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おまえは後悔する―。度重なる守護戦士の忠告に耳を貸さず、連続切断魔の特定に奔走する三島孝太郎。なぜ、惨劇は起きたのか。どうして、憎しみは消えないのか。犯人と関わる中で、彼の心もまた、蝕まれていく。そうした中、妹の友人・園井美香の周囲で積み重なった負の感情が、新たな事件を引き起こす。都築の、ユーリの制止を振り切り、孝太郎が辿りついた場所。“悲嘆の門”が、いま開く。
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連続殺人を追う元刑事と一人の学生、憎悪の連鎖は身近な少女に迫っていた。
上巻中巻と読み進め、連続殺人事件を解決するため異世界の怪物の力を借りる展開に、戸惑いながらも物語に引き込まれていく自分がいました。
救いのない結末を迎えてしまうのか、下巻まで読んでいく中でその不安と向き合っていく感じでした。
言葉や物語、生と死に向き合い、苦しみながら自分の生き方を見つけていく主人公に力強く生きていく人生を期待していました。
小説の世界だけでなく、現代では現実でも起こりうる連続殺人の恐ろしさを改めて感じました。
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読了したがファンタジーは途中からなにがなんだかわからなくなってきた。 子供の時に、主人公が他人の心の声を読めるツールを手にするという話を読んだことを思い出した。言葉はたとえ心の中だけであっても蓄積するんだと思う。汚い言葉で罵ると心がけがれるので抑えよう。負の感情は言葉にしたとたんスピードを増して自分を蝕む。気をつけよう。この主人公コウちゃんのように見る能力がある人が実在するかもしれない。私のいた場所の跡に汚いものが残ってたらいやだもんね。
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壮大な物語で、読む手が止まらない。
仲の良い先輩の失踪、憧れの人が殺された憤怒。
それらの気持ちが、主人公の孝太郎と魔物の取引を誘発し、そして孝太郎自身を変えていく。
何度も周りから引き返せ、もう止めろと言われたが、孝太郎はそれに背いていく。
ネット社会が進む中、言葉は世の中に溢れている。
その言葉たちが紡ぐ物語。
言葉は残る。そして、とても重いものなんだ…
2022.2.6
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ファンタジー小説は結局、現実感のない説明で終わってしまうので個人的にはちょっと、、、
言葉の持つ魔力など、著者として言いたいことは書かれているのだとは思うし、文章も上手でスラスラと読めるが、やはりちょっと物足りない
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どうしても「デスノート」のイメージで読んでしまいました。そこに思想や宗教的要素が加わった感じですかね。そのイメージで購入してなかったので、正直戸惑いましたが、案外スッと読めました。
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おまえは後悔するー。度重なる守護戦士の忠告に耳を貸さず、連続切断魔の特定に奔走する三島孝太郎。なぜ、惨劇は起きたのか。どうして、憎しみは消えないのか。犯人と関わる中で、彼の心もまた、蝕まれていく。そうした中、妹の友人・園井美香の周囲で積み重なった負の感情が、新たな事件を引き起こす。都築の、ユーリの制止を振り切り、孝太郎が辿りついた場所。“悲嘆の門”が、いま開く。
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残念ながら、ガラが語る世界観というか、
異世界があんまり理解できない。
いろんなものがよく練られたものなんだろうなということは、わかるけれど。
最後はめんどくさくなって、流し読み。
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結局ファンタジーのまま終わってしまいました…。言わんとすることは分かったけれど、宮部みゆきさんのミステリーファンとしては残念な作品でした。
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「英雄の書」より遥かに面白かった。
―というような〈言葉〉を、作者は欲していたのかもしれない。いや、ホントに面白かった。前回が物語と言葉をめぐる概念の「思想書」だとしたら、今回はその思想に影響を受けた人々の「実践の書」であり、人々に普及するための「物語」でもあるだろう。 ―前回は少し難解だったかもしれない。今回はエンタメに振り切ろう。 ―そう作者が考えて、それを実践したようにも思えた。
たいへん面白い物語を紡いだ作者に言いたい。やはり貴女(あなた)が一番物語を〈渇望〉している。その証拠に、こんな物語世界を実現させても、まだ満足していないでしょ?この30年間で紡いだ貴女の〈物語〉を、ガラの眼で見ればどんな形をしているんだろ。貴女が心配だ。この巨大な〈物語〉に、貴女は潰されることはないのだろうか。
「あれからいろいろ考えたよ。それで ―思うんだ。ガラが君に教え、君がいろいろ経験してきて思う、その〈言葉〉と〈言葉の残滓〉のことをね、昔から人は、こう呼んできたんじゃないかねえ」
業、と。
「人の業だよ。生きていく上で、人がどうしようもなく積んで残してゆくものだ。それ自体に善悪はない。ただ、その働きが悪事を引き起こすこともある」(376p)
作者とは全く関係ないけれども、年末年始にかけて、今年も様々な事件が起きた。言葉を操って自殺願望者を引き寄せ連続殺人をした男に影響を受けたのか、その模倣犯が未遂で捕まった。自殺願望者たちが道行の結果1人だけ生き残った。またこの小説の中にもあるように、親族同士の諍いの末に幾つもの殺人が起きた。
第三者の私たちにとり、小説世界の殺人も、ニュースとして見聞きする殺人も、「情報としては等価だ。ーこれって、〈物語〉じゃないか。」(195p)と、孝太郎同様、私も思う。
だから、貴女は最後に〈メッセージ〉を残したのだろう。物語の行き着く先は、そうでないとならないのだと。
「ここが〈輪〉だ。物語が続き、命が巡り、祈りが届き、嘆きが響く。ー〈輪〉の小さき子よ、生きなさい。」(386p)
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連続殺人事件も、物語?
