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毎夜、午前一時にバーに現われる男。投函されなかった手紙をたったひとり受け留め続ける郵便局員。植物になって生き直したいと願う青年―狂おしいほどに愛を求めながら、満たされず生きてきた彼らの人生に、ふいに奇跡が訪れる。抗えないはずの運命に光が射すその一瞬を捉えた、著者史上もっともやさしい作品集。魔性の50 Stories。
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或る女 ほくろ黒子 悶えながら 自分の叫びが牛の叫びとなって響き渡るその巧妙ないカラクリの渦の中に 古代シチリアでの伝説を元にしている
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最初の話は良かったんで、おっ、と期待したんですけれども、その後は。。。
最後はちょっと読むのがしんどい感じで。
期待していた作家なんですが、何というか停滞感があるなぁ。ちょっと遠ざかってしまいそうで残念無念。
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中村文則の小説は、「共に生きましょう」という祈りがある
どれだけ暗くとも圧迫感に苦しくなっても、もしかしたらこの汚くやるせない世界でもうちょっと生きてもいいのかもしれないと思う
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久々に中村文則作品。相変わらずのディストピア感と胡散臭い宗教団体に癒されます。
あまり深読みせず、世の中のはみ出しものたちへの応援歌ということで。その絶望感や憂鬱を表す各作品が個性的でいい意味で嫌悪感を催しますね。でも、やっぱり長編でこれでもかって不条理を深掘りほじくり返すのほうが好みかな。
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表題の惑いの森を含む短編集
というかショートショート集
インスタントフィクションって感じの作品もあるかな
一部Nという人物が出てくる話が数編あって
Nってあの人のことだよねってなるのは
読んだ人が感じてください
短い作品が50編
元は電子書籍向けの雑誌で掲載されていて
それが文庫化されるにあたり追加して約倍の50編に
なったということで
読んでいてすごく短いのはもとより
不思議というか不可思議というか
個人的には何とも言い難い作品が多く
謎の集団が出てくる話とか
本当に1度読むだけだと理解しにくい感じは否めないので
気になった作品を2度3度よむことで
理解して良し悪しを自分の中で確認する
と言うことになりました
めったに読むことがない
すごく短い作品を理解するのが
こんなに大変なことかと思いましたね
Youtubeのビース又吉直樹【渦】公式チャンネル
に出てくる髑髏万博のように読み解くのは
とても難しいと実感しました(笑)
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たぶん私はこの本を何度読もうが理解できません。50編で200頁。独立した短編集かと思いきや、これはあの人あれはこの人という人物がいっぱい出てきて、でもどうなっているのかまるで説明できない。こんなに訳がわからないのになぜか退屈ではなくて、この世界をわかりたいと思ってしまう。
時に登場するご本人もどきは好きになれないけれども、タクシー運転手が、郵便局の人が、塔を作りつづける老人のことが気になって仕方ない。わからないのに美しく、不思議と陰鬱な印象は受けませんでした。私もハシゴをのぼりたい。世界は美しいと思いたい。
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世界観を共有しながらも、独立したショートショートを集めた短編集。
物語では、世界に対する復讐を企てるテロ集団のような教団がある。「白い服を着た、胸に妙なバッジをつけた」教団の人間たちは、社会に対する憎悪になり得る「傷」を持った人々を、仲間とすべく集めている。一つ一つの物語は、そうした「傷」を心に抱えた人々の物語が多くを占める。
自らの「傷」を復讐のための刃物とするために教団に入団する人。「傷」も自分の一部だとして、差し出すことを拒む人。大切な人との出会いによって、「傷」が癒された人。
自分たちの人生にある闇との、様々な向き合い方が、描かれる物語だった。
1番印象的だったのは、「48 ソファ」だった。両親が離婚したらしき少年は、父親について行くことを決め、新しい学校へ転入する。彼の心の支えになっているのは、不思議な広い部屋の動物達であった。
動物達は、少年に、「お別れだね」と言い、もうこの部屋に来てはいけないと言うものの、少年は、それからも繰り返し部屋へやってくる。動物達は、そんな彼を口では拒むものの、断りきれない。
少年と動物達の温かな関係の物語だった。
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最近、中村さんの本を最近少しずつ読み進めている。短編集よりも更に短い掌篇集。バラバラと繋がりのない作品ばかりかと思いきや、少しずつ時間や人物が共有されている。中村さんにしては救いのある物語ばかりで少し息抜きしながら読んでいられた。気軽に読めるし、身構える必要もない。時々ひりひりするけれども。