紙の本
読んでいたら、元気になるんですから。
2019/08/08 19:27
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投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みながら思い切り笑って、ドキッとして、一緒にしゅんとなって、
何度かぐぐっときて、付箋を貼り続けた。
読んだあと、しみじみ「いい本だったなぁ」と思った。
噂には聞いてました。
小学生作家のるりかちゃん。
ほんと、すごいんだぁ。
タイトルの「さよなら、田中さん」
ああ、ここで登場するんだと妙に心がざわめきました。
母子家庭の花実ちゃん親子。
お母さんは天涯孤独(と本人が言っている)なので、この世の中でたった二人きりの家族なんです。
その花実ちゃんがしっかりしていてすごく良い子で、
お母さんは生計を立てるために男の人に交じって工事現場で力仕事をしている。
「蟻のように働き、犬のように食らう」って、そのお母さんが言ってました。
母子家庭の二人は貧しいながらも、実に楽しそうに暮らしている。
楽しさを見つけるのがうまい。
心に余裕がある。
いつもの暮らしに楽しさを生み出している。
なんでも面白がる。
大事なことはちゃんとわかっている。
そうして、こんな感じで二人で笑っているのです。
お母さんが、カカカカっと笑った。
私も笑った。
そうだ、笑いとばせばいい。
どうにもならないことは笑いとばせ。
私が心揺さぶられたのは、娘の卒業式に、お母さんが新聞紙で作った水色のコサージュを
胸につけていたこと。
それを娘の花実ちゃんが友だちにすごいでしょと自慢していたこと。
そのセンス、その行動、たまらなくかっこいい。
死んでしまいたいくらい辛い思いをしている花実ちゃんの同級生男子に、
このお母さんが言うのだ。
「もし死にたいくらい悲しいことがあったら、
とりあえずメシを食え。
そして一食食ったら、その一食分だけ生きてみろ」
そして最後にガハハと笑えるようなことも付け加える。
いやぁーいい話です。
心にぽっと灯りがともる感じです。
花実ちゃんとお母さんの続編ってあるのかな?
あるなら、読みたいです。
なにしろ、読んでいたら、ほんと元気になるんですから。
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投稿者:ひかっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は、中学生が書いた作品とはとても思えませんでした。しかし、実際に本を読んで見ると、中学生らしさが見えた文章でした。読んで見ないとわからないこともあるので、ぜひ読んでみてください。
電子書籍
中学生とは思えない
2021/01/31 16:04
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投稿者:akb49484800 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさか中学生が書いたとは思えない、とても感動的で奥深い作品だった。他の作品も読んで見たくなりました。
紙の本
泣けます
2019/11/12 01:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
西原理恵子をはじめとして,多くの人々が激賞していたので読んでみた。結果,泣けました。確かに文章に稚拙なところはある。心理描写も甘い。しかし説明したくなるところを情景描写で感情を描くなど素晴らしい。なによりも汚れてしまった大人にない感性が瑞々しい。ファンになりました。立派な作家になって,多くの名作を世に出してください。娘を星美学園に入れて同窓生にしたい…(笑)。
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小学館主催の「12歳の文学賞」、史上初三年連続大賞受賞の著者。この賞の本は2冊目だが、面白い。しかし、2006年からはじまって、12歳を迎え終了するそう。
主人公は田中花実。花も実もある人生を、ではなく、死んで花実が咲くものかが由来。貧乏な母子家庭。
父親は犯罪者なのではないか、と疑ってみたり、母親が再婚できないのは自分がいるせいではないかと考えたり。とても賢く、人を思いやれる子、花実。
最後の主題以外は全編花実視点。貧乏を受け入れ、というか当たり前になっているので七五三をしたいなどとは思わないが、お友達とドリーミーには行きたい。
母親が必死に働いていることを知っているからいえない。母親が自分を遠ざけたがっているから言えない。子どもは大人の想像以上にいろいろなことをしっかり考えている。子どもに気を遣わせてどうする、大人よ。
自分の家族がそうだからといって、すべての家族が忌み嫌うものではない。自分の兄弟が仲が良くなかったとしても、世の中すべての兄弟がそうなわけではない。
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末恐ろしいと言ったら勝手に小説家になるもんだと決めつけてプレッシャー掛けてるみたいで嫌なんだが、とにかくすごい。私が中二の頃こんな文章は書いてなかったし、娘だって書いちゃいなかった。いい意味での厨二だと思う。
るりかちゃんはすごい。いいものを持ってる。小説家なんかならなくてもいい。それだけ、忘れないでほしい。
そして、挿画がサイバラっていうのが見事な采配だな。見事に世界感が出てる。
良いものを読ませていただきましたm(__)m
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すごく読んでいて楽しいよ!
