紙の本
思い出がつまっている文房具のような画文集
2017/10/25 15:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本でもなく、エッセイ集でもない。
絵本作家でもあり挿絵画家でもある酒井駒子さんが書いた(描いた)この本は画文集と呼ばれるらしい。
画と文、確かに言い得て妙な言葉だ。
酒井駒子さんの絵のファンは多い。
私もそのうちの一人といっていい。
酒井駒子さんの装幀画でその作品を読んでみたいと思うこともしばしばある。そういう画家さんはあまり多くないだろう。
だから、酒井駒子さんは稀有な画家だ。
その魅力は何だろう。
そのヒントがこの画文集にある。ここに収められた数々の絵に描かれている少女や少年、いやもう少し年は若い。つまり幼年期の男の子や女の子。
彼らが持っているのは無垢な心だけではない。幻想的であり、さらにいえば邪(よこしま)な性を、酒井駒子さんは隠そうとはしない。
つまり、そこには妖精もいるが魔女もいる。男もいれば女もいる。
それが陽炎のように立ち上がっているのが、酒井駒子さんの絵の魅力ではないだろうか。
この作品はもともと『ちくま』という雑誌に「引き出しの森」と題されて連載されていたそうだ。
そういえば、酒井駒子さんの絵は「引き出し」にしまいこまれた文房具のようでもある。
懐かしくもあり、切なくもある。
思い出がつまっている文房具のような、画文集だ。
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
画集は見たことはないと思うが読んで見ると見覚えがあるものに出会いそうな、とても、懐かしい感じがする絵だなと思う。是非いろんな画集を見てみたい。
紙の本
淡々とした日常
2018/01/06 22:40
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投稿者:がす - この投稿者のレビュー一覧を見る
日々の出来事が淡々とした筆致で綴られています。想像していたものとは少し違いました。
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酒井駒子さんの、私的なノートのような、小さなエッセイというか、日記。
本当に好きで、共感してしまう。この人に。
駒子さんの周りでおこる小さな営みを、苦く、美しく、誰にも媚びず、どこか可愛らしく言葉にして…駒子さんの描く絵、そのものだった。
意地悪な女の子のようなキリッとした精神がある。
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淡々とした短いエッセイ。
朝の時間帯に読もうと手に取る。
山の生活、森の風景、息づく動物の気配。
どれも情景が浮かび楽しめた。
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エッセイは月並み。
絵は絶品。酒井さんの真骨頂は絵にある。
不安定な構図ながら、なぜか安心しきった者が、そこにはいる。
死を思う安心かな。
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「森のノート」酒井駒子著、筑摩書房、2017.09.10
158p ¥2,268 C0095 (2017.09.12読了)(2017.09.12拝借)
【目次】
子犬
糸蜻蛉
足跡
枝
鳴き声
サッシャ
ハナアブ
絵本
カラスアゲハ
鳥たち
〔ほか〕
内容紹介(amazon)
日常の暮らしの片隅にそっとたたずむ、密やかな世界を愛する人、集合! 絵本作家・酒井駒子さんの静謐な作品と不思議なエッセイで織りなす初めての画文集。
内容(「BOOK」データベースより)amazon
小さなトンネルの向こう側の森は、秘密のような、よその世界のような感じがする。静謐な絵と驚きに満ちた言葉が、ともに響きあう珠玉の1冊。
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絵につられて購入。短いエッセイ?と一枚のイラストが載ってるけど、挿絵ってわけじゃなかった。小さい子から少し大きな子や猫が、特にポーズ取るわけでもなくそこにいるのが好き(^ω^)
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酒井駒子さんの「くまとやまねこ」(湯本香樹実・文)は大好きな絵本です。二匹の猫と暮らしている絵本作家、酒井駒子さんの「森のノート」(2017.9)、36編のエッセイで、それぞれのエッセイに、あの、酒井駒子さんの絵が添えられています。「鳥たち」「家」「シジュウカラ」「音」などが印象深いです。
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森と東京とを行き来する暮らし、たくさんの植物や生き物たちそして猫たちに囲まれた暮らしが、うらやましい…。
森での神秘的な話がちりばめられているのかなと手にとりましたが、なかにはくすりと笑えるようなユーモアあふれるお話も。
そして何より酒井駒子さんの絵が、美しい一冊。
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図書館で借りた本。
絵本作家さんの作品で、どこかで見たことのある挿絵たちは、懐かしいような切ないような気持ちになります。とても短いエッセイは、淡々としていて、情景が目に浮かぶようでこれまた切なかったり、懐かしかったり。自分でもどうしてこの本を知ったのか、なぜ予約したのか不明だけど、出会えてよかった一冊です。
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小さなトンネルの向こう側の森は、秘密のような、よその世界のような感じがする。静謐な絵と驚きに満ちた言葉が、ともに響きあう珠玉の1冊。
酒井さんの絵が大好きで大人になってから絵本を読むようになりました。子供の絵が多く収録されている本作ですが、どの子も味わい深く素敵です。文章も日々酒井さんが感じたことを細やかに淡々と綴る感じでくどくない。そっと添えられる言葉たちをしみじみ感じることができます。ただちょっとコンセプトとして謎だな、と思ったのは文章と絵が全く連動していなくて、セットにした意味がよく分からなかった。これ画集とエッセイで別でも良かったのでは?それかきっちり前半後半で分けるとか。
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2017.10月。
純粋で不安定で怖いくらい愛らしい子どもたち。酒井駒子さんの絵をみるとなぜこんなにも胸がざわつくのだろうか。引きずりこまれる。濃厚な森の空気溢れるエッセイが不思議な世界を見せてくれる。繰り返し読んで、森へ連れて行ってもらおう。
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独特の雰囲気を持つ本。
酒井駒子さんの世界観がこんな感じなんだろうな。
柔らかいようで、冷たく暗い雰囲気が漂う。
だけど、温かみもある。
ちょっと怖い。
活字風の書体も、その雰囲気に一役買ってる。
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ひと目見ただけで印象に残る絵で、つい手に取ってしまいました。一枚一枚の絵がストーリーを持っているように語りかけてきます。添えられている文章と絵があまり結びつかなくて少し混乱(ごめんなさい)。 絵だけで十分楽しませて頂きました。