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パリに住む多種多様なおじさんたちへのインタビューを通じて、生きることの楽しさや、生きる上で何を大切にするかとか、世界のいろんな問題点とか、さまざまな断片を見せてくれる作品だった。読んだ時の感覚としてはNHKの「世界ふれあい街歩き」に似てるかな〜
モンマルトルの老画家の話と、テロの起きたカフェの話が印象深い。
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これ面白かった!偉人でもなく、パリにいるおじさんの話し。おじさんの考え方や、経験してきたこと、そこには難民問題やテロ、LGBT、外交、様々なテーマがある。勉強になるし、すっと心に落ちる言葉がある。
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文筆家・イラストレーターの金井真紀と、フランス在住ジャーナリストの広岡裕児による、パリのおじさんたちのイラスト付きインタビュー集兼エッセイ。数十人の一般のおじさんと少しだけ女性のインタビューが、それぞれの顔のイラストや風景イラストなどと共に構成されている。普通のレストランオーナーや弁護士のおじさんのほか、結構珍しい人(かつて東洋アルミニウムに対してハンガーストライキをして”勝った”国会議員や、ピカソ・ダリ・藤田嗣治などを知るモンパルナスの画家など)も出てきたり、旧植民地や紛争地域などからの移民・難民、ヴィシー政権下で迫害を受け家族と生き別れたユダヤ系の人、同時多発テロの被害を受けた飲食店の人などのフランスの負の面も知る人も登場したりする。フランスってこんな歴史があったんだなとか、こんなふうに受け止められているんだなとか、個人の言葉で語られていることで血の通った理解を少しだけできる気がする。
いろんな人が出てきて、飽きる前にまた新しい人にと話が変わっていき、さまざまな話を聞けた、という意味で単に面白かった。似顔絵があることも、興味を持って話を聞きたくさせる(読みたくさせる)要素の一つ。
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著者の金井真紀さんと案内人の広岡裕児さんが、フランスで出会ったおじさんたちを紹介したもの。
おじさんたちはみな平凡で素朴ながらも、その人生経験からさまざまな金言やモットーが出てくる。
金井さんの筆致、好きだなぁ。
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移民問題や治安面でパリに対して暗い印象がずっとある。
本書はシャルリーエブドや同時多発テロ以降に現地の「おじさん」達にインタビューしたもので、表紙のすてきな字面に相反して、濃密で奥が深い仕上がりになっている、というのが読後第一声の感想。
おじさん達の趣味や仕事、人生観から移民問題・宗教・戦争の歴史と彼らのバックグラウンドに至るまでちょこっとだけ踏み込む。そのスタイルの読み応えがまたGOOD。
「オッチャン」「おじちゃん」ではなく、どうしても登場する彼らを「おじさん」と呼ばずにはいられない。
筆者のおもしろ豊かな妄想や好奇心から成る直球質問がますます読者を引き込む。撮った写真を観て描かれたみたいだけど、(恐い人もいたが)どれも温かみや人間らしさが滲み出ており、おじさんなのに(!?)愛くるしさすら覚えた。
カレー街のタミル人おじさんと幼少期にナチスの魔の手を逃れたおじさんのエピソードにジンときた+共通するものを感じた。詳しくは書けないけど、苦い過去がある故郷や人種をそれぞれのやり方で受け入れ、その先の人生を生きる。
最も印象的な「生きるということの断片」だったと思う。
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パリには様々な人種が集結している感じだ.おじさんへのインタビューは知りたいことを的確に掴んでいるようだ.途中にある"解説"や"ちょっと寄り道"も面白かった.「難民・移民」の欄で、"フランスでは、人は、民族宗教など集団の一部である前に独立した個人なのだという認識のもとに、フランス語でコミュニケーションができ、人権や他者の尊重・連帯など「協和原理」を守る限り、国民全体の一大共同体の一員だとされます.(p174)" は重要な視点だと感じた.
