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【日本が誇る哲学者が、先人達の道をたどった最後のエッセイ】徹底的な皮肉屋ソクラテス、最低な性格のハイデガー…古代ギリシャから現代まで、偉大な哲学者を自身の体験を踏まえて紹介。
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哲学者のエッセイで羊皮紙やパピルスに思いを致すようになるとは思わなかった。文章が上手い。まるで喋っているよう。
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木田元の遺著。ヨーロッパ哲学の歴史に沿って,しかも著者自身が抱える疑問という視点から,哲学者たちの生い立ちを語る「哲学散歩」21篇。エッセーとは言え,それぞれの項目を書くのに新しく参考書を読んで興味深い話を仕込んできている。胃癌の手術後で体調がすぐれない時期もあったろうに。著者が最も詳しいであろうハイデガーについては,調べるほどに性格の悪さが目立つそうだが,それと裏腹に彼の思惟の強靱さは否定しがたいと言う。言われて気づいたこと。「近代に入ってからも,哲学者には概して独身者が多い。…ブルーノ,ベーコン,ホッブズ,デカルト,ガッサンディ,パスカル,ロック,スピノザ,マルブランシュ,ライプニッツ,ヴォルテール,カント,(…)ショーペンハウアー,ニーチェ,ヴィトゲンシュタインと続くわけだから,哲学者と女性はよくよく相性が良くなかったらしい。」(165頁)