殺醍醐の状況から作り出された物語・・・
主人公の青年と元刑事は、事件の真相を求めて、それぞれ事件の現場へ奔走する。
度々語られる「存在するが実在しない」。
彼らは問答する。それは、言葉であり、物語であり、概念とも言う。それらは目には見えないが、存在する。
フェイクニュースが論じられ、ネット上には偽情報が氾濫する現代。それらに対する免疫力をつけ、惑わされないように、そして被害者とならないようにとの意図を、著者はこの作品に込めているのではないだろうか。
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物語、大好きな私にとっては、ドンピシャの本でした。リアルとファンタジーをどんどん追求していってほしい。目指せ、日本のスティーヴンキング!
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やっぱり非常に抽象度の高いストーリー展開だったなと思います。
どこまでの描写に、どの程度の意味があるかが判別しづらいところに難しさを感じました。
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一応連続殺人事件の真相が明らかになりますが、予想通り真相自体には特に意味はありません。
その後の主人公の顛末が描きたかったことでしょうが、暗い結末にならないでよかったです。
当初予想したような現代社会の闇を描き出す部分が強くなかったのは残念ですが、お話しとしては十分に楽しめました。
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じっくり読もう、と思っていたのに、速攻で読み終えてしまいました。勿体ないなあ、、、という気持ちもありつつ、この、「読まずにはいられない」「早く読み終えてスッキリしたい。解放されたい」っていう思いを、ガッツリ感じさせる宮部さんの、語り部としての、物語を紡ぐ存在としてのデカさ。凄いですよねえ、、、
上、中、下、通して読み終えた感想としては、すっごい満足、では、ありません。上巻終了時点での「この小説はリアルな現代ものなのか?ファンタジーへ舵を切るのか?」という、この先の展開へのドキドキワクワク感が、一番だったなあ、というのが正直な思い。中巻以降、ファンタジーものである、ということが完全に分かったあとは、まあ、残念ながら、「何でもアリですな」って思いながら読んでいたのは、正直な事実です。
といいますか、「英雄の書」の続編、というか、同じ世界観の作品だということを知らずに読み始めたのが、一番の失敗だったか、、、という思いもアリ。くう。其れを知っていたら、物語の入り込み方からして、全然違ったのになあ、、、しまったなあ、、、まあでも、コレも一つの、読書の醍醐味か、ということですよね。しゃあない。
下巻で明らかになる、いわゆる「指ビル」事件の真相。中巻で、山科鮎子の殺害が、別件、いわゆる「模倣犯」で有ることは明らかだったのですが、それ以外の3件が、実は、全然連続殺人事件では無かった。というオチは、なんだか、凄くこう、斬新でした。面白い結末だなあ、と。わたしたち、日本という範囲に住んでいる我々自身が、無意識のうちに、なにか凄い事件を無意識に求めてしまっている。という感覚?集団潜在意識?シンクロニシティ―?というかね、そんな感じを思いました。木を見て森を見ず、ではなくて、森を見て木を見ず、ということか。
人は無意識のうちに、物語を望んでしまう。そしてその物語は、壮大であればあるほど、カタルシスがデカい、ということかなあ?なんといいますかね、人間って、欲深いなあ、とか、よおわからんことを思ったりしましたね。
それにしても、現代殺人事件を、異形の者の力を借りたり、ありていに言えば超常現象の力を借りて解決するのは、まあ、やっぱズルいよなあ、という思いは、どうしても、抱いてしまうのですよねえ。孝太郎が、田代慶子(山科社長の同級生)と中園孝介(花屋の人)を狩ったこと、都築が、中目(なかのめ)史郎の店で、ガラの能力を通して?七夕の短冊から犯人を読み取ったこと、あっこらへんとかね、こうね、単純に、ズルいよなあ、、、何でもアリじゃん、って、思っちゃうんですよね。
まあ「そういうものである」訳ですので、それはそれとして受け入れるのみ、でございますがね。宮部さんが、物語を「投げた」わけでは、無いと信じたい。エウス・エクス・マキナでは無いと、信じたい。「機械仕掛けの神」って、詩的な表現ですよねえ、、、スマッシング・パンプキンズのアルバム「マシーナ/ザ・マシーン・オブ・ゴッド」が好きです。関係ないですね。
それにしても、この作品にも、今後、続編は作られるのだろうか?作られるとしたら、そらもう、読んで��たいですね。そういう求心力は、間違いなくある作品でした。ひとことでいうならば、結局は面白かった。そういうことなんですけれどもね。
「狼」になった森崎友理子は、現実問題として、どういう生活を送ってるんでしょうねえ?架空の物語なのに、その登場人物の現実問題を心配することがあるか、って話なのですが、毎日なに食べてるんだろう?とか、生活の基盤はどこにあるのか?とか、眠るベットはあるのか?とか。余計な心配の極みですが、気になりますね。健やかな生活ができていますように、、、
あと、上巻で行方不明になった、リヤカーじいさんこと、猪野幸三郎さん。森永健司君が探していた、おじいさん。あの人は、結局、どこへ行ったんだろうか?ガラの鎌の中?謎です。
森永健司君も、ガラの大鎌が崩れ去った後には、何処にいったんだろうなあ?彼は、最後の最後には、心の安らぎを、得たのだろうか?気になります。そうでありますように。願うのみなのです。