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タイトルを見た瞬間、惹かれた。
パリという場所がよくわかるかなと思って読み始めたら、この本はもっと深かった。
長く生きている「おじさん」だからこそのドッシリした考え方がとても勉強になった。そして絵が本当に素敵!色使いも最高でした。
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単純なおじさん集かと思いきや、歴史や各国の関係性、難民問題などなどすごく勉強になる。
息抜きのつもりで読め始めたのに、携帯で検索しながら真剣に読んでしまった。
世界には知らないことがたくさんあって、もっともっと知っていきたいと思った。
マキさんの語り口調では、ところどころに「ふふふ」などが入ってきて、雰囲気的には世界街歩きのナレーションのような感じ。
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この本は著者と、通訳ジャーナリストと共に、パリのおじさんに話を聞いていくノンフィクション本である。
街で気になるおじさんに声をかけ、生い立ちや文化、時事問題などからそれぞれの人生観に迫っていく本だ。
タイトルの通り、どのおじさんもすてきだ。
パリの普通のおじさんが何を考えてどういう生活をしているのか、興味があったためとても面白く読めた。
印象に残っているのは、モンマルトルで画家をやっているおじさん。
かつて有名画家たちの溜まり場だったこの場所での最後の画家だという。彼は絵を直接販売している。絵の価値は決して経済としての価値ではない。そして彼の絵にまつわるエピソードで人生や生命、そしてアートについてを考えさせられた。
1人のおじさんにつき5-6ページとなっておりとても読みやすい。
ただその反面、興味のあるおじさんについてもう少し深く知りたいところで終わってしまうのが残念なところ。
人生の節目でまた読み返したい。
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2022年14冊目。
すてきなおじさんだらけでした。
挿絵もかわいくて、文章も何とも親しみやすい。
ゆるく楽しく読めるのに、内容は実に奥深い。
パリで、道行く(?)すてきなおじさんたちとのさまざまな会話から、人生について、歴史について、人種や戦争についてなどなど、多くのことを教えられます。
特に、ナチスの迫害から逃れることができた方のお話は、本当に貴重だと思いました。
シリアスな内容だけでなく、ほっこりするお話もいっぱいです。
定期的に読み返したくなる本のひとつになりました。
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文字通り、パリで出会ったおじさんのはなし。
パリという街に理由もなく憧れていて、歴史や、美しい街や、旅気分を味わえたらと気軽な気持ちで買った。
でも、様々なおじさんの話は、予想以上に文化から多種多様で、
パリの美しいだけじゃない、悲しい出来事も垣間見えた。
4種類の帯のモデルとなったおじさんのルーツは、カリブ海、チュニジア、アルジェリア。
肌の色も、宗教も、もちろん職業も違うそう。
そんな、パリの断面が少し見えた気がした。
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一人一人の人物像が鮮やか。
難民問題や、植民地支配、
ユダヤ人虐殺の
歴史などが個人のストーリーから
リアルに迫ってくる。
一方で、こんな風に魅力的な
「東京のすてきなおじさん」は
いるのか、自問してしまった。
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読み終わって一言
「あ〜〜良かった〜!!!」
“花の都、パリ” 憧れと華やかさの象徴。
本を手に取った時は、そのイメージだけだった。
どんなお洒落おじさんの話が読めるのだろうかという期待感でいっぱいだった。
でもそれだけじゃなかった。お洒落なおじさんはいるけど、、多様なバックボーンのおじさんたち。負の歴史。
問題が大きすぎてどうにもならないことも、まずは目の前の一人から。「目の前の一人を救うことは人類を救うことだ」
胸に刻みたい言葉が沢山ありました。
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フランスは色んなところから色んなところから理由で来ている人たちがいるんだなあ。と改めて分かる。
戦争など大変なこと、苦しいことを体験している人たちがさらっと言う一言の重さよ…。急に涙が出そうになったりする。
色んな国と接しているからこその、受け入れたり、理解しようとする心がある人が多い気がする。
金井さんのイラストと文章が好きだあ。
色んな国におじさん探しに行ってほしい!!
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色々な背景を持った人が暮らしていることがわかる。
さらっとした記事内容のおかげか、コーヒーの浅煎りみたいなスッキリさで苦味なく読める
パリやフランス、世界情勢に疎くても、時々ある解説が親切で読みやすい