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最も文化的なもの、汝の名は菓子。
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だいぶレビューをサボってしまった。理由はたくさんあるが、渾身のレビューのつもりで書いた『蒙古の怪人 キラー・カーン自伝』が、なぜかブクログ(じゃなかった、本が好き!だ、すみません)に登録できなくて、問い合わせをしても梨の礫でフテていた。ということにしておこう。(『キラー・カーン自伝』は、未だに登録できないけれど)
さて、地域銘菓である。菓子というのは、歴史研究の中では軽視されてきたようだが、本書はその菓子こそが、動物にはない、食文化の中でも最も人間らしい食べ物、と断じている。
菓子は体に悪い側面もある。にもかかわらず愛されている。それは肉体として必要な食べ物ではないということだ。
菓子はもともと、神饌、ハレの日の食べ物だった。最初の菓子は、果実であったが、やがて加工した菓子が幅を利かせるようになっていく。砂糖も普及してきて、全国には地域的な特徴を持つ菓子が…ってえらく時代が飛ぶなあ!
この本は分厚いうえに、決してお菓子カタログのようなライトなものではないので、(読書の)リハビリ中の僕にはちょっとつらい。つまみ食いをさせてもらう。
「地域型羊羹と普遍型羊羹」言葉に聞いたことが無い種類の迫力がある。
もとの汁物料理が固形物たる蒸物料理となり、それが甘味を有し菓子となる。移動性を有する煉羊羹となって各地へ伝わり変遷していく。なんてことを考えて記す人がいるんだ〜、という歓び。
菓子の良さは個性の可視化でもある。柳田國男が述べた「神にも捧げ人にも進めるのに、これを供するものの心持が自由に現れる」と述べた餅にルーツを持つ菓子たちよ、お前たちはナショナリズムの発露であったのか。
まだ調子が出ない。おやすみなさい。