自分が花実ちゃんの頃に戻ったみたいで、
そうだねえ、かなり昔の頃になるけれど、
小学校6年生の女子、リアルに女子で、
娘そのものだった頃の感覚がよみがえってくるみたいで、
なりは若返りはしないけれど、
なんかこうウキウキしてきちゃいましたよ。
リアルの昔の私は、ビンボーでなんか内気で陰気くさかったけれど、花実ちゃんみたいに生きれたらよかったかななんて。日本の小学生パレアナ版ウイズおかんです。
おススメですよ。
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あぁ、もうなんて言っていいか。
田中母さんの強さと優しさ、花実ちゃんの逞しさといじらしさに心をわしづかみ。
社会的にみれば恵まれない母子なんだろうけど、そのネガティブな部分を凌駕する2人の「まっとうに生きる術」にステンディングオベーションを贈りたい。
いったいどうすればこんな風に生きられるのか。田中母の子ども時代や、出産までのあれこれも知りたい知りたい知りたい!
しかしなにより驚異は、この超絶魅力的な母子を生み出したのが14歳の中学生だという事。たとえば一作なら書ける子はたくさんいるだろう。でも小学4年の時の初受賞から3連続大賞受賞というこのポテンシャルの高さたるや!!
今後10年書き続けてもまだ24歳!うひゃー!!文学界の宝物、掘り出されましたね!大切に守って行っていただきたいと強く強く願ってしまう!!
で、続編はいつ出ますか?
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前半と後半では色が変わったような感じがする。
私は後半の方が好みかもしれない。
前半のテーマというか、落としどころはワンパターンな気もするけど、それだけ、主人公がそれを身近に感じたということなんだろう。
全体を通して、根本的なところは暴きすぎないところが魅力かもしれない。
あと、作者がボカロ好きなのは、作品の中からもなんとなくわかる気がする。
別にそれに関することが書かれてるわけじゃないけど、そう言われてみれば、そんな雰囲気がある。
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子供が書いたのか〜と読む前に侮っていたこと、ごめんなさい。一気読みしました。めっちゃ面白かったです。
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すごい。
帯に偽りなし。
同年代の子どもをもつ親として、本当に驚いた。
言われなければ、これを中学生(受賞時は小学生)が書いたとは、到底思えない。
まず、文章のリズムが良い。
そして、ユーモアと涙の絶妙な配分。
これは天性のものなのだろうか。
14歳ですでに、「短編の名手」と言いたくなるような貫禄がある。
これからも、またこの著者の作品を読んでみたい。
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途中で語り手が変わって物語が展開していき、とても面白く、また感動しました。ぜひ、続きを読みたい。
中学編、高校編、と展開して森絵都さんの「みかづき」のような大作になっていくと面白いな。
著者の感性は素晴らしいです。
著者の作家としてのの成長も楽しみです。
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恐るべき才能!とあおりにあって、またまたそんな・・・と思っていたけど、うん。まさに恐るべき才能でした。
いや、そんなものすごくうまいんじゃないけど、なんていうか年齢相応の感受性をきちんとした文章に乗せているというのがすごい。
またサイバラさんのイラストがいいですね。
著者の近影も好感を持てます。
このままのびのびと育ってほしいものです。
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噂のスーパー中学生の著作。何か本当にすごい。目線は年齢相応だけど、文章は大人の立派な文章。何よりもテンポがいい。
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恥ずかしながら、オバサンは泣いてしまいましたよ、中学生の書いた小説に。一番胸にしみた一篇は、小学四年生時の作品を改稿したものらしい。はあ~。才能とはこういうものかとしみじみ思う。
なんだか評判だけど、さてどんなもの?と若干斜めな気分で読み出したのだが、あらまあ、すぐにスーッとお話しに引き込まれていき、気がつくと花実ちゃんに思いっきり肩入れしながら読んでいた。笑えるところがちょくちょくあるのに、何だか目頭が熱くなってくる。ストーリーがどうとかいうのではなく、こういう空気を醸し出せることが稀有な書き手の証ではないかな。
お母さんをはじめとして、大家のオバチャンや担任の木戸先生、スーパーの店長などなど、出てくる人がみんないい。変人なんだけど。ちょっとしたエピソードに真実味があって、なんかもう根本の所で「物語る人」なんだなあと思わされる。
「Dランドは遠い」の切なさたるや…。きっぱり決意する花実ちゃんが健気で、胸が締め付けられる。誰でも小学生の頃、これとちょっと似たようなことに心当たりがあるのではないかと思うが、自分はこういう勇気を持てただろうか。自分の子どもを、こういう強さが持てるように育てただろうか。そう思わずにはいられなかった。
これ、当然続きがあるよね?ね?続篇熱烈希望。