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紙の本
ロシア革命とその目指した理念は、これからも語られなければならない
2019/09/30 12:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:燕石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2017年11月7日(ロシア革命はユリウス暦1917年10月25日)にロシア革命が100周年を迎えるにあたり、2017年10月24日に発売されたものを、遅まきながら読んだ。
「19世紀から革命にいたる100年」と「革命後、スターリン時代、雪解け、ペレストロイカを経て、プーチンに到る100年」との、あわせて200年を通観している。
十月革命とは、ボリシェヴィキが二月革命を否定して議会を解散させ、政権を打ち立てたクーデターに他ならない。民衆に渦巻く巨大な暴力的エネルギーを解放してしまった革命政府は、選挙結果さえひっくり返し、テロルを肯定し、長い内戦へと突入する。
対談でもあり、大変に読みやすいが、下記のような刺激的な視点が数多く提示されている。
序章「ロシア革命とは何だったのか?」
「スラブ人は『言葉の民』だ」「ロシア革命を指導したボリシェヴィキの職業的革命家は、レーニンを筆頭にして明らかに言葉の人たち」だった。「彼らの言葉が民衆の想像力を共振したという面がある」。
第六章「一九一七年『ぼくの革命』」
フョードロフの復活思想がソ連で広い影響をもったことに関して、「革命のために人命が失われたということの全体としての罪の意識、革命を成就した側の集合的な罪意識をあらわしているんじゃないか」。
第七章「内戦、ネップ、亡命者たち」
「二月革命というのがそれまでの歴史における革命のイメージだった」「いわゆる十月革命あるいはボリシェヴィキ革命と呼ばれるものは一種、それまでの歴史の地平を突き抜けてしまう」。
第八章「スターリニズムの恐怖と魅惑」
「ショスタコーヴィチの音楽と二千数百万の犠牲者を天秤にかけることはやはりできないと思う」「根本的に、ロシア革命は間違っていたという思いを強くする」。
第九章「ロシア革命からの100年 レーニンとスターリン」
「ロシアの歴史が政治および文化の面でポストヒストリカル、つまり、歴史以後に入ったのが[党中央委員会決定『文学芸術諸団体のペレストロイカについて』が出た]一九三二」。「歴史以後」とは「歴史以降の無時間」であり、「本当の意味でのソ連文化は一九三二年に始まって、ゴルバチョフの登場と同時に終わる」。
第一〇章「ロシア革命からの100年 雪どけからの解放」
スターリン批判と雪どけは「ポストヒストリカルな時間の終わりの始まり」である。ただし、ロシアの雪どけは「ちょっと解けたところで、また寒さがぶり返して、雪どけ水がまた凍りつき…かえて危険な状態になる」。かくして、「プラハの春」を「なんとか食い止める」ことで、ポストヒストリカルな時間が再スタートする。
終章「ロシア革命は今も続いている」
革命・内戦期に解放された大衆の暴力は、ボリシェヴィキの暴力をもって統制するしかなかった。「大戦で失われた人命の数と劣らない数の人間が内戦のなかで死んでいったという事実」は「革命が犯した原罪」であり、「最初に自覚した瞬間、ソ連は終わってしまった」。「原罪を自覚した最初の指導者はゴルバチョフ」。「社会主義が約束する調和的世界への入場券を、レーニンに突き返すという覚悟にまで至ったのじゃないか」。
東欧革命で、弾圧されてきた作家や音楽家がいきなり国のトップに躍り出ることは、まるで「カーニバル的転換」だが、「ところがロシアは巨大すぎて、そんなカーニバルは起こしようがなかった」。
「ということは、現在もロシア革命と同じ状態だということにな」らないか?「すさまじしい強権と、国民が潜在的に持っているカオス的なものへのすごい願望というか」。
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