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前情報無しに読んでたらまさかの黒澤登場でかなり嬉しくなった!相変わらず黒澤は冷静で独特でおもしろい。泥棒なのに律儀だしね。今回は「レ・ミゼラブル」のような言い回しらしく、ちょいちょい作家目線?のような文が入るんだけどそれまた面白くて伊坂さんの書き方はやっぱり大好き。
今回も悪党なのに何故か憎めない悪党や、本当にサイコな悪党は最後にきちんと成敗されるところとかもとても良い。
オリオン座が好きな折尾さんとか、いとしの綿子ちゃんとか名前もおもしろくていいね。綿子ちゃんは善人なのに最後まで悪党の旦那さんを信じてて偉い。よく失望しなかったなぁ。いつも伊坂さんの書く女性は強くて良い。
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黒澤さん大活躍。緻密に計算され尽くしたドタバタ劇という矛盾を、あっさり成立させてしまう巧みさに感服。
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今回は、この人たちが絡んでるのか。ワクワク。
伊坂さんの得意技が出ている。(いつものことか(笑))
途中から「え?そうなの⁉︎」…そういうの、気付きませんでした…まんまと気付かなかった、自分万歳!最大限楽しめる。
そんなこんなで、面白かった!
読み終わったら、ええっとどのへんかなぁって探したくなる。
『レ・ミゼラブル』
私も読んだことがある。長いよ、あれは…(電子書籍で読んだけど、紙本で岩波文庫7巻分)
数ヶ月かかったような。
解説がかった箇所は苦痛にもなるので読むスピードが落ちるが、ストーリーはとても感動する。号泣もの。
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「でも星座って分かりにくいよ。無理やり点を結んで、これはサソリに見えます、と言われても、ぴんと来ないし、こじつけがひどい」
(兎田孝則)
もう一度読み返したくなる!
相変わらずの沢山の伏線、文中作者の語りが入ったり、安定の泥棒の黒澤登場と盛りだくさん。
オリオン座を語らせたら右に出る者がいないオリオオリオこと折尾豊は特別印象に残る。
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『いや、面白かった〜』ともう一度
最初から読み始める。
きっとそれは、全く違う小説になっているはずだ。
これこそ小説の醍醐味だと思う。
小説が持つ可能性というフィールドを
縦横無尽に軽やかにストーリーは駆け回る。
それが心地いい。
そして、語り口!
(彼)に言わせると古い手法らしいが、
その語り口は、独特のユーモアとリズムを
この本に与えている。
面白い小説を読んだという充実感がすごい。
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誘拐を生業としてきた兎田。合理的でシステマティックな仕事をこなしてきたが、その元締めである会社で起きた内部割れの騒動に巻き込まれ、最愛の妻を誘拐されてしまう。
会社から探すよう言われた人物を見つけなければ妻に何が起こるか誰よりも知る兎田は懸命にその要求に応えようとするが、不本意にも立てこもり事件へと展開してしまう。
事態は悪くなる一方、兎田は妻を救うことができるのか。
いつもと文体が少し違うが、さすが伊坂作品!ネタあかしがされるまでまんまと騙されてしまった。
他作品とのゆるやかなリンクもあり、それを知っているといっそうニヤリとしてしまう。
ハラハラさもあり、痛快さもあり、これぞ読書の醍醐味だなあと最後のページを閉じた。
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誘拐。家族。レ・ミゼラブル。オリオン座。
誘拐をビジネスとしていたのに上に目をつけられて自分の家族が誘拐されてしまう。一杯喰わせてやる、というより、ピンチをギリで切り抜ける。とても粛々と。
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人質立てこもり事件だが、複数のストーリーが並立し、それぞれ発生時期が相前後するので、全体像がなかなか掴めない。
ようやく種明かしされた時には、始めからつながりを確認したくなる。
のどかさと冷酷さが同居する作風は、作者ならでは。
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「レ・ミゼラブル」を読んでいないのが悔やまれる。古典や有名な作品にはできる限り触れておかないと、後々の読書に響くのだなあ。話は三転、四転、状況が瞬く間に変わっていって面白い反面、ちょっと追いつくのに苦労した。黒澤、兎田、折田、この三者の動きが要。まさかの連続はさすが伊坂氏。今村くんと中村親分は相変わらず少しずれてて安心する。黒澤はどきどきするだろうけれど。そして気持ちいいラスト。こうでなくっちゃ!折々にはさまれる状況説明の一文が、事件の臨場感を際立たせていてよかった。まるで仙台市民になったようで楽しめた。
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今回の作品の事件は立てこもり。
