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戦争について独特な角度から描いた物語。
音楽の物語かと思って読んだが、一種の推理小説のような印象を受けた。
物語中ずっと謎なことが残っていて、後半の長い手紙において真相が明らかになる。衝撃的な手紙。
よりよい生き方とはなんだろう。
それにしても、音楽の力って不思議だなぁ。
国境を越えて気持ちが伝わるし、仲間意識が高まるし、元気になれる。
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昭和の評論家であり教育者である竹山道雄の代表作。
戦争を知っている日本人が戦争を描いた本を読む機会が意外と少なかったため、この本は、自分の価値観を問い直すよいきっかけとなった。
内容は、ミャンマーにおいて終戦を迎えた日本兵の、相容れない希望と義務感の葛藤を描いたものだが、極度な資本主義に警鐘を鳴らすなかでも、じゃあ共産主義がベター、とならないところにこの本の良さがある。
竹山氏自身、"先進的な思想家"がほとんど左寄りだった時代において、公然とそれを批判された方だったらしい。
ぜひ、他の本も読んでみたいのだが、「門を入らない人々」がGoogleさんを以ってしても見つからない。いずこ。。。
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小学生の頃、映画で見た。
記憶に残っているのは、おばあちゃんの
「死にました。わからんけど、死にました」
という台詞のみ。内容はまったく覚えていない。
以来数十年が経ち、ふと思い出したように、文庫本を手に取った。
最初は、その抑揚のない書き方にリズムを合わせることができずに苦しんだが、途中から引き込まれていき、その苦しみから解放された。
内容的には大きな感動もなかったが、
「なるほど、こうゆう物語だったのね」
という、ずっと心に残っていた、支えのようなものが取れた。
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太平洋戦争後が中心となる話で、旧日本軍人の亡骸に動かされてミャンマーに留まり鎮魂をしていく主人公、水島。
戦争の悲惨さを直視し、その後の人生を変えた水島は潔い。かっこいいとも思う。
映画もあって、オリジナルもリメイクされた中井貴一さんのも観ました。どちらも感動しますが、中井さんが演じる水島がせつなさを強く出していてもの悲しくなり。
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涙無くして読めません。それに、文明が進んだことによって、毎日忙しく生きている我々は幸せなのかなあと考えてしまいました。
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最初に読んだときは私には早すぎたのか、「なんで一緒に帰らないんだろう?」とすなおーに思いました。年月を経て、数回読みましたが、今はなんとなくわかります(いい加減な言い方ですが「よくわかる」というのも無責任な気がして言えません)。
結局、どんな理由をつけても戦争は「死」なのだと感じる本です。
映画(?)で中井貴一さんがやっていたような記憶がかすかにのこっているのですが、機会があれば見てみたいです。
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戦後の若い人に向けて書いたということだから、南方の戦時をよく表している内容ではもちろんなく、重ねて物分りのいい慈愛に満ちた人々に溢れかえったビルマに改めて文句を言う人は少ないだろうと思う。
僕は本作を読んで、テグジュペリの世界を思った。ほこりのように消えていく人達がふわふわと漂いながら何かを待っている様子に、乾いた視線が対峙する描写などそっくりだと思った。
余聞か解説に書かれているように、おそらく水島のような日本兵はいなかっただろうと僕も思う。理想的に言えばありえべからずの話ではある。が、しかしそこはビルマのうっそうとした森の中で、戦場として駆け回った場所であるからそのままに……というのは考えにくい。はっきりと生と死が分かれてしまって、戦争は終わったときに何を感じるかはわからない。わからないが、こういう小説が書かれたことは素晴らしいことである。その上で知るべきである。
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なぜか高3のときに読書感想文の本に選んだ
ほんといい話・・・
ラストは本心は釈然としなくて納得できないんだけど、なるべくしてなったんだろうな~と思う
インドネシアでの人を食べる民族のシーンは衝撃的だったー
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太平洋戦争でビルマに出兵した日本兵の物語。児童文学というカテゴリーだが、非常に奥が深い。日本人の生き方とビルマ人の生き方を比較して、人間の生きるべき道を考察している。ストーリー展開自体も面白く、どうなってしまうのだろうとワクワクしながら読めた。
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このような作品が今後も多くの人々によって読み継がれ、今の日本がどのような過ちを犯した上で存在しているのかを、人に代わって語っていってほしいと願います。
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この作品を昔テレビで観たなあとぼんやりと思い出し、慌てて読んでみた。
あまり面白くないだろうと思っていたけども、なかなか考えさせられる内容が入っていて私は一気に好きな本になりました。何がどう正しいのかなど言い切れないけど、彼等(水島も隊長達も)は間違ってはいないと私は思う。
また時間が経って読むと違った感想が出るのだろう。
いろんな人に薦めたいな。
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テーマは重いがやさしい本
空想の物語。ビルマのこともよく知らないで書いたらしい。
作者はドイツ文学者で、唯一の小説著作とのこと。
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最初に読んだのは中学生の頃だっけ。30年ぶりにこの名作童話を手に取ってみた。
戦後の混乱期、誰もが生きることに精一杯な世の中で、死者を敬う気持ちを持つことの正しさ、すばらしさを教えてくれる。
竪琴が象徴する音楽と、未開国ビルマ国民の生活の中心である信仰心。人が殺し合う戦争の中で、この2つの役割は大きいのだなと思う。
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おもしろかった。
インコに本音の言葉を話させるという、技に脱帽した。
小説としてのおもしろさがしっかりしている。そのため、戦争や、宗教色をえがいていても、暗さや説教臭さはほとんどない。
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やさしい、柔らかい感じの文体で好感度◎。
第二次世界大戦でビルマへ送り込まれた日本兵のお話。
ビルマ人に扮して自作の竪琴をかきならし敵兵の目を欺く(水島)など冒険的な内容あり。かと思えば山奥の部族との心温まる交流、歌と音楽を通して敵兵とすら心を通じあわせることができるという、ハートウォーミングな物語でした。戦争という殺伐とした環境下にあっても音楽は人間のすさんだ心を柔らかくほぐしてくれる。
敵も味方も故郷を愛する気持ちや家族を想う気持ちになんら差はないのだなぁということを強く感じました。
水島からみんなへ書いた手紙の中で、「人間全体」の救済について語られるが、ココ、さらっと書いているようで深い…仏教の観念から来る人類の精神救済や、功徳について考えなければ水島上等兵の言葉を真に理解することはできないでしょうね。
ところでビルマの当時の小乗仏教てどんなだったんだろうね。