー。
いつまでもずっと同じことなんてなく、日々刻々と変化はある。
その変化に対応できるかどうかは自分の気持ち次第…
話の中の興亡をみて、なんだか現実に引き戻されました。
全然関係ない異世界ファンタジーなのに…
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前作の『玉依姫』と同時進行で話が進んでいる。本書で第1部完結とあるが、第2部はどのような展開があるのだろうか?
山内の今後も知りたいとは思うけれど、第2部なくてもいいんじゃないかとも。。
奈月彦はどんどん金烏らしい見せ場は減ってるし、雪哉は昔はネコをかぶっていたのかと思えるくらい捻くれて見える。
当初の「うつけ」の若宮と「ぼんくら」近習の少年・雪哉という若き主従の活躍で通して欲しかった。
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【八十万部突破の大ヒットファンタジー完結!】猿と八咫烏の最終決戦。若宮は名前を取り戻し、真の金烏となれるのか。壮大な異世界和風ファンタジー、感動のクライマックス!
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前作の「玉依姫」では若干拍子抜けしたところがあったので今度こそはと期待していました。
山神については前作で何となく関係性が分かり最後に猿との関係が明らかになる。しかし、怨みでこの状態までもってきたのは凄いが果たしてどうなのか個人的には疑問に思うことがしばしばあった。
これが最終話と思ったが終わり方が微妙だったので、今後どう続くのか含めて楽しみだし期待してしまう。
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玉依姫を読んでいるため、展開に対してのワクワク感がなくて残念。こちらを先に読んでいたら感覚も違ったかもしれない。しかし、後半は玉依姫を読んでいないと言葉や展開についていけないかもな、と思った。
登場人物が増えて、それぞれの目線から物語が進む部分もあるものの、展開が先行している感じがした。心理描写が少なくて、それぞれがどう感じているのかが掴みきれなかったような気分。
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こういう結末か…!まさか。
あんなに振り回されていた雪哉、泣けるようになって良かったよ。
これからの彼らの話が出たらいいな…。
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久しぶりに発売日に新刊を買いました。
図書館で順番待ちするなんて考えなかった。
そんな本、どれくらいぶりだろう。
その日のうちに読み終えてしまったのも、ここのところないことでした。
八咫烏シリーズは、新刊を読み終えた途端に、遡って前の本が読みたくなる。実に面白い。
何度も何度も楽しめる。
どっぷり山内の世界に浸りきることができる。
素敵だわー。
もっともっと楽しませてほしい。
もっともっとあの世界を知りたい。
幸せだ。
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「玉依姫」であやふやのままだったところが、
明らかにされた巻。
でも、なんかスッキリとはしないな…
だいたい予想した通りの展開で、いつもの大どんでん返しがなかった。それは残念
それでも、この世界観にわたしはもうすっかりどハマりしてるから、今後も楽しみ。次巻では、物語が良い方向に進むことに期待!と言うか、今後、どういう展開になって行くのかこれっぽっちも想像できない!!
雪哉のひねくれたところが好きだったのにこの頃度を超え過ぎてて、間違ってはないと思いつつも、心配でならない。茂丸がいたらなぁ…
あと、表紙の女性はダレ?