紙の本
意識とは?心とは?
2023/01/01 10:10
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者山本弘が自らの作品で繰り返し取り上げているAI アンドロイド AC VRあたりの話を少し変わった視点から描き出した作品である。作品の中で登場人物たちが演説を初めてしまう癖 欠陥は、この作品でもうかがうことができるが、他の作品ほど煩わしくはない。終盤の破局に至るストーリーの組み立て方はなかなかうまいと感じた。
紙の本
もはや近未来ではない
2018/05/09 18:41
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIの誕生が現実となった今からすると、これから起こりうる事件を見ているような気分になります。人間が生きる意味についても考えさせられました。
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近未来、AIやロボット工学が進歩し、完璧な人体型セクサロイド「オルタマシン」が世界中で人気となる。その中でも特殊な未成年型である「マイナーオルタ」は日本限定で供応されている。この事に関しては既に十分に議論され、法的には問題なしとなっているが、倫理的な反対運動が展開されている。
フリーライターの長谷部美里は反対派の立場として、実体験取材を敢行する。しかし選んだ男子型マイナーオルタは余りにも美しく、恥じらいを持ったかのようなAIの出来を体験し衝撃を受け、あまつさえ恋に落ちてしまう。
賛成派、反対派活動グループ入り乱れ、彼女のルポは人気を博すのだが・・・
反対派が局面の転換を図る方法は、何であれ常にテロだ。止むを得ない。それが世の中に如何に響くかが成否を分ける。
ハイテク機器の一般社会への拡散には、エロが欠かせない。(VHS・PC・DVD・インターネット…)こんな近未来は実現してしまうかも、という気分になる。
エンディングも特に衝撃は無いのであるが、全体を通して人間とAIの付き合い方の一面を見た感じがする。
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完璧な性や愛情のパートナーが現れ、それがマシンだった時、果たしてヒトは生身のパートナーを必要とするのだろうか。
セクサロイド(セックス用アンドロイド)を題材にしたSFは様々あるが、本作ではそこにAI、AC(人工意識)を絡め、さらにマシンを未成年型とする事で、現存する様々な社会問題をも交えて重層的に描いている。
舞台は近未来の日本、技術的な実現性は分からないが、冒頭の問いはAIの発展の中で起こりうることだろう。子を持つ気のない(種族維持本能が薄い)ワシなんかは、自分がどのような道を選ぶか、すごく考えさせられた。
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人間の5感の中で最も大きなウェートを占めているのは資格であり、それ以外の感覚は視覚のイメージにひきずられることがわかっていた
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セックス用アンドロイド「オルタ」が定着した未来。しかし、未成年型オルタは道義的に禁止されるべきものではないか?
取材者、オルタ、反対派活動家、製作者、さまざまな立場から問題を見つめていく。
この話を読む限りは、反対派の主張の方に切実性があり、肩入れしたくなってしまった。
18禁的なシーンがあるので、苦手な人は注意。
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少年型セクサロイドのお話。ただし、VRを利用しているところがミソか。それほどエロい話ではないが、実際に開発されたら、宗教的な禁忌や人権問題から、問題になりそうにない国に導入されるかもしれない。日本か?