登場人物が全員秘密を持っていて、しかも世の中的には犯罪者なのに、何故か、伊坂作品の登場人物たちは悪人には思えない。
そして、何より小気味の良い会話。どこかとぼけていて、クスッと笑ってしまう会話の連発に今回もやられてしまった。
物語のベースには「レ・ミゼラブル」があり、それに倣うように進められていく物語の展開も、これまでと違って、なかなか新鮮で面白い。
終盤に連れて明かされる事件の裏側にも、ただただ凄いとしか言いようがない。
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あれ?いつもと違う伊坂さんだな、と思いながら読んでいたのだけどそんな違和感どんどん置き去りにして話が進んでいく。途中で「あははは」と思わず笑う。そうきたか!と。あとはもうお見事!というしかない。黒澤も中村&今村夫婦もいい仕事してるし、なんてったって会話が楽しい。はぁー楽しかった、さてもう一度最初から読もうか、となるね。
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<感想>
伊坂幸太郎さんの最新作。
本屋で見つけ、即購入、読了。
「AX」に続く新刊発売、伊坂さんファンとしてはとても嬉しい。
好きなキャラクターである「黒澤」登場作品、楽しく読めた。
個人的にはちょい役の「今村」のキャラが好きだった。
ヌケている、でもドコか憎めない、そしてなぜか本人は自信満々、その醸し出す雰囲気がたまらない(笑)
今回の作品は、とにかく設定+プロット勝ちだったように思う。
父親っぽいけど何となく不審な男は誰なのか?等、様々な謎を散りばめながら目まぐるしく展開される物語。
読者騙しのオンパレード、終始ハラハラしながら読み進めた。
大一番の仕掛けに全く気付かずに読み進めていったので、P182の一文に衝撃…
しばらく理解が追いつかなかった。
その後、続々と繋がってくるストーリー。
あのとき呑気に思えた今村のセリフにそういった意味があったのか…と、後から分かる真実がまた面白かった。
必ずもう一度読み返したくなる作品。
読者に語りかけながら展開される形、伊坂作品にしては珍しかったように思う。
勘の鈍い私は、「読者もお分かりのように…」の展開に2、3歩遅れで付いていくのが精一杯で、終始悔しい思いをしながら読んだ(笑)
<印象に残った言葉>
・犬の名前が「センサー」だったと分かるのは、これも事件後だったが、とにかく、その時は犬の存在が私たちの前に立ちはだかっていた。(P51)
・まあ、そうですけど。もともと、俺が間違えちゃったことがきっかけですし。そのせいで、黒澤さんがこの家に。(P92、今村)
・「折尾さんのですか」春日部課長代理は紙を手渡ししてきた。その四つ折りの紙が何であるのかはすでに想像がつくだろう。あの断り書き、「黒澤の但し書き」だ。つまり、今それを落とした男は、読者が見抜いていたように、黒澤にほかならない。(P182)
・隣の家で、だ。(P209、黒澤)
・悲劇ね。非力を恨んでね。(P241、綿子)
・地上にあるものは罪からは逃れられない。罪をゼロにはできない、生きてれば誰だって罪がある、という意味かもしれない。罪のない人間なんてありえない。そうだ。だから、できるだけ罪を少なくするのを目標にしろ、と書いてあった。罪を犯したことなんてない、と言い切れる人間はむしろ、嘘だ。迷ったり、怠けたり、罪を犯してもいいが、正しい人になれ。司教がそう言う場面があるんだよ。(P257、黒澤)
・その名前に聞き覚えがあり、黒澤は顔を上げ、店員を見た。せっかく物語が終わるところなのだから、「兎田のことを待っているのか」くらいの声をかけてもいいように感じるが、もちろん彼はそんなことをせず、実際のところ、そうならなくとも幕はおりる。(P268)
<内容(「BOOK」データベースより)>
仙台で人質立てこもり事件が発生。SITが交渉を始めるが―。伊坂作品初心者から上級者まで、没頭度MAX!書き下ろしミステリー。
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黒澤さんが大活躍するお話。二転三転する展開はお見事としか言いようがない。途中での騙された感といい伏線の回収といい魅力的な登場人物といいほんと面白かった。秀逸なエンタメ作品でした。
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なんだか色々な場面が錯綜していて(いつもの事だけど)、いつにも増して状況が分かりにくい感じが強かったのだけど、読み進めていくと、読むのを止められない疾走感はさすがでした。
そして必ず救いがあるのが伊坂幸太郎作品の好きなところ。
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久しぶりに伊坂作品を読んだけど、相変わらず安定の伊坂節!!
作者の語りが入ると言うなかなか面白い書き方も、あっという間に慣れて何だかその語りがむしろ癖になる。伊坂さんが書く立て篭もり人質事件がすんなり終わる訳がなく、とんだひっちゃかめっちゃかぶりで荒波にアレヨアレヨと飲まれてびっくりしてるうちに綺麗に投げ出される感じ。
この世の中生きていて完璧な正義なんて無く、生きているだけで人間何かしらの罪を重ねていく。
でもその罪に善悪はっきりつけることなんて不可能で、よんどころない事情が誰しもある人生って矛盾だらけですな…としみじみ思ってしまった。
いやー、面白かった。