紙の本
嵐と凪のような夫婦の暮らし
2020/03/30 22:30
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラッパー・ECDと、写真家・植本一子の生活。植本一子さんの著作はいつも嵐のようなエネルギーを発して、息を詰めるように読むのだが、夫であるECD氏の視点が加わるとずいぶん印象が違うものだなぁと思う。ふたつの才能ある個性のぶつかり合いがあって、密かにヒリヒリするシーンもあるけど、ふと、穏やかな凪のような日々もあってホッとする。植本一子氏の本は漏らさずよんでいるけど、ECD氏の文章を読むのは初めて。一昨年、早世し、もう新作は詠めないけれど、既刊があるので手に取りたい。
紙の本
なんというか
2018/10/09 00:05
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投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
ECDさんのことを知ったのはカウンターの活動をされていたからで、最近になって彼の作品に触れたものなのだが、この人は誠実な人だなぁと感じた。
植本一子さんの写真も味があって好きだ。
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一気読み。
この間のDOMMUNE同様、文章の響き方も変わるんだなぁ。一子さんの写真も響き方が変わる。両名のあとがき+窪美澄さんの解説も素晴らしいので、単行本持っている人も必読の書です! 余談ですが、代田橋に引っ越して良かったなと思える事の内の1つは、石田家の生活とすれ違える事です。ECDの綴る生活が大好きだ。
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よくできた本で文体もしっかりしていて著者すごいなーと思うけど。
著者と奥様の生活がしみったれていて読んでいてすごく辛い気持ちになる。ペット禁止の物件で猫三匹飼育とか、解約時のゴタゴタを想像してほんとに暗い気持ちになる。熱い恋をしていた2人が冷め切ってしまったりするのも、ふんわりと絶望する。
でも著者のことはほんとに応援している。
点数が低くて申し訳ないが、ほんとにしけた気持ちになってしまって、どんよりしちゃうの。奥様の情緒不安定エピソードもめちゃくちゃ怖いし。これやられたら俺耐えられないなーって思う。
ほんとに申し訳ないのだけど、漢氏やサイプレス上野氏みたいな景気のよい本の方が自分には向いているようだ。
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好みの問題かもしれないが嫁の本より読みやすいし冷静だ。哲学も感じる。結婚してからなぜライブに緊張するようになったかの分析など秀逸。
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文才を含めた石田さん自身に、今でも尊敬があるからだ。そう考えると、やっと石田さんの元から巣立つことができたのかもしれない。そんな人と夫婦という関係でこの10年一緒にやってこられたことを、今更ながら財産のように思う。(植本一子)
一子さんの本は「かなわない」と「家族最後の一日」を読んだけど、ECDさんの文章を読んだのは初めて。
確かに、二人の文章の語り口は似ている。
ECDさんが亡くなった今、一子さんがどういう思いで日々を送っているのか、彼女の文章で聞きたい。
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植本さんの本を全部読んでから読んだ。
時系列が前後していて、順番を並び替えたらいいのになあとは思いつつ、とても興味深く読んだ。
自分も「感情が読みづらい」「何考えてるか、わかんない」なんてよく言われる人間なもんで、ECDさんに共感を覚えたりしている。
僕が読んだ文庫版には、癌の告知を受けた後のあとがきが書いてあり、死について考えてしまう。
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はじめて読む石田さん側から書いた本。この後の10年を先に読んでるからか、穏やかで(不穏さも垣間見えるけど)初々しい2人がこそばゆい。石田さんの幸せそうなことったらない!あぁ、こそばゆい!この幸せ溢れるところを淡々と受け止めて、日常の事として書いてるのが却ってリアル。そして、間の植本さんの書いた"ビギナーズラック"がとても良い。出産後の数日のことって覚えてるけど、ちゃんと記録しておこう!と思ってもしてない、できてないもの。母親の不安、夫や助産院の方々の優しさ、その瞬間が収められていてとても綺麗。生まれた時のこと話して聞かせるよりも、くらしちゃんに読ませてあげたい。
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単行本は2009年刊行。同棲から長女の出産までの期間(2007年から2008年までの間)のことが主に書かれている。植本さんの本でしか知らなった石田さんのことを知る。どんな風に生きてきた人なのか、そして植本さんとの生活をどんな風に過ごしていたのか。
植本さんの文章の処女作が掲載されているのだけど、最初からこんなに書けるのかと驚く。とはいえ、本をよく読む人という印象があったので、納得といえば納得である。
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石田さんの文章は落ち着く。
でも、実際の生活ぶりを読むと、ちょっとひく。
いちこさんの激しさもなかなかだけど、石田さんの側から読むと救いがある。
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淡いピンク色の鯛の落雁 どこまで進化しても動物は海鼠と同じで口から肛門まで一本の管でしかない ひとつの林檎と二人の視点 窪美澄 穏やかな諦念
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ECDの視点で描いた結婚から出産に至る日々の物語。アパートのゴミだらけの部屋で一人、崩壊した生活を送っていたところから、家族のいる、人間らしい暮らしに徐々に溶け込んでいく姿から、他人の与える影響の大きさを感じる。
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一子さんとのお付き合い〜結婚・子育てを経て移ろうECDさんの生活が手に取るようにわかる。自身の内面の変化について「いちこと付き合って初めて自分の子供を作ろうと思ったその変化以上に大きな変化は思いつかない」とあったけど、エッセイを通じてECDさんの数年を覗き見れば、きっとそんなことないでしょと思う。人柄や文体こそ淡々としているかもしれないけど、暮らしを営む中で夫/父親としてのECDさんが醸成され、愛情を携えた静かな眼差しを家族に向けていることは想像に容易い。側で見てたら顔つきだって変化してるんじゃないかな。