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アンドロイド(作中ではオルタマシン)が相手の風俗店を取材することになった女性ライターが主人公。特に小児型のオルタマシンの使用をめぐる問題。非実在青少年問題など、盛りだくさんなテーマを、少々理屈っぽくなりながらも、うまくまとめて小説にしていると思う。テーマに沿って過激な描写が多いので、電車の中で読むには向かない。
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一言でいうとロボットを売春する話。他サイトには低評価なレビューもあるけど、そこまでひどくないと思う。アイの物語が素晴らしかったので比較するならわからないでもない。
裏表紙には「SF最大の禁忌を描く著者渾身の問題作」とあるけど、それほど禁忌というわけでもない。
人形を壊すのは嫌悪を感じることがあるけど、藁人形だったら嫌悪しないかも。嫌悪が発生するのはどこからなんだろう。そんなところに行きつく。
* 表現の自由は尊重されるべき
* 最大多数の最大幸福を尊重すると何か(芸術とか)が失われるかも
* 理解できなくても共存はできる(動物もそうだし)
といいたいのかなと感じた。
ACが開発できる程の未来ならほとんどの問題は解決しそうなので、alternatives はあまり必要とされないのかもと読んでて思ったり。
ミーフを含むオルタマシンの記憶とか思考力は体にはなくてサーバにあるだけだから、小酒井オーナーはデータをとりあえず持っていれば、しれっと再開できるのでは?法の問題なんて国はたくさんありますし。そもそも、彼らは死ぬことはないのだから、悲壮感は彼らにはなく、人側の勝手な推測かも。
ピアノ・ドライブを作った「結城ぴあの」は本編には直接の関係はなく、たぶん、別の本の宣伝ではとか。と言いつつ、「プロジェクトぷあの」を図書館で取り寄せました。罠にはまったのかしれません。
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主人公のライターは、オルタマシン=とても出来のよい未成年型のセクサロイドとのコミュニケーションやセックスを通じて、”彼”を”愛する”ようになるが…という、現代的な感覚で忌避感の強いペドフィリアをモチーフにとった考えさせられる本。
主人公は未来の人だが、愛と性が一体化している2000年代的な考え方の人。
お金を払えば、他者の肉体を自由にしてよいのか?という問いにはなんとなくNOと思う人が多そうだ。では、愛があればセックスしていいよね?という主人公的な考え方もどうなのかなと思わせる、かえって愛の方が乱暴ではないでしょうか。
なお、作中でオルタマシンの売春会社を運営する社長が語る過去の経緯の部分で『昔は性的な部分が強調された絵だけで批判された』とあるのだが、ゾーニングの問題とか、主に女性だけが物体化しているのが問題なんだよ!と主人公に代わってツッコミたくなった。
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『アイの物語』や『去年はいい年になるだろう』に継ぐAIと人間の境界というテーマに加え、さらに倫理観を問う。
日本の文化、不文律に切り込んだ作品だと思います。
帯の煽りだったり、テーマそのものだったり、中々買ったり、人前で読んだり、人に勧めにくい本ですが、是非読んでみて欲しい。
こんな世の中がすぐそこまで来ているような気がします。その時各国はどのように対応するのだろう?自分はどうするだろう?
ヒトとAIの尊厳。もう、先延ばしに出来ないところまで来ているのかもしれない。
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AIとVRとロボット技術が発達したら、そりゃ性風俗産業に流用転用することも考えるよなぁ…って世界の物語。
他の山本作品(プロジェクトピアノなど)とも世界観を共有しているあたり、辻村っぽいというかMCUっぽく、こういう物語のつながりは好き。
最先端技術の性風俗転用は善か悪か?という部分を論じているところは好き。
どんでん返しの黒マカロンの理屈「私が不快だから、世の道徳観とか人の意見はどうでもいい」あたりの議論も大いに考えさせられて良かった。
ただ、やっぱり俺はセクサロイドには、欲情(あくまで自慰的な)するかも知れんけど恋愛感情は持てないなぁ。と再確認できた。
価値観の多様化、それを認めることって難しいけど、必要なスキルだなぁと、それも再確認できた。
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タイトルでなんとなく手に取ったものの、ものすごく重いというか、倫理観を問われる本だなぁと思いました。
あと文系人間にはキャッスルの仕組みのあたりが難解でちょっと大変でした…。
登場人物たちにはなかなか感情移入出来なかったけど、「これから起こりうるかも」と思いながら読むと怖い話だなぁと思いました。
でも何もかもを規制すればいいってものではないと思います。個人的にはね。
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山本弘の作品の中でも少し変わっている作品。
精巧に創られた、少年少女の形をした「オルタマシン」に魅了される大人の話。内容・展開は面白いが、後半の性問題についての会話は根気強く読む必要がある。
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第83回アワヒニビブリオバトル「第7回ビブリオバトル全国大会inいこま予選会」で紹介された本です。チャンプ本。
2022